スナッチャー


対応機種プレイステーション
発売日1996/02/16
価格5800円
発売元コナミ

(c)1988 1996 KONAMI
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PCエンジンでリメイク移植され、高い完成度で多くの支持者を得た「スナッチャー」を「ポリスノーツ」の発売に合わせて、プレイステーションにも移植。
対応ハードが対応ハードだけあって、既に入手困難な作品なので嬉しい移植だ。

中身の出来が素晴らしいので、本作も当然ながら面白い。
ただ、移植作業についていくつか苦言を述べる。勿論、制作規模や諸々の事情は分かるが、それでも文句を言いたいのが客である。

まず一番目に付くのがグラフィックの大幅強化。
PSの同時発色数を駆使して実にテカテカな綺麗な色塗りを実現させている。
が、PCエンジン版の時のあの渋みや味が消えてしまっている。
色塗りだけ変えて原画にはあまり手を加えてないので、違和感を感じるカットがあって、妙に気になった。
なんだか全体的にやっつけ仕事的な印象で安っぽく心底ガッカリ。
喋る時のクチパクの動きも実際の喋りに合わせようとしたようだが、高速で口を動かさせているのは変。

バックに壁紙を付けて見た目を良くしようとしたようだが、これもいただけない。
不必要に画面の自己主張が強く、落ち着かない。独特な画面からにじみ出る緊張感も無くなってしまったように思う。

ディスクアクセスもオリジナル版に比べもたついてるのもなんだかねぇ。
まだPSというハードが出て日が浅いのは分かるが、もっと改善出来たと思うのだが…。

音楽のアレンジも「それは違うだろう」と言いたくなるような曲が多く、残念。
演出面でも大幅に変えているところもあるが、どーも変。小手先だけ変えてるからだろうか。

デモで流れる2種類のCGムービーも、この程度の水準しか出来ないならやめて欲しかった。
あの精巧な世界観を壊された気分だ。

SCEは任天堂と同じぐらい表現の倫理規定に厳しいメーカーなので、過激な表現は当然ながら抑えられている。
そういうシーンでは、モザイク処理を画面全体にかけたり、問題の箇所を一瞬だけ見せてスクロールして画面から消すというような処置が施されている。
ようするにソフトになってしまったわけだ。本来はもっと衝撃を受けるシーンでも、あまりインパクトを受けない。
PSで出す以上、万人向けを意識せねばならないわけで、惜しい。

特に残念なのは、シャワーシーンだ。
こういうアダルトな(卑わいな、という意味ではなく大人なという意味)作品では、スパイスとして“そういうシーン”がお約束的に入っていたりするものだ(目的の順序が逆の作品の方が多かったりするが)。
ここ最近、ゲーム文化の一般化が進んでいるだけに、乙な楽しみが潰されてしまうのはガッカリせざるを得ない。
結局、この作品ではバスタオルをさせているわけだが、オチに至るまでのドキドキ感を見事にハズされた格好だ。
こういうオチの駆け引きの楽しさは、男に限らず女性でも分かって貰えるシーンじゃないかと思う。

たくさん、文句を付けたが実のところ重箱の隅つつきに過ぎない。
そこで結論。

PCエンジン版の時に味わえなかった方は、あの感動をこの機会に是非!!





[2004/04/30-2005/10/17]
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