オーソドックスなジャンプアクション、PC原人の3作目。 このゲームは、当時Huカードのアクションゲームとしては極めて高額な 7200円という定価で売り出された。 ゲーム内容に大きな変更が特にあったわけでもないのに、この値段はかなり法外と言える。 これにはHuカードの媒体で8Mという容量を実現するには高いコストを要するからと見えるが、 それにしても、値段設定に配慮がないのは事実である。 因みに、前作、前々作ともに定価は5800円だった。 Huカードとしては大容量となる8メガのリソースをふんだんに生かして 前作までに比べ、全体的にボリュームアップしている。 それだけではなく、3作目ということもあって様々な部分で成熟してきた感があり、 完成度はかなり高いと言っていいだろう。 3作目というとシリーズ物の分岐点で、大抵大成功を納めるか大失敗するかのどちらかに分類されるが 本作は、ずっと下手な冒険をせず、一作目からの伝統や基本をしっかりと受け継ぎながら作ったことが 見事に功を奏している。 ステージ構成や仕掛けは明らかに分かっている作りで、 適度に配置されたとぼけ気味な敵キャラや、絶妙なタイミングで配置されているギミックは 遊んでいて退屈することがない。 2でやや出し切った感のあるステージ群は、 それまで以上に、よりコミカルにユニークに、シリーズ経験者でもマンネリを感じることなく 新鮮に楽しむことが出来た。 それでいてステージの長さや数も多く、ボリューム感たっぷりである。 3で新たに用意された要素として、キャラが大きくなるキャンディーと小さくなるキャンディーが追加された。 巨大化するキャンディーを取ると、画面の1/3は占めるであろう巨体になり その姿は圧巻である。 一方で、キャラが小さくなる方は、敵に当たりづらくなったり、小さな隙間に入るなどのメリットよりも 動かしていてチマチマして面白くなかったりと言ったデメリットの方が体感的に大きかったように思う。 ゲームのバランスや理屈としては理に叶っているのではあるが、 単純に小さいキャラを動かすのはスケールが小さくて爽快感に欠けるのである。 もうひとつ追加された要素に、二人同時プレイがある。 それまで一人プレイ専用だった本作で、あまり目立たなかったが実は大きな追加点だった。 しかし、二人同時プレイは本当にただ入れただけで、 そもそも一人で遊ぶことを前提に作られた本シリーズで、 根本的な仕様変更も無くそのようなものを入れられてもイマイチ面白く無い。 ステージ上では対戦が出来るモードへ移動出来る装置もあるが、 これもまた、付け焼き刃で入れただけで全く持って面白くない。困った物だ。 見た目や、これといった変更点は無いが、シリーズ3作品の中ではずば抜けて出来が良いのは確か。 1年後にはSFCにシリーズ進出を果たしたが(超原人というタイトルで発売)、 初めからこの水準で遊べる(さらにプラスαな内容)のだから実に贅沢な物である。