Newスーパーマリオブラザーズ2


対応機種ニンテンドー3DS
発売日2012/07/28
価格4800円
発売元任天堂

(c)2012 Nintendo
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ニンテンドー3DSにも、やっぱり「Newスーパーマリオ」がやってきた!
DS版とWii版でよほど当てたからなのか、3DSでも核となるフォーマットはそのままに新作が発売された。

ゲーム内容に大きな変更点はなく、ステージがあたらしくなったぐらいで、グラフィックやサウンド、大まかなゲームシステムなど含め全て前作までと比べ変化がない。

個別に見ていくと、コインを累計100万枚集めよう!というコイン稼ぎに焦点を当てたテーマ(そしてそれに沿ったコースレイアウトの設計、ゲームモードやシステムの整備)。
Wii版では既に4人同時プレイが実現していたが、携帯ゲーム機でははじめて本編ステージでの2人協力プレイが実現するといった、新しいこともやっているのだが、核となる部分に違いがないので目新しさに乏しい。

もっとも、システムがそのまんまと言っても、コースデザインやゲームバランスが秀逸で、元々かなり完成度が高いフォーマットなので、ステージが新しくなっただけでも楽しいっちゃ楽しい。
だが、「マリオ」という看板を背負っているだけに、同じシリーズで、DS、Wiiと出してきて3作目でこれだけマンネリを感じてしまうと、イマイチな印象を持ってしまう。
仮に「マリオ」シリーズじゃなかったら、ここまで厳しい目線でけなさかったと思うので、決して悪いゲームではない。

しかも、年内にWii Uでまた「Newスーパーマリオ」の新作を発売予定なのだから、恐い。
何が恐いのかというと、いくら優秀なゲームでも、乱発されればそれだけ飽きられるのが早くなる。
この路線で全くシステムの刷新が無いまま売り続けるとしたら、いいとこ後3作ぐらいが限界だろうと見ている。

同一ハードに何本も(ステージマップ変えただけの)新作を出すというような馬鹿なことは任天堂はやらないと思うが、最近この会社はなりふり構っていられない節があるので、気になっている。
なんだか急激にカプコンの「ロックマン」化し始めてて、心配である。
そろそろ本職のアクションゲームでも、新しい挑戦や進化が見たいところである。

具体的なゲーム内容について語る。

ただゲームをクリアするだけの他に、コインを取った枚数が集計されていて、どんな手段でもいいから100万枚コインを集めることを新しい目標として掲げている。
結果的に、どのステージでも、景気よくコインが手に入る気持ち良いステージ構成になって、派手さや爽快感が出ているのは良いのだが、結局はこれってていの良い商品の延命措置である。
本編のステージをコンプリートクリアするだけでは当然ながら100万枚なんていう枚数には到達しない(自分の場合3万枚程度だった)。
すれちがい通信で、コインラッシュモードの記録をやり取りできたり、コミュニケーションの幅をもたせようという狙いは個人的には好きなのだが、やっぱり全体的に取ってつけたような感が否めず、馴染めなかった。

2人同時プレイ出来るのはよく頑張ったと言いたいが、携帯ゲーム機なので、ソフト1本で試すことが出来ず、2人で遊ぶ場合は当然2つのソフトが必要になり、実用的ではない。
このあたり、かなり残念と言わざるをえない。

決め付けるわけではないが、2人同時協力プレイをする状況を少し考えてみる。
まず、ゲームソフトを持っている人がいて、持ってない人がその人の家に行った時、せっかくだから1人でやるより2人で一緒に遊んでみようとなるケースが多いんじゃないかと思う。
別個にソフトを持っている場合、1人でも不自由なくプレイできるアスレチックアクションを、わざわざローカルのワイヤレス通信を使って遊ぶだろうか?という話になる。
カプコン「モンスターハンター」のように、協力プレイが当たり前のようなゲームだとまた事情が変わってくるが、このジャンルのゲームでは少なくとも友達の家にソフトを持って行って遊ぶゲームになりえるのか?と思う。
ないよりはあった方がいいって言う理屈はわかるが、苦労して取り入れた割に実入りのない事態に陥っていないか?と感じる。

ゲームバランスは、相変わらず、「クリアするだけなら簡単」で、物足りない人は「スターコインや隠しゴールを探す」ことで、物足りなさを払拭させている。
だが、さすがにこの難易度構造にもマンネリを感じだしている。

他の横スクロールアクションでも同様の探索収集要素があるから余計感じるのだが、このシリーズの流れ的には大体パターン化してしまってて、
1周目は素通りでクリアして、クリア後戻ってスターコイン回収と隠しステージ探しの仕掛け自体に飽きが来ている。

この文法は他でもさんざんやり尽くされてることなので、この文法自体を否定するわけではない。このゲームは、前作までの流れを完全に踏襲した作りで全く変化がなく、いい加減飽きたという話だ。

肝心のステージギミックにしても、新しいものが全然ない(勿論新しい仕掛けはいくつかある。しかしそれは新しいと言えるほどのものではない)。
マリオシリーズ過去作の仕掛けのオマージュも、これだけ大盤振る舞いされると、もう懐かしさだけじゃ楽しめなくなってくる。

代わりにマリオの変身バリエーションは、バランスがだいぶ練り直されて良くなった印象だ。
Wii版ではプロペラマリオが強すぎて興冷めした人も多いかもしれないが、3DS版では無くなって、代わりに新しいバリエーションとしては、しっぽマリオとゴールドマリオ(触れたブロックをコインに変える炎を出せる)の2つ。
しっぽマリオは、空をとぶことができるが、マリオ3と同じく助走が必要だったり、攻撃アクションのしっぽをふるという動作もリーチが短く設定されてるので、それほど万能というわけではない。
余談になるが、任天堂はこれからしっぽマリオを推して行きたいようだ。「スーパーマリオ3Dランド」以降異様に露出(採用作品)が増えている。
Wii版ではもっと色々変身できたじゃないかという声もあるかもしれない。じっさい、ペンギンマリオなどは今回はなくなって数的には減っている。個人的にはWii版はほとんど使わないものとかあって、数が多すぎた印象だったので、こんなもんだろうと思う。

細かい不満に感じた部分としては、ストックアイテムとワールド移動時の操作が相変わらずタッチ操作のみであること。ボタン操作もフォローして欲しかった。
それから、強制スクロールのステージがちょっと多いきがする。

最初にも軽く書いたが、手厳しい内容になってしまった。
2作目となるWii版では、1作目のDS版をほとんど踏襲した作りだったが、まだ素直に楽しめていた。
だが、同じようにシリーズの路線を踏襲した3作目となる3DS版は、ここで書いたように、マンネリがひどくて楽しめなかった。

ゲーム自体は、コース設計やバランス調整などは非常に丁寧に作っているのがよく伝わってくる。
「マリオ」じゃなかったらここまで厳しく言わない内容のゲームなのは確かだ。
だが、「マリオ」であるがゆえに、一歩上をいく水準の作品を期待してしまうのも事実。そこで結論。

「Newスーパーマリオ」シリーズ未経験の人なら楽しいだろう。過去作やってる人にはさすがに厳しいかもしれない(個人的にはWii U版に激しい不安感を覚えた)。





[2012/07/29]
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