ニーア オートマタ


対応機種プレイステーション4
発売日2017/02/23
価格7800円
発売元スクウェアエニックス

(c)2017 SQUARE ENIX / PlatinumGames
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狂気と退廃的な世界観を描くことに定評のあるヨコオタロウ氏の代表作「ニーア」。約7年ぶりに続編が登場だ!!
「ベヨネッタ」のプラチナゲームズと強力コラボで製作された期待作。

ゲームとしては、スタイリッシュアクションを得意とするプラチナゲームズらしい手堅いアクションゲームに仕上がっている。
この一言で終わってしまうほど、分かる人にはわかる、予想通りのゲーム内容と言っていい。

ただ、「ニーア」は元々、RPG要素も強いので、オープンワールドでマップ切り替えがなくゲームが進行し、RPGのように目的地を示される、各地で発生するクエストを請け負う、
敵を倒す事でレベルアップなどの成長要素がある、容量の範囲内でチップを装着してキャラクタの性能をカスタマイズする要素、武器収拾&強化といった、システムがある。

簡単に羅列して紹介したが、このようにRPG要素の強い作品となっているので、純粋な3Dアクションゲームとはちょっと趣が異なっている。
どちらかと言うと、アクションRPGといったほうがしっくり来る。ただし、アクションゲームとしてもそれなりの歯ごたえがある密度なので、RPGを期待している人には苦しい、といった立ち位置にある。

そういったプレイヤーにも配慮して、難易度選択機能が付けられていて、ゲーム中いつでも変更が可能であったり、
レベルを上げたり装備を集めたりしてキャラクターを強化することで突破可能となったりなどの救済策がある。

ただ、他にも、回復アイテムを持ち歩いて、戦闘中にそれを使って回復ができる救済策もあるのだが、これはいささかやり過ぎの感が否めない。

なぜなら、回復アイテムが種類別に99個持てる上に、お金も序盤を除けば終始余りがちで(武器強化など使いみちはあるのだが、使う機会がない)、やられる!!という緊張感に乏しい。
しいて言えば、回復するタイミングを逃す「うっかりミス」程度で、あまり手痛い感じがしない。

それでも、アクション慣れしたプレイヤーでも、難易度ノーマルだと、物足りないなあと感じることもあれば、ここちょっと難しいな...と感じる部分もあるので、これはこれでありなのかもしれない。

アクション自体は、「面白いけど、これ以上に面白いアクションざらにあるよね」という水準だ。
純粋にアクションとしての面白さを求めている人にとっては、それ自体はちょっと物足りなく感じるかもしれない。

しかし、今作は何より、ヨコオタロウ氏の描く独特のセンスを持ったストーリー、演出、かつ、RPG要素が面白いし、見どころと言えないだろうか。

特に、チップの装着カスタマイズや、合成は、「さすがRPG屋のスクエニ、分かってる!!」という感じでかなり面白い。
また、遠距離支援ユニットのポッドも強化したり、武装を自分で付け替えたり出来るので、こちらもまた、面白い。

そして、シリーズおなじみである武器集めと強化も当たり前のように面白い。
これだけ完成された面白い要素が固まっているので、アクションが余所より多少劣っていても(という書き方は失礼なのだが)、十分面白い。困ったものだ。

周回要素もちゃんと用意されている。
というより、ゲーム上では周回プレイと呼称しているが、途中にエンディングが流れる構成になっているというだけであって、周回プレイを強いられる作りではない。
ストーリーが面白いつまらないは別として、物語の見せ方、演出がとても凝っていて、凄い!!の一言に尽きる。
個人的にはストーリーもなかなかおもしろく感じたが、この基準は人によって分かれたり、好き嫌いがどうしても出てしまうだろう。
ただ、他のゲームにはない意外性と深さが盛り込まれているとだけ書いておく。

内容的にしょうがないのだが、ストーリー展開が強制的すぎるきらいがあり、クエストをこなしている間に本編を進めてしまうと、攻略途中のクエストが消滅してしまうなどのケースが非常に多い。
とうぜん、これだけひどいとまともに遊べたものではないということで、クリア後にその点はちゃんとフォローされている。
だがそうであっても、個人的にはもうちょっとクエスト発生と消滅のタイミングを考えてほしいと感じる部分はあった。

不満点とか気になった点など。

序盤のチュートリアルがちょっと短時間で詰め込みすぎだったり、説明不足だったり感じる部分はあった。
あとからチュートリアルの項目で見直せるからそれほど大きな問題ではないが。

また、序盤から結構難易度が高めで、全体の難易度が高いというわけではないのだが、ゲームに不慣れな段階にしては序盤がきついかなあと言う印象だ。
操作に習熟して色々わかってくると、逆に簡単に感じてしまうほど(難易度ノーマルの場合)なので、序盤はもう少しゆるくしてくれると良かったように思う。

マップ表示の設定が不便。
ミニマップは表示固定(常に北を上にして表示)出来るのに、メニューからマップを見る場合の表示固定が出来ない。

あと、セーブが3つしか出来ないのも少なくて不便。HDD搭載のゲーム機としては、セーブファイルが決められてしまうゲームのほうが少ないのだから、不満点として挙げさせてもらった。
ゲームクリアまで遊ぶと、本編でやり残したことに対するフォローが入るので、セーブを複数に分けてする必要性がなくなるが、それを知らないときというのはセーブを分けたくなる。
そうなると、セーブが3つしかできないと、どれを残してどれを消せばいいのかわからず足りなくなってしまう。

その他にも、どうも全般的にユーザーインターフェイスは「もう一歩」の感があり、悪くないんだけどちょっとやりづらいといった箇所がある。

バリバリにアクションゲームの軽い挙動で作られてるせいで、RPGの「人に話しかけて情報収集をする」という行為がちょっと辛い。
ところどころある、微妙なジャンプアクションも同様にストレスになっていた。

まとめに入る。

グラフィックは当たり前のように綺麗で、部分的ではあるが60フレームで滑らかに動いてくれる。
スタイリッシュアクションのほうも、二刀流で武器を切り替えるということをすることなく、別の武器にコンボを繋ぎ変え出来たり、ポッドで狙いを定めて射撃するなど、アクションが豊富で良い。
少々忙しすぎないかと思ったが、慣れてくると不思議とこれぐらいの操作も気持ちよく出来るようになり、実に動かしていて爽快感を得られるものだった。

何より、ありきたりなゲームにもう飽きたという人にこそ、ぜひ触れてみて欲しいゲームだ。きっと楽しめるだろう。
プレイ時間もアクションゲームにしては長く、約30時間のボリュームの超大作となっている(個人的には長すぎだと思うが)
そこで結論。

シリーズファンは勿論、ゲームはやはりストーリーこそ命で、変わったゲームを求めてる人に。





[2017/02/26]
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