ロックマン9 野望の復活!!


対応機種Wii(Wii Ware)
発売日2008/09/24
価格1000円
発売元カプコン

(c)2008 CAPCOM / インティクリエイツ
戻る

往年の名作ロックマンシリーズの新作が、12年ぶりに発売された。WiiWareでのダウンロード販売である。
時代に合わせた派生作品はまだ発売され続けているが、原点となるシリーズの新作はかなり久々だ。

新作とは言っても、一風変わっていて、ファミコン時代そのままの作りになっている。グラフィックも操作性も何もかも。
ロックマンシリーズは、ファミコン(しかも初期の)で作られてた頃の作品の方が、出来が良かったと思う。
スーパーファミコンやプレイステーションにハードウェアがうつるにつれ、操縦性が異なっていき、「なんか違う」だけでユーザーが離れていった印象がある。
あまり、ファミコン以外で本流のロックマンが発売されていたことを知っている人も少なかったようだ(ロックマンXシリーズなどは成功しているが)。

で、行き着いた先が原点回帰でファミコン版といった具合だ。

発表当時は、多方面で話題になった物だ。続編が望まれていたものの、ファミコン時代の遺物を果たして作れるのか否か。
なんてことはない、WiiWareという格好の場が生まれたことでそれは実現に至ったのである。

会社を一押ししたきっかけはやはり、ニコニコ動画を中心としたロックマン関連動画の盛り上がりだろう。
BGMに歌詞を付けてみたいわゆるMAD動画が、2007年にはブームになるほどネット上で流行り、この出来事が会社的にも見過ごせなかったのだろうと思う。

溜め撃ちやスライディングすら無く、全体的にロックマン2を意識した作りだ(BGM使い回してるし)。
ただ、初心者の救済措置としてか、ネジを集めてアイテムを購入出来る要素はある。これは、基本的にクリア出来ない人向けの補助機能として存在してるだけであって、無理に利用させられることはない。
また、シリーズ後期に導入された、隠しアイテムを探すような探索要素は全くない。

下手をすると手抜きとも取られかねないが、ファミコンの8ビットのグラフィックやサウンドが一つの芸術として商品になりえることを改めて実感した。
ある意味、ゲーム業界も一周回ってきたと言えるかもしれない。それだけ歴史を積み重ねたのである。

勿論、それを成り立たせるには、今もなお通用する操作性やゲームシステムが求められる。
ロックマンという作品がいかに、初期の頃から既に完成度の高いアクションゲームとして存在していたかがわかる瞬間だ。

ゲームバランスとしては、昔ほどの(いい意味での)大味さがなくなって、ガチガチのパターンゲーになってしまっている印象がある。もうちょっと大雑把でも良かったかもしれない。
逆に理不尽な仕掛けもなく、丁寧に作られたアクションゲームという感じだ。

Xbox360の実績システムのような要素や、タイムアタックモードなど、長くやりこめる仕掛けも沢山盛り込まれている。ただ原点回帰しただけではない。
有料コンテンツにも対応しており、ゲーム内容を拡張していけるようになっているが、どんなギミックを盛り込むのか想像が付かない。
ちなみに、Wi-Fiコネクションでランキングモードに参加するのは無料である。

ただ一つ、座標に赤丸をおいていくシリーズ特有のパスワードが再現されてないのだけが残念。勿論、セーブ機能が付いている方が便利なんですけどねー。味気ないというか。
いやしかし、スペックが上がった方が良いゲームを作れる可能性が広がるというのに、ファミコン版の方が出来が良かったと言われるゲームを作っちゃうカプコンも面白いメーカーである。さぞ扱いに困ったシリーズだったろう。そこで結論。

時代の流れが、望まれていた新作を、期待通りの形で作り出せた、歴史を感じる一本。





[2008/09/24]
戻る

inserted by FC2 system