対応機種 | ニンテンドー3DS(ダウンロードソフト) |
発売日 | 2017/07/12 |
価格 | 0円 |
発売元 | スクウェアエニックス |
一言で書くと、ピクロスの「ファイナルファンタジー」バージョン。
このゲームの具体的な沿革を書いていくと、結構長くなっていくので、最低限にバッサリとまとめると、
既にスマートフォン向けに展開している基本プレイ無料の「ピクトロジカ ファイナルファンタジー」を、コンシューマ機のニンテンドー3DSに最適な形に再構成して輸入したもの、と考えて良い。
スマホ版と同様の基本プレイ無料のアイテム課金方式であるが、ガチャの要素やオンラインにつなげて遊ぶようなものはない。
先のステージに進むために必要なチャージ時間を、お金を払うことですぐに遊べるようにするという構造になっている。
既にお気づきの方もいらっしゃるかもしれないが、以前、同じく基本プレイ無料、アイテム課金方式だった「ポケモンピクロス」の路線を踏襲したものとも言える(開発会社は同じジュピター)。
「ポケモンピクロス」では、無料で遊ぶ場合、厳しいスタミナ制限があったり、ピクロイト(実質的な課金石)をせっせと溜めてステージ開放という面倒な作業が必要だったが、
それと比べると、スタミナの要素は無いし、一定時間待つだけで良いので、だいぶシンプルになり、楽になったと言える。
但し、無課金で最後まで遊ぶ場合、スムースにやっても最低8ヶ月必要な形になっており、お金を払うことが馬鹿らしくならないよう、ちゃんと釣り合いをもたせている。
ゲーム内容は、いわゆるピクロスが300問、「ピクロスe」で言うところのミクロスが3問に加えて、スマホ版のバトルモードが収録され、遊べるようになっている。
バトルモードは、スマホ版とシステムは同一であるけども、中身は殆ど別物と見て良いようだ。
ピクロスは、おなじみのヒントルーレットに加え、間違えたらモーグリが教えてくれる、注目すべきヒント数字を教えてくれるアシスト機能が充実している(勿論頼らずに遊ぶことも出来る)。
さらに、問題自体の難易度も抑えめになっているので、慣れた人がやると物足りないといった位置にあり、正直立ち位置が微妙なところ。
難易度の関係上、解いた絵が、全体の一部分だったりということがほとんどで、絵を完成させた!という達成感に乏しいのも、困りもの。
ここらへん、難易度をガチにしてしまうと、一見さんが手を焼いて逃げ出してしまうというのを想定しているのだろう。
ジュピターとしては「ピクロスe」の販促につながれば...という目論見なのだと思われる。
一方、バトルモードなのだが、スマホ版はさすが長期運営に漕ぎ着けた人気作品だけあって、遊んでみると実際問題ちゃんと面白い。
ゲームシステムは、FF13のようなバトルシステムを、ランダムに出題されるピクロスをできるだけすばやく解いて進めていくというもの。
これだけで一本のゲームソフトとして売り出せるんじゃないか?というほど、エフェクトも凝っているし、敵のバリエーションも豊富。
だが、バトルがピクロスだと、やっぱり売れそうにないってことで、基本プレイ無料という形に落ち着いたのだと思う。うーん、勿体無いんだかもったいなくないんだか、良くわからん。
どれだけ凄いかと言うと、パーティメンバーが160人も収録されてて、キャラごとに必殺技が用意されていて、その演出も、再現度に凄いこだわって作られている(元ネタの作品を知っていると楽しい、そうじゃなくても楽しい)。
ちょっとインターフェイスの出来が良くないのと、バトルのルールが複雑で覚えたりコツを掴むまでが辛い、それに加えて、ゲームを進めてメンバーが揃ってこないとまともに遊べないというのが、敷居を高めてしまっている。
ピクロス目当てでダウンロードして、「興味ないね」って人は、ちょっと触ってみて欲しい。ピクロスだけやって、これを全く遊ばないというのは正直勿体無い。
スマホ版と連動させることで、遊べるようになるステージなんかもあって、スクエニちゃっかりしてる!って感じだ。
スマホ版は遊んだことがないが、どうやら3DS版のバトル部分は、「お試し版」と言っていい程度のシンプルさで、本家はもっと遊べる作りになっているようだ。
「お試し版」と言っても、単体でもじゅうぶん満足出来る完成度で出来上がっていて、これだけでもお腹いっぱいになってしまう作りだと個人的には感じた。
これだけボリュームがあって、楽しめるゲームが基本無料で提供されているのは、破格と言っていいかもしれない。
そこで結論。
「販促ゲー」としては中々の出来映えじゃないですか?