黄金の太陽 失われし時代


対応機種ゲームボーイアドバンス
発売日2002/06/28
価格4800円
発売元任天堂

(c)2001 2002 Nintendo / CAMELOT
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GBA初期に発売されたオリジナルRPG「黄金の太陽」の続編。
続編といっても、元々二部作に分けて作っていたらしく、基本システムは一緒であり、
ストーリーは前作の続きからとなっている。

一応、分けて出しているのだから、物語のアプローチとしてもう少し上手いやり方はなかったのかと思う。
完全に前作の最後からの続きであって、知らなくても楽しめることは楽しめるがどうも気持ちよくない。
開始前に簡単なあらすじがテロップで流されるのだが、おさらいとしてはそのテロップだけ。
ちょっと配慮不足に思う。

また、前作と今作では主人公が変わっているのだが、
ドラゴンクエストのように「主人公は喋らない」という手法をかたくなに守っているために
前作では全く喋らなかった1の主人公が本作では喋りまくり、
逆に、前作で喋っていた2の主人公が本作では喋らないと言う妙な状態を生み出している。
主人公を変えて描くのならば、もう割り切って喋らせた方が良い。
かえって喋らせないのはこのような違和感を出してしまい逆効果になる。

前作のデータを引き継ぐことも出来る。
通信ケーブルだけではなく、パスワードという方法も用意してくれているのは配慮が行き届いている。
ただし、情報量が多いためパスワードの文字数もかなり多く、
しかしその割にきちんとデータが反映されず、ひどいときにはバグっている場合もある。
通信ケーブルでやれば完璧かと言えばそうでもなく、やはり一部データがそのまま移行されない。困ったモンである。
引き継ぎを行うことで、前作のキャラがそのままのレベルで仲間になるが、
仲間になるのはゲーム後半で、実のところ恩恵はあまり無い。

ゲームシステムや内容に大きな違いはなく、目新しさは無い。
悪いところを改善されると言ったこともなくそのままに作られている。

ゲーム内容としては、ようやく世界の全容が明らかになり、
RPG一本分としても申し分ないボリュームになった。
船といった乗り物も登場し、フィールドマップも結構な広さで、壮大な冒険をしている感覚がグッと出ている。
だが、ここまでやっているのに、前作で収録されていた大陸だけ入れないというのはいただけない。
地図にも表示されていて、そこ以外には全て到達出来るのに、避けたかのように前作のところだけ入れなくしているのは
煮え切らないものを感じる。

ダンジョンの仕掛けの数も豊富になり、難度としては落ちているが、大掛かりな仕掛けを動かしていくのは
なかなか快感で、楽しく攻略することが出来る。
だが、エンカウント戦闘は相変わらずどっぷりぬるま湯で、簡単過ぎて面白くない。

ストーリーの滅茶苦茶さや、文章の駄目さも相変わらずで、一応完結するのだが、
そもそも何を描きたいのかサッパリなので、やっぱりなんだか適当なところで終わってしまう。
しかしRPG制作に携わってきたメーカーなのだから、もっとRPG向きなシナリオは書けると思うのだが、
どうにもゲームとしても盛り上がらない最悪の構成になってしまっていて、どうやれば一体こんなに酷く作れるのかというレベルまで行ってしまっている。

前作のパーティ4人と今作のパーティ4人、計8人が最終的に仲間になり、
戦闘中にも入れ替えたりと、多少幅が広まっているが、違いとしてはそれぐらいである。

シリーズとしては進化のない駄作。単体としてみればそれなり。





[2005/04/12]
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