ポポロクロイス物語


対応機種プレイステーション
発売日1996/07/12
価格5800円
発売元ソニーコンピュータエンタテインメント

(c)1996 Sony Computer Entertainment / G-Artists / YOHSUKE TAMORI
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ポリゴンを使わず、ドット絵だけで作られた、絵本やジブリアニメのような暖かい雰囲気が売りの2DRPG。
朝日小学生新聞で連載されていた漫画を原作にしている。

ゲームとしては、ストーリー重視のオーソドックスなロールプレイングで、特筆すべきシステムはない。

フィールドは、クォータービューを採用しており、立体感を演出している。
が、コマンド選択式RPGとクォータービューのフィールドマップは相性が悪く、合わない。素直に見下ろし型を採用すべきだった。

戦闘シーンは、フィールド上でそのまま展開し、移動して攻撃という概念が入っており、それ自体は中々よく出来ている。
だが、移動の概念が戦闘の面白さに深みを与えているかというと、それが困ったことにまったくなく、逆に「こんなところで戦わせるの!?」みたいなシーンでの戦闘になることもあり、ストレスになっている。
厳しい物言いだが、素直にコマンド選択型の戦闘シーンでも良かったのではないだろうか。

フィールドが中途半端に広く、迷いやすい。おそらく、戦闘シーンでそのままフィールドを使うことにした弊害なのだと思うのだが。
無駄に広いというほどではないのだが、微妙に広い。エンカウント率も高いわけではないのだが、マップが広いために雑巾がけしてると、結構な頻度で戦闘になる。ちょっと鬱陶しく感じる。
絶妙なタイミングで回復ポイントを置いている辺り、わかっているとは思うのだが。

戦闘バランスは悪くはないんだけど、少々理不尽な所が残っている。
敵の攻撃が全体的に手痛い。どうもナルシアを否が応でも回復係にさせたいんじゃないだろうか?って感じるぐらいダメージが厳しい。
それ以前に、戦闘自体が単調で面白味に乏しい。ダメージ表示が消えるのが早すぎて見づらかったり、移動時にどこまでが移動できるのかというのもわかりにくい。
狭い場所で戦わされると、キャラが詰まって移動できなくなったりするのも辛い。

他に、気力というパラメータがあり、攻撃や必殺技を使うと消費されていき、0に近づくに連れて攻撃力が下がるというものがある。
メーターの場所が悪いのか、気付いたら減ってなくなっていたということが多い。気力回復も「防御」と「気合溜め」を使って回復するんだけど、正直言って面倒くさい。
おそらく、必殺技を連打されるのを回避するために付けたパラメータだと思うのだが、どうにも煩わしさが先行してしまっているように思う。

その他、インターフェイスも今一歩垢抜けず、悪くはないんだけど、もうちょっとなあ...という水準。

なんだか悪いことばかり書いてしまったが、ロードは早いし、キャラは良く動くし、決して悪いゲームではない。寧ろ、どちらかと言うと高水準に入るゲームと言って良いだろう。
ストーリーはハズさないし(終盤があっさり気味だった気はするが)、見せ場では画質の良いアニメーションムービーが流れる。豪華声優がムービー&バトル時の掛け声で声を当てており、このキャスティングも素晴らしく見事にハマっている。
アイテムの種類も豊富で、サブイベントにも力が入っている。

高いクオリティのゲームなのは確かなのだけど、バトル周りのシステム調整がどうにもこなれていない印象で、そのへんのストレスが目立って、素直に楽しめなかった。惜しい。そこで結論。

世界観やストーリーは良いが、バトル周りが惜しい。





[2018/01/11]
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