なぞなぞ&クイズ一答入魂Qメイト!


対応機種ニンテンドーDS
発売日2008/10/16
価格4980円
発売元KONAMI

(c)2008 KONAMI / Konami Digital Entertainment
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一言で書くと、「クイズマジックアカデミー」の小学生向けバージョン。

よせばいいのに、あちこちいじくるものだから、出来の悪いゲームになってしまっている。
また、コンセプトとしてはそういうものではあるが、オリジナリティに乏しいパクリゲーの印象を強く受けてしまう。

「クイズマジックアカデミー」は非常に優秀なクイズゲームであると書いた。
しかし、それに習って作られた本作の完成度はなぜかズタボロである。

「クイズマジックアカデミー」と類似している点がかなりある。
Wi-Fi通信対応で、最大16人でクイズ対戦が出来る、全員に等しく回答権があり、早く答えることで、高い得点を獲得出来る。クイズの出題形式や、予選を3回行い、4人ずつ脱落していくルールなど。
パスモンというペットを育てられる要素もあり、オフラインモードでのみ、育てることで習得する、イカサマ技を使うことが出来るようになっている。

パスモンはいわゆる、アバターのシステムも兼ねており、プレイヤーキャラは男女2人からしか選べないが、パスモンの違いで個性を出そうという考えだろう。

クイズは一問に付き20秒という制限時間が付いているところも「マジックアカデミー」と同じだが、こちらは対戦相手がコンピュータであっても、全員が回答するまで待たされるため非常にテンポが悪い。
またWi-Fi対戦の絡みだと思うが、ご丁寧に回答が出そろうまでの処理も長く、待ち時間がやたら多い。
1回の予選で、10問出題され、決勝まで戦うと計40問。大体1プレイ30分はかかる。これはちょっと長すぎる。

早く回答すると、得点を多く得られると書いたが、このポイント変動数が極端で、回答時間ギリギリで正解したとしても、ほとんど得点を得られなかったり、
逆に早く答えた上に、パスモンベットという、獲得点数を2倍に出来る機能を使うことで、クイズに多く正解することよりも、わかる問題を早く答えることが異様に有利に作られてる点が納得出来ない。

このゲームは、小学生を対象に作られており、最初に登録する学年の欄にも、小学1〜6年までの選択欄しか無い。それ以外は「その他」で対応している。
小学生向けの割には、問題のレベルが上がってくると、明らかに小学生向けではない問題が数多く出題されてくる。今時の子が「姫ちゃんのリボン」とかわかるかーっちゅう感じなのだが。
また、クイズの他に、なぞなぞも出題される。これも、難易度が上がってくると、無茶苦茶なこじつけでバランスを付けようとしてきて、どうにも正解に納得出来ないものが目立ってくる。

問題は全部で18000問収録されているが、「クイズマジックアカデミー」で見たことある問題が出てくることから、結構な数を流用していると思われる(子供向けでない問題が入ってくるのもそのせいだろう)。

一人で遊ぶ際には、いわゆるストーリーモードがあてがわれ、それを進めていく格好になっているのだが、これがまた壊滅的につまらない。
どこへ行けばいいかわからなくなったり(ヘルプモードで誘導はあるのだが)、町を移動する時には必ず乗り物に乗って、クイズに回答していかなければならない(一応、ワープ出来るアイテムもあるが高額)。
しかもそのクイズは前述の通り、テンポが非常に悪く時間が掛かる。
ストーリー展開も唐突で、演出もチープでセンスに欠けるものがあり、なんだか安っぽい。

露骨なプレイ時間引き延ばし工作がやたら目立ち、単調な作業プレイに時間をかけさせられる部分が多い。
そして、終盤は、ターゲット層だろう小学生ではクリアが明らかに困難なレベルのクイズを出題されていき、それを乗り越えていかなければならない。これはちょっとひどすぎる。

そして最たる欠点はキャラクタデザインだろう。コロコロコミックを主軸に宣伝していたようだが、いまどきコロコロでもこんな絵柄の漫画は見ないというか、受けないだろう。1990年代じゃないんだから。
むしろ敢えて古くさいデザインにすることで、親世代に目を引かせようと言う深い意図があるとは、とてもじゃないが思えない。
なんちゅーか、“狙ってみたけど失敗”したようなデザインである。コナミはこういう失敗を良くやらかす。

「クイズマジックアカデミー」と比べると、シチュエーション設定も下手くそで、パッと見では理解出来ない。
クイズに正解して得られるQPを集めていくのだが、ゲーム的にはQPはお金みたいなモンでしか無い。
マジカルライナーという乗り物に乗ることで、クイズ対決に参加し、下位4名が途中の村に降ろされるという設定となっている。
村に降ろされたら、補習クイズに合格することで町に戻ることが出来る。
…と、こういったゲーム設定も、一口で説明出来ず、説明してもわかりにくい内容で、乗車する町によって、出題されるクイズのジャンルが偏るような作りにもなっている。
が、正直、ジャンルも「マジックアカデミー」のように、一回戦ごとに固定で良かった気もするのだが。

操作は全てタッチペンでおこない、ボタン操作には一切反応しない。インターフェースは練り込み不足の感が目立ち、操作性は良くない。
グラフィックデザイン、メニューデザイン周りもイマイチセンスが悪く、ださいと言わざるを得ない。
プログラムもあまりレベルが高い方とは言えず、見所はない。

サポートモードというものがあり、親が子供のプレイに間接的に協力出来るモードがある。
上位の問題になってくると、明らかに子供向けの問題ではないと指摘したが、おそらくこのモードのためだと思う。
しかし、こういったあざといモードを見るに付け、購入者のプレイスタイルをはなっから決めつけてかかっている辺りが、このゲームのまずいところだと思う。
このゲームに興味を持つのが小学生だけとは限らないのである。クイズゲームに飢えた大人だって興味を持つかもしれない。間口を自ら狭めてはいけない。Wi-Fi対戦の関係上そうしたかったのだと思うが、残念ながらこのゲームはそれ以前に、売れなかったという現実をたたきつけられてしまった。
売れないのだから、ネットワーク対戦も盛り上がるはずがない。
そのWi-Fi対戦だって、深夜は遊べないように設定されていたり、人の集まりにくい作りのせいで、かなり不便である。せっかくの16人同時対戦もこれでは活かせていない。

元々は「クイズマジックアカデミーDS」より早く発売する予定であり、そこら辺の人間から金をちょろまかそうと考えていたのだろうが、発売延期で、「クイズマジックアカデミーDS」より後の発売になったせいで、かなり影が薄くなってしまった。
ちなみに、このゲームにも本家「マジックアカデミー」のスタッフが監修として関わっている。スタッフロールで確認出来る。
ところどころ監修したり問題提供したりしてみたものの、収集が付かなくなったので、見切りを付けて適当なところで発売させてしまったような感じがする。
(だから敢えて、いたるところで「マジックアカデミー」と比べさせてもらった)

まあしかし、つまらない上にプレイ時間が長い、パクリ、という最悪の組み合わせの駄作だ。そこで結論。

パクるのも案外難しい。





[2008/11/07]
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