ピクロス2


対応機種ゲームボーイ(13色対応)
発売日1996/10/19
価格3000円
発売元任天堂

(c)1996 Nintendo / Creatures / Jupiter
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ピクチャークロスワードをゲームの1ジャンルとして定着させた「マリオのピクロス」シリーズの続編。
ゲームボーイでは2作目で、「マリオ」がタイトルから外れているが、今作でもプレイヤーキャラクターとして登場する。

スーパーファミコンでも「マリオのスーパーピクロス」と題して発売されたが、本作はSFC版で導入されたゲームシステムをベースに開発されている。
間違ったら知らせてくれる「マリオのピクロス」モードと、全て自力で解いていく「ワリオのピクロス」モードの2つが用意され、前者では時間を犠牲にしてヒントルーレットを使うことが出来るし、後者のモードでは、仮定法を使うとき便利な仮置きモードが搭載される。
確定した数字を赤塗り出来る機能も頑張って入れている。

仮置きモードは、挙動を全て記録する仕様のせいで、キャパシティを超えると強制的に確定するかどうか聞かれる(一定の手数を超えると記録できないので一旦強制終了させられる)のがやっていてうっとうしかった。
仮置きを解除しないまま解き続けていたとか、よっぽどのことがないとそういった状況におちることはないのだが、試行錯誤しているときにそういった制限を気にしなければならないのが面倒。
ゲームボーイだから仕方のない部分もあるのだが、仮置きと確定塗りの区別が付きづらい(仮置きでは薄く塗られる)のも致命的な弱点と言える。

カーソルをあわせている列の数字を他の列より大きく表示して目立つようにしたつもりだろうが、わかりづらい。色数の制限があり厳しいのだろうが、色を変えるのが一番手っ取り早く目立たせる方法だろう。
全体的にインターフェイスは、スーパーファミコン版と比べると粗が目立つが、初代GB版に比べるとレスポンスも向上し、ゲームボーイというスペックを考えると良いレベルに達していると言える。

問題のサイズは30×30だが、これだと画面のサイズにとてもじゃないが収まりきらないので、実際には15×15に4分割したものを解く。ヒントの数字は15×15にあわせて表示される。
絵を分割した部分的なものが正解になるので、0や15といった一目見るだけで確定出来る問題が多く、全体的にかなりヌルい。「ワリオのピクロス」の終盤でやっと仮定法を必要とする問題が出てくるが、それでも所詮問題サイズが15×15と小さいので、たいしたことはない。
問題の収録数は非常に多く、30×30を1問として計算すると約200問入っている(実際にはそれ以上ある)。しかし、前述の通り、そのほとんどが簡単なので、歯ごたえがない。作業的である。

レベルごとにフィールドマップを作って、見栄え良く見せようと頑張っているが、普通にメニューから選ばせる作りでいい。テンポが悪いし、歩ける場所がわかりづらい。

ステージごとにゲームルールが若干変更される(具体的にはこちらが不利になる)が、制限時間が90分というのは、かなりヌルい。従来作では30分で、実質4回間違える(2分、4分、8分、8分と引かれるとほとんど残らない)とタイムオーバーだったが、90分もあると、わざと沢山間違えない限り、まず時間切れになることはない。
逆に、「ワリオのピクロス」では、制限時間を課してプレイすることが出来て、その状態でクリアーしていくと隠しステージが登場するが、この条件付けもはっきりいって蛇足であった。
「マリオのピクロス」側にも、隠しステージが用意されているが、出現させる条件がイマイチ分かりづらい。というか、すっきりしないので、こういう分かりづらい隠し方はやめるべきだった。買った以上、収録されたすべての面をプレーしたいものである。

このシリーズはゲームとしても、隠し要素の出し方や問題の難易度の上がり方、操作性やプレイルールなどどれをとっても工夫されており、完成度の高い作品であった。しかし、本作ではそういった面での詰めの甘さが目立ち、ゲームとしての作りは荒っぽく感じた。

3000円という低価格で、このボリュームは、コストパフォーマンスにおいて破格と言えるほどの素晴らしさを誇るが、質的な面から見ると、質が落ちたな…と言わざるをえない。
土台となるゲームシステムは非常にクオリティの高いものなので、他社製品と比べると、それでもかなり遊べるレベルではあるのだが、今一歩惜しい出来のゲームになってしまっている。そこで結論。

質を犠牲にして量を目指したゲーム。





[2010/12/15]
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