PCエンジンの野球ゲームの看板タイトル。 この頃は、ファミコンでナムコのファミスタが圧倒的に有名で、 そのナムコもPCエンジンで野球ゲームを出していたが、 2作出した時点で、あっと言う間に撤退してしまった。 流石にファミリースタジアムでは出せないので、ワールドスタジアムというタイトルに 変更されているが…。 PCエンジンはファミコンに比べると年齢層が高めなので、 デフォルメがかけられたナムコ型では受けが良くなかったのだろうと思う。 このパワーリーグでは一作目から一貫してリアリティな野球ゲームを目指していた。 まだパワプロも無かったので、システムはファミスタを踏襲しているが、 あれをさらに洗練させた形になっている。 1作目、2作目辺りは、まだ遊べたものではないが、4、5辺りになってくると 全体的に完成されてきて、この5は、PCエンジンの野球ゲームの中では最高峰だと感じる。 ヒットの打球筋の乏しさや、ボール球の軌道(キャッチャーの近くでいきなり下に落ちる)といった 細かな部分を除けば、だいぶ完成されている。 俺自身、野球ゲームはあまりやらないが、ファミスタ90とこれはかなり遊び込んでいる。 今では珍しくないがバッターのその試合での履歴表示や、 ホームランレースといった要素もふんだんに盛り込まれ、旧型野球ゲームの 基本的要素は全て入っている。 処理にもたつきは無いし、画面構成、音楽、全ての面に於いてセンスが良く、 少々テンポの良さが淡々とした印象を与えるが、その雰囲気が逆に適度な緊張感を生み出しており良い。 守備が苦手な人にはオートで行ってくれる機能も付いているし(オート特有の不満点はそのまま残っているが) 操作形態、システム周りは至ってシンプルで、非常に取っつきやすい。 本作は1992年開幕時のデータを使用している。 余談だが、この頃の巨人は本当にいい味を出していた。 モスビー、槙原、キャッチャー大久保、懐かしい面々が並ぶ。 未だに手元にあるのだが、たまに遊ぶと本当に懐かしい。 他の球団の選手もインパクトの強い人が多く、 これは俺の歳のせいなのだろうか、今の野球界に個性の強い人が明らかに減っているように思う。 まず、メインとなる巨人軍がダメだ。 いつからだろうか、まるで金持ちの道楽みたいな集まりになってしまったのは。 俺が小学生の頃にいた黒人選手のクロマティは、それだけで異常な存在感を醸し出していた物だ。 パワーリーグそのものは、その後SFCでも5作、PC-FX、PSとその後も精力的にシリーズ展開をしているのだが、 出すごとに出来が悪くなっている印象を受けた。 この5あたりで既に完成されているのに、あれこれと手を入れることによって どうもSFCではゴテゴテした印象を受けてしまったし PS版はポリゴン化したのだが、これのせいで問題外の作りになっている。 SFCは1と2しか触ったことが無いが、 1は、基本的にPCエンジン版準拠だが、試合後のプロ野球ニュースがいらなかったし、 2では実況を入れたが、時流に流された印象を受け、違和感を覚えた。 やはりパワーリーグはPCエンジンだからこそ映えるシリーズだったのだ。