対応機種 | プレイステーション |
発売日 | 1999/03/25 |
価格 | 4800円 |
発売元 | チュンソフト |
「かまいたちの夜」から始まった、サウンドノベルエボリューション三部作も、今回の弟切草でとうとう完結。
前2作を凌駕するリメイクっぷりで、8年ぶりに独特の恐怖感がプレイヤーを包み込む!!
PSのサウンドノベルの中でも、とりわけ手を入れられているのがこの「弟切草」である。
グラフィックは豪快に全面リニューアルされ、彼女(奈美)視点でのシナリオも追加。その他、加筆修正など、変更点は多々。
8年という間が、そうさせたのもあるだろう。しかし、作り手の愛や思い出もそこに介在しているように思える。
たぶん、3本のうちのこの一本が本命として作られていたんだろう。力の差分が半端じゃない。
さて、そんなPS版であるが、あまり手放しで褒められた出来映えとは言い難い。
なんというか、綺麗に描き直されたグラフィックは、まるで豪華なお化け屋敷のようで、そこには暗闇の恐怖のようなものはなく、
代わりにあるのは、グロテスクな置物といった、目で怖がらせるものばかりである。
合間に入るムービーも、確かに凄いのではあるが、繰り返しプレイするには邪魔でしかなく、ロード時間を意識した遅めのメッセージ表記とあわせると、テンポの悪さがひたすら目立つ。
ちなみに、大体一回読み切るのに1時間かかる。
構造上出来ないという理由もあるのだろうが、フローチャート機能や読み戻し機能が一切用意されていない。
ゲームのコンセプトと相反するからという理由だろうけども、やっぱりわけのわからない展開のシナリオを何回も繰り返し遊ぶのは素直につらい。
選択肢の選び方によって、後半のシナリオ展開が決まるのだけども、この法則性がさっぱりわからない。いや、敢えてそうしているのだが。
この辺の作りがどーも、安くて、好きになれなかった。
そこで結論。
意欲作ではあったが、今に通用するほどの良作ではない。