テイルズオブファンタジア


対応機種プレイステーション
発売日1998/12/23
価格5800円
発売元ナムコ

(c)1994 1998 NAMCO / 藤島康介
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SFC末期に発売され、画期的なゲームデザインで話題になった
テイルズオブファンタジアをPSへリメイク移植。

意を決して前年度に発売したテイルズオブデスティニーの出来が
あんまりだった挽回のため、というのもあると思うが、
それにしてもナムコの、このシリーズへの執着心というのももの凄い物がある。
(ナムコ自体、RPGが弱いと言われていたので、必死だったのだろう)

今回もプロダクションI.Gに依頼した豪華なアニメーションムービーが
入っていて、
そのほかにも、デスティニーであった、
フィールド上でキャラ同士がおしゃべりするチャットシステムを搭載していて、
前回の良いところはどん欲に取り入れている。

リメイクとはいえ、力の入れようは新作と同じぐらいのため、
たとえ経験者であっても、新鮮な気持ちで遊ぶことが出来る。
(とはいえ、主題歌がリニューアルされていたり、声優が変わっていたりと
細かいところが気になるかもしれないから、もしかしたらやらない方がいいかもしれない)

ポリゴン化されたフィールドはマップを回転させることが出来るようになったが、
元々は見下ろし型に作られたもので構造もそのままなので、別にいらないような気もするが
臨場感を与えるという点ではあっていいものとも思う。

グラフィックはだいぶ綺麗に手直しがなされている。
PSというハードウェアから見ても、見劣りしないレベルまで持ってきている。
ただ、キャラの周囲以外を暗くして隠してしまうマップを増やしたり
出現する敵をごっそり変えてしまうなど、なんだか余計なところまで
いじっている箇所があるような気がしないでも無い。

ディスクアクセスは軽快な方だが、残念なことに戦闘への移行だけは
どうしてもPSの性能では快適に出来ないようで、ちょっと引っ掛かる。
ただ、エンカウントはそのぶん落としてあるので、それほど気にはならない。

戦闘に関しては、ライトユーザーに配慮したバランスに再構築されており、
意地悪な部分が取り払わされ、だいぶ易しくなっている。
個人的には、もう少し意地悪なぐらいでもいい気もするが、
極端に簡単すぎるわけでもないので、丁度良いかもしれない。
また、攻撃が通常攻撃2発のあとに特技で繋げられるようになり
より格闘ゲームの色が強くなっている。
かといってそれほどシビアに反射神経が求められるほどではなく、
良い感じに格闘ゲームの爽快感を持ってこれた感じである。
これにより、戦闘での操作がさらに融通が利くようになり、動かしていて
退屈になる間がグッと減ったように思う。

イベント時には、申し訳程度にボイスを当てている箇所がある。
しかし、キャラの名前を変えられるために、
恋愛シミュレーションのように、名前の箇所だけ喋らないという珍妙な仕様が使われており、
分量も少ないことも考えると、割り切って喋らせなくても良いように思った。

音楽は、どうも今回もSFC版に比べると安っぽく聞こえる。
SFC版を知らなければ問題ない程度だが、知っていると音痴っぽいというか
外れた音楽のような感じになってしまっている。

戦闘での魔法の演出や、イベントでの演出など
全体的にSFCに比べ冗長になってテンポが悪くなった気がするが、
作りが丁寧なので、それほど嫌らしさは感じない。
そもそもSFC版が軽妙過ぎたので、これぐらいが普通という気もする。

プログラム周りもがっしり作ってあって好感が持てる。

モンスター図鑑や称号集めといったコレクション欲をそそる要素が
大幅に追加されており、集めるのが面白い。
RPGオタクのツボをなんともがっつり押さえてきていて、なかなか粋な作りである。

非常に丁寧なリメイク内容で申し分ない出来映え。
無難にまとまりすぎていて逆に物足りなささえ覚えるぐらいまとまっているが
これだけ安心感のあるRPGっていうのも、逆に少なくなってきてるので
これはこれで評価に値するのかもしれない。

目新しさはないが、安心して遊べます。





[2004/03/08-2005/01/17]
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