ニュートピア フレイの章


対応機種PCエンジン(Huカード)
発売日1989/11/17
価格5800円
発売元ハドソン

(c)1989 HUDSON SOFT
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PCエンジン版「ゼルダの伝説」といったゲーム。

フィールドマップはトップビュー一画面切り替え方式、8つのダンジョンを攻略する所、木を燃やして隠し階段を出現させたり、石を動かして扉を開けるといったギミックの数々など、
ディスクシステム「ゼルダの伝説」と類似点が数多くある。

ここまで素直にパクっていると、もはやいやらしさは何一つ感じない。「ゼルダの伝説」の謎解きアクションに惹かれて、その魅力をPCエンジンに移植したと胸を張って言える作品だ。

論点となるのはただ一つで、ゲームとして面白いかどうかだ。

このへんに関しては、最初に書いてしまうが、正直、無個性で、厳しい出来と言わざるをえない。

全体の印象としては良くも悪くもハドソン製アクションゲームといった感じだ。
グラフィックの色遣いなど、センスが全体的にコミカルで、ファンタジーRPGにするなら、もっと渋めにしないと雰囲気が出ない。
ボスのデザインなんかは、子供向けアクションゲームみたいな感じのノリで作られてて、かなりガッカリさせられた。

次に、ゲームバランス。
特に謎の引っ掛け方に捻りがなく、ヒントが多いし仕掛けの種類が少なくワンパターンで、詰まることがないので、達成感がない。
「ゼルダ」だとダンジョンの入口を探すところから始まるが、「ニュートピア」だと場所や入り方まで丹念にヒントが示されるし、わかんなくても探索してれば勝手に進める程度の障害でしかない。

アクションゲームとしても、かなりヌルい部類で、終盤のボスぐらいになると、やっと丁寧な操作を求められるようになる程度で、やっててとにかく緊張感や爽快感も何もない。

ダンジョンに配置されているアイテムは、ワンランク上の剣、鎧、盾ばかりで、ゲームを進めても「ゼルダ」のように多彩なアイテムで、アクションが追加されるってことがない。
強い装備が手に入ると入っても、半ば強制的に取らされる感じなので、プレイヤーが強くなっているという実感も得られない。

攻撃力は高いものの剣のリーチがあまりに短すぎて、飛び道具の火の魔法の万能さに完全に負けてしまっている。
火の魔法も、プレイヤーの体力値によって性能が変化するが、2段階目のブーメラン状態が、弾の速度も早いし3連射出来て使い放題なのもあって、一番使える攻撃手段になってしまっているのも、なんだか調整不足に感じた。

フィールドマップが、なにもない割に妙に広くて入り組んでいるのも、無駄な空間が多すぎるように思う。
地上、地下、海、空と4つもフィールドがあって頑張りは伝わってくるのだが、ただぐちゃぐちゃと広いだけで、探索する楽しさがない。

「ゼルダの伝説」をここまでおおっぴらに真似していて、面白そうな要素が沢山あるのに、淡々とした作業的なゲームになってしまっている。
実に勿体無いと言わざるをえない。

表面的な部分は一生懸命、参考にして真似はしてるんだけど、それよりも肝心なゲームとしての面白さの付け方が、本当に未熟で、浅くて、きつい物言いばかりになってしまったが非常に惜しい作品に感じてしまった。そこで結論。

もっと面白くパクれ!!





[2014/06/26]
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