ピクロスDS


対応機種ニンテンドーDS
発売日2007/01/25
価格3800円
発売元任天堂

(c)2007 Nintendo / Jupiter
戻る

ゲームソフトのジャンルの一つとしてもいまやすっかり定着した、ピクチャークロスワードパズル。
任天堂からこのゲームが発売されるのは、随分と久しぶりとなる。

元をたどれば、任天堂がゲーム化した最初のメーカーであり、今回も開発元は、その任天堂に企画を持ち込んだジュピターが同じく制作している。

ただ単にいくつか問題を収録して出すだけでは満足行かず、色々とチャレンジをしていたようだ。
サテラビューでの一日一問配信や、ニンテンドウパワーでの月刊配信など。どれも、意欲的でありながら、供給元の問題点が多すぎて、成功には至らなかった。
そういう挑戦も込めて、長年沈黙を保ち続けていた作品なのだろう。
個人的には脳トレブームが来た時に「絶対に出る!!」なんて息巻いていたもんだから、発売が遅すぎた感すらあるぐらいだ。

脳トレシリーズにあやかるためか、以前では「マリオのピクロス」として売り出していたものが、キャラクターを廃し、デザインもおとなしめである。

また、「今日のピクロス」というモードが追加されている。
これは、ランダム生成される簡単な問題5問を解いた時間を計測し、その成績が折れ線グラフで表示されるという、ようは脳年齢のピクロス版である。
このパズルは、ひらめきが重要なものだと思っているので、しっくりこないモードだが、一つの指標としてはかるには、とりあえずはわかりやすい手法だと思う。
難しい問題と簡単な問題の差がありすぎるので、引きが良くないと結果も良くない傾向になりやすいという印象があった。

操作性の良さは相変わらずで、これまでの任天堂製のピクロス同様、説明書いらずで、違和感なく入り込める。
DSということでタッチパネル操作にも対応しており、コマーシャルなどではこの操作方法が全面に押し出されているが、元々キー操作で気持ちよく動かせたゲームだったので、ボタンで操作した方がやりやすい。
しかし、タッチ操作でも過不足無く動かせるよう努力しているところは高く評価出来る。

(以前と比べて)細かい部分での操作の挙動が若干変更されているが、考えられた上でのものだとすぐに納得がゆく。

塗りおえた数字に対して色分けする機能は本作では自動化されている。少々親切過ぎやしないか気になったが、手軽に遊ばせるには妥当な判断だったと思う。
それよりも、こちら側の入力に対する反応が良くできていて、そういう面で感心してしまった。さすが、他社の一歩先を行くことを平気な顔でやってのけるメーカーである。

問題の数はかなり多く300問以上とこの手のゲームでも屈指のボリュームを誇る。
間違えた場合に教えてくれるモードと、教えてくれないフリーモードの2種類用意されている(問題内容は別物となっている)。
ヒントルーレットも健在。ただし間違えたときに知らせてくれるモードでの制限時間は撤廃されている。
せかせかと焦らせるのが嫌だというのもあったのだろう。しかし、1時間を超えると問題自体は続けられるが、最後まで解いても正解したことにならないというペナルティが付く。
なので、一応は制限時間の概念は存在する。間違えた場合、経過時間に時間がプラスされる。

問題のサイズは、最大で25×20まである。
このうち15×15以上になると、ズームアップ機能が備え付けられる。
全体を表示させていると、マス目、数字ともに小さく見づらいことに対する配慮である。
これは、ニンテンドーDSが、画面の小ささを解像度の高さでフォローしていることからきている。
ズームさせると、当然ながら画面をスクロールさせながらプレイすることになる。見やすくはなるが、全体を見渡せないのは厳しい。かといって、全体図も駄目。

このように、このゲームは、目に掛かる負担が非常に大きく、気兼ねなく遊べないのが難点(ズーム機能も上下左右に激しく画面を動かすことになるのでつらい)。
はっきりいって、この一点だけで、このゲームに対する評価は大きく下がった。

Wi-Fi通信に対応しており、サーバーから新たな問題をダウンロードしたり、問題を自作出来るモードで作ったものを交換しあったり、対戦も出来たりと、終わらないゲームを目指している。
遊ぼうと思えばいくらでも遊び続けられるゲームなのである。3800円でこの至れり尽くせりっぷりは凄い。

問題の合間に挿入されるタッチスクリーンを使ったコーヒーブレイク的なミニゲームなんかも洒落ており(後半は難しすぎて息抜きにならないが)、手堅いが余裕のある作りだ。
ゲーム自体の思想設計は凄くいい。そこで結論。

DSでピクロスを作るのは意外と難しい。





[2007/02/02]
戻る

inserted by FC2 system