ピクミン2

対応機種ゲームキューブ
発売日2004/04/29
価格5800円
発売元任天堂

(c)2004 Nintendo
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ゲームキューブ初期の名作ピクミンの続編。
2年半振りに大量の新モードをたずさえてあのピクミンが帰ってきた!!

全体の印象として感じたのは、無難な続編ということ。
前作は宮本茂ががっちりプロデュースしていたが、
2では、一応クレジットに名前はあるが、殆ど関与してない感じがする。
前作発売時に語っていた崇高な制作コンセプトが2になって生かされてない、
というか、崩されている感じさえする。そんな内容になっていた。

一作目の不満点は、はっきりしていて、ボリュームが少なかったことと
30日の日数制限の2点に強い不満が集中していた。

そこで続編となる本作では、ボリューム倍増(恐らく1の3倍以上)、
制限時間の撤廃。操作周りの改善、小さな子にも配慮したようなバランス調整(ただ単に簡単にしたわけでは無い)

一本のゲームソフトとしてみれば、単純に良作と言えるかもしれない。
だが、どうにも無難すぎて、斬新すぎた前作と比べると独特の魅力に乏しい。

今回の目的は、オリマーの勤めているホコタテ運送が抱え込んだ多額の借金を返すこと。
そのために再びピクミンのいた惑星に行き、金になるお宝を発掘していく。
新入社員のルーイも加わって、状況によってこのオリマーとキャラチェンジが可能になり、
これによってだいぶ融通の利く行動が可能になった。
2人を別々に動かして解く仕掛けのような物が無いのが勿体ない。

時間制限が無いので、基本的にはお宝をコンプリートしてもらうのが前提の作りである。
焦燥感や緊張感みたいなものは無く、だらだら〜っと遊べる。これが物足りない。
また、日数制限が無いのだから、日にちの設定も意味無しである。
それに関連して、時間の設定も無意味である。
つまりは、日没までにピクミンを拠点にかえして夜間凶暴化する原生生物を避けるため地表を
離れる設定も必要性が薄れてしまった。
もう、2では探索ゲームになったのだから、この設定を無くしても良かったように思う。
だらだらとお宝探しを楽しむのがメインなのにいちいち一日の終わりに拠点まで戻されて
日にちの仕切り直しされるのは
面倒で仕方が無いし、現に地下洞窟に降り立った際は、時間が止まったままだ。

ボリュームが増えたといえ、精巧なフィールドマップを作るのは大変らしく
マップの数は前作と変わらず、ところどころに地下洞窟へ降りる穴が開いていて、
お宝の殆どがここに置いてある。
(当然ながら、プレイ時間の大半をここで過ごすことになる)
これが、中途半端に自動生成式のダンジョンで、構造も見た目もイマイチ面白く無い。
さっき書いたように、時間の経過も無いし、パターン化された仕掛けと敵を排除するだけ。
テクスチャを場所場所で変えてみたり
最下層には、奇っ怪なボスを配置していたり(このためアクション性がより強い)
少し工夫を施してあるのだが、基本的にやることは変わらない。マンネリで退屈。
これに力を注ぐなら、フィールドマップを1つ2つ増やすなりマップを広げるなりして欲しかった。
洞窟内の音楽もそれに輪をかけて無音に等しいほどつまらない。
苦言を言うと音楽は完全に1の方が良かった。
1の使い回しの音楽を聞くと安心するほど。
(日没ムービーの音楽がそのままなのは本当に救われていたと思う)

とにかくボリューム感を出したかったのか、無駄に長い。
お宝も、最初は「ディスクカード」に「十字キーのゴム」など
実在する面白い物が多いのだが、
後半になるとビー玉の色変えただけのような、色変えの使い回しが多く
「もう見たよ」というものばかり。これにはがっかり。

赤、黄、青の3色ピクミンの他、紫(力持ち)、白(毒持ち、埋まったお宝発掘)の
2種のピクミンが新たに追加された。
だが、これらは地下洞窟で、手持ちのピクミンを変換させる花に投げることでしか
入手出来ないようになっていて、微妙に貴重でどうも気軽に使えない。困った物だ。

一応、前作同様に、タイムアタックなど各種記録が残るようになってはいるが、
何周もするには長すぎて、やる気が起きない(昔のRPG1本分は確実にある)。

他にもチャレンジモード、対戦モード、カードe+モードなど
おなかいっぱいになるほど沢山のモードが用意されていて、
単純にゲームとして良く配慮が行き届いてはいるが、目新しい物が無い。
というか、「ピクミンってこんなゲームだっけ?」と思いさえする。

イベントムービーのお膳立てはしっかりしているし
敵図鑑やお宝図鑑など、前作のこざっぱりさが嘘のような豪華なゴテゴテした作りで
オマケ要素もてんこもりだが、
どこか物量作戦で作り上げた向きが強く、一つ一つに拘りをあまり感じない気がする。

何か違う、けど、別につまらなくなったわけではない。
間口は確実に広がった、面白くなったけど、何か違う。
そんな微妙なところをぐるぐる頭を駆けめぐったゲーム。





[2004/11/25-2005/01/06]
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