ポポロクロイス はじまりの冒険


対応機種プレイステーション2(HDD対応)
発売日2002/06/20
価格5800円
発売元ソニーコンピュータエンタテインメント

(c)2002 Sony Computer Entertainment / G-Artists / Yohsuke Tamori
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心あたたまるRPG、ドット絵で描かれたグラフィックが話題となったシリーズ、ポポロクロイス物語のPS2版の新シリーズといった所。
ピエトロとナルシアの息子ピノンが主人公となり、新たな冒険が幕を開ける!

PS2でもドット絵という選択肢はあったかと思うが、素直にフルポリゴンの3Dのロールプレイングゲームになっている。
しかし、キャラクタのテクスチャはトゥーンレンダリングで、前作までにあった絵本のような雰囲気は損なわれていない。
それ以外の、建物や壁の色調も明るめで、実際動かしてみるとポポロクロイスらしさを感じ取れる雰囲気になっているだろう。

フィールドマップはフルポリゴンで、自分で視点を動かせるタイプ。また、そうでありながらどの場面でも60フレームで軽快に動く。
ムービーは全てリアルタイムで処理しており、服装がきちんとムービーシーンでも反映されている。ちなみに、基本的にこのゲーム、圧縮ムービーを使っている場面はない(但しごく一部に例外はある)。
モーションなども良く出来ているし、ビジュアル面のクオリティは、かなり高いと言っていいだろう。

ただ、ゲームとしては正直な所、厳しい。

まず、戦闘システムについて。
いわゆる、エンカウントで画面が切り替わり、そこからコマンド選択式のバトルというシンプルな形式に変わった。最大3人パーティ。
ターン制ではなく、リアルタイム制を採用しており、ゲージの溜まった人からコマンドを選択して行動する。
が、すぐに動くのではなくさらにゲージを溜めてから行動することが出来る。この場合は、攻撃時のダメージ量がアップするなどの利点がある。
また、二人技、三人技という風に合体技も用意されており、なかなか頑張っている。

しかし、戦闘は、演出が冗長で、かつ、バトル展開がワンパターンで単調である。
何か特技を工夫して戦闘を手早く終わらせるといった自由度もなく、通常攻撃で淡々と敵を片付けるだけの完全な作業になってしまっている。
バランスもシリーズ恒例と言っていいのか、どっぷりぬるま湯で、そもそもバトル自体、テンポが非常に悪いためにかなりダルい。

それから、システムの関係上、□、△、○ボタンに、コマンドを割り振っているが、これが中々慣れない。
キャラ選択だけにとどめて、キャラを選んでからは、普通に十字キー+○ボタンで選ばせる形式のほうが良かった気が?
どうせ敵選択の時に十字キーを使うわけだし、そこまで無理してこの操作体系に拘る必要はあったのかな、と思う。

次に、ゲームのボリューム及び、ストーリーについて。

クリアまでのプレイ時間は大体12時間から13時間程度と、RPGとしては短い部類に入る。
ストーリーは基本的に唐突で、登場人物に感情移入出来る余地はなく、どんどんと話だけが進んでいき、気付いたら終盤で、それも、駆け足で落ちを一方的に喋られて終了という
なんともストーリー重視のRPGとしても、苦しい内容である。

どうも、フルポリゴンのRPGを作る、というところで、力尽きてしまったように感じる。それと、SCEが発売を急かしたんじゃないかと言う気もする。

ゲーム全体に漂う作風も、低年齢層に寄りすぎていて、本当に「子供向け」になってしまった風味があり、物足りなさがある。前作までは、大人でも鑑賞に耐えうるような路線であったと思うが...。

他にも、マップの造形がイマイチなところが多いとか、敵が色変えの使い回しが多すぎるだとか、不満点を挙げるとキリがないのでこの辺にするが、
全体的に発売を先急いだというか、十分なスケジュールが取れなくて、しょうがなく発売に踏み切ったような節がある。ナムコ「ゼノサーガ」のように、続編ありきで企画された作品という感じもするがどうなのだろうか。
そこで結論。

遊びごたえのないゲーム。





[2018/01/28]
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