プロジェクト シルフィード


対応機種Xbox360
発売日2006/09/28
価格6800円
発売元スクウェアエニックス

(c)2006 SQUARE ENIX / GAME ARTS / SETA / anima
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ゲームアーツの象徴的シリーズのひとつ、シルフィードがXbox360でリリースされた。
開発はゲームアーツに加え、いつのまにかセタも参加している。ゲーム中のムービーはアニマが制作。

初期の3Dポリゴンシューティングといえば、スターフォックスと並んで挙がってくるのがこの作品。
今では当たり前にポリゴンが使われているので、それだけではこれといったアドバンテージにはならない。

区分としては、エースコンバットに近く、戦闘機を操り空中戦のドッグファイトを体験出来る。
360度旋回し、バトルフィールドに徘徊している敵機を撃墜するのが基本目的。

チュートリアルモードで一通りレクチャーを受けることが出来るが、「しんどいなぁ〜」と思ったのは、自分の飲み込みの悪さの性なのか、ゲームの仕込み方が下手くそなのか、はっきりしない。
NDS「マリオバスケ3on3」と、初見の感想がまったく同じだったのだが、なんちゅーか、いろいろと詰め込みすぎである。

最初に設定されている操作割り振りもどーも良く無い。L、Rボタンを酷使するタイプで、ちょっと遊んでいると手首のあたりが痛くなってくる。
最近は、プレイヤーに無駄に身体的疲労を与えるゲームを作るのが業界内ではやっているようだ。

グラフィックはなかなか綺麗だ。背景を一枚絵でごまかしている分、戦闘機や戦艦のグラフィックが頑張っている。
ただ、近づいて攻撃するということが滅多にないので、その恩恵は薄い。

ステージ間にはイベントムービーが挿入され、ドラマティックなストーリー展開とともにゲームを盛り上げる。
しかし、ムービーはまぁたいしたことはない。ようはもう、ここまで来ると解像度が高いか低いかというレベルで、ムービーそれ自体のクオリティは言うほど高くない。
シューティングに強引にストーリーをねじ込んだものなので、序盤からトントン拍子で話が進み、気が付いたら最後という、なんとも入り込めないイマイチなものとなっている。
音楽がださいのも何とかして欲しいなぁ。

武器開発というカスタマイズ性を売りにしているが、ステージクリア時の評定で得られるポイントを消費して「買う」形式であり、あとは特定条件を満たすと買えるラインアップが増えていくというなんともつまらない仕組みだ。
その数も一周するだけで大体そろえられる程度の数しかないのだから、寂しい。ただ、どの武器にも、ちゃんと個性付けをしている点は評価する。

ゲームは、特定の武装が極端に強いせいで、状況状況で難しかったり妙に簡単だったり、めちゃくちゃなバランスである。
特に10分以内にクリアしないとゲームオーバーという制限時間が厳しい。長いようで実は短く、ちんたらやってるとすぐに時間切れが来てしまう。何とかして欲しい。
また、標的のほとんどが小さい物を狙うので、ロックオン出来る武器以外は使いどころに乏しく、腕でカバーすることもかなり難しい。

ひとつのステージでは、目的が複数設定されていることがあり、ひとつ終わらせると次の目的が提示されることも多く、一面終わらせてセーブ出来るのにも結構時間を取られるのもつらい。

HD対応のテレビか、あるいは、大画面のテレビで遊ぶことを前提で作っているのか、その条件を満たしていない場合、文字は見づらいわ、アイコンも全体的に小さいので目は疲れるわで、遊べたものではない。
一応AV接続もハードで標準サポートしてるのだから、従来型の環境で遊ぶ人にも多少は配慮すべきだ。

この手のゲームは、機体制御の操作が複雑で、とっかかりが良くないが、それに輪をかけて、独特のシステムが組み込まれていることもあって、クリアするには結構苦労する。
イージーモードの追加のほかに、同じ面で3回以上ゲームオーバーになると、そのステージをとばして進める「スキップ」コマンドが追加される。
これは、非常にお節介で、なんとか最終ステージまでは自力で攻略してきたのだが、最後のあまりの理不尽さに、この誘惑に負けて、クリアしてないのにスキップしてエンディングを見てしまった。
こういうのを付けられると、自力で攻略しようと言う執着を薄れさせ、ちょっと突っかかったら次という、ゲーム自身がみずからゲームを否定するという矛盾構造を生み出している。
全面クリアしないでも、ストーリーだけは見ることが出来て、一つもクリアしなくても「クリア」したことになる「クリアデータ」が作れてしまう。なんだか投げやりなゲームに見える。

結局は、ちゃんと作り込めなかったんだろう。このゲームを遊んでいて面白いと感じるところは全くなかった。
なんというか、販売元のスクウェアエニックスの方針(マーケティングなど)と、ゲームアーツとの方向性があまりかみ合ってないように見える。
そこで結論。

スクエニとゲームアーツのタッグはもう解消した方がいい。





[2006/10/03]
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