ピクミン

対応機種ゲームキューブ
発売日2001/10/26
価格6800円
発売元任天堂

(c)2001 Nintendo
戻る

最大100匹まで連れ歩ける小さい生き物ピクミンに指示を与え
30日以内に不時着時に散らばった宇宙船のパーツを集め脱出する
新感覚AIアクション。
あの宮本茂原案の待望の新作。

ゲームキューブのローンチタイトルであったルイージマンションが
不甲斐ない内容だったが、本作はGCの性能を使いこなした
真のローンチタイトルに見た目も中身も相応しい内容となっている。

まず、一匹一匹のピクミンの動きが活き活きしていて凄くいい。
ちゃんと別々に動きがあって、何も指示しないでほうっておくと
各々がだらだら〜っとくつろいでくれる。
なにか指示を与えると、独特の鳴き声をあげながら頑張ってくれる。
CMソングとともに、一時期ブームになったのが頷ける可愛さで溢れている。
絵的にもピクミンのワラワラ感が目新しく、これを好きに動かせるのだから
これだけでも凄いインパクトになる。

グラフィック、というかフィールドマップが非常に精巧に出来ていて、
良くできたミニチュア模型をいじっているような感覚が目新しい。
箱庭型のゲームは結構な本数が出ているし、完成度の高い物も決して少なくないが
それらの多くは等身大の縮尺で描かれていて、このタイプの物はそろそろ成熟してきた
感が漂うが、
本作は、遠くからテレビ画面を眺めて、こう、遠巻きにミニチュアの中を冒険している
距離感がもの凄くゲームとしていい位置にあるように思う。
そのぶん、マップの数は少ないのだが、本当に細かな部分まで粗が無く作り込まれていて
カメラを寄せて拡大しても全く見劣りしない。

ゲームシステムは、RTS(リアルタイムシミュレーション)に任天堂お得意の
探索型アクションゲームの色を強めた形。

30日間という日数制限に対し、宇宙船のパーツは全部で30個。
勿論、期日内に全て集めきれなくても強制的にエンディングになってしまう。
この日数制限は、ともすればストレスの元になるのだが、
このゲームに関しては、緊張感を促す良い材料になっている。

一日の終わり、日没までにつれているピクミンは拠点となる場所にかえさないと
残されたピクミンは夜間凶暴化する原生生物に食べられてしまう。
そのために、時間を見ながらある程度の計画性が求められる。

日数制限があるから、
人によっては、慎重に下見をしてから乗り込む人、
ぶっつけ本番!!行き当たりばったりで対応する人など
性格によってプレイスタイルが分かれるのもなかなか面白いところ。
どっちのスタイルでもそれなりになんとかなるバランスに収まっている。
(圧倒的に前者が有利にみえるが、手先の器用さも求められるのでそれなりの腕が必要)

時間の流れによって微妙に色合いが変わっていくのも雰囲気が出ていていい。
音楽もおしなべてクオリティが高く、独創的。
特に一日の終わりに流れる音楽はデモムービーと共に凄くいいムードを出している。

通常のスティック操作でオリマー(プレイヤー)を、
Cスティックでピクミンの隊列を若干動かすことが出来る。
同時期に出た「ルイージマンション」と似た二次元的操作だが、
本作の方が直感的に分かりやすく操作しやすい。

ピクミンは三種類いて、赤は戦闘タイプ、黄は電気に強く爆弾を持てて軽く遠くまで飛ばせる、
青は水に強い、とそれぞれに特徴があって、色から連想しやすいので覚えやすい。
これを使い分けて仕掛けを解除したり、敵を排除したりしていくのだが、
敵はこちらと比べると巨大な敵が殆どで上手くやらないとあっと言う間に全滅してしまう。
一つの汎用的な手段に、敵に投げる(仕掛けを解除する場合も同様)ことで
被害を軽減出来るが、これは軌道表示が無いので体で覚える必要がある。
慣れるまではなかなか難しい。

アクション操作もわりとシビアに求められるが、
効率的にパーツを運搬するマルチタスクをこなす楽しさはなかなか新鮮であった。

映像力と芸術性、ゲーム性どれもが高いレベルでまとまっているまれに見る傑作。

ただ、GC立ち上げ期だけあって、全体的にこざっぱりしすぎていて
ボリューム的にも、物足りなさが残る。





[2004/11/25-2005/01/06]
戻る

inserted by FC2 system