ロマンシングサガ


対応機種スーパーファミコン
発売日1992/01/28
価格9500円
発売元スクウェア

(c)1991 SQUARE
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自由にゲームを進行できるフリーシナリオシステムが話題となった、GBでシリーズ展開していたサガの新シリーズ「ロマンシングサガ」。
8人の主人公から一人を選び、最終ボスを倒すこと以外に、特にやることが定められていない、「自由」をウリにしたRPGだ。
その他、成長システムもレベルによらない、(GBのサガではおなじみの)いわゆる熟練度制で文字通り「自由」に成長していく。

はっきり言って、全編荒削りである。
FFのスクウェアが出す新シリーズにしては、荷が重すぎるとっちらかった作りで、お世辞にも“万人向け”とは言えない作りである。

技術レベル的にも、スーパーファミコンにしては見るべきところが少なく、「うーん」と唸ってしまう水準だ。

果たしてこのゲームが、ユーザーに受け入れられるのか?謎である。

これが発売当時感じた印象であるが、結果的にこの作品はディープな人気を獲得し、人気シリーズとなっていくわけだが、実に運のいいケースだと言えるだろう。

全体的に荒削りな作りではあるのだが、だが、そこがイイ!!

このRPGは、「自由」がとても良い形で表現されている。
おそらく、このゲーム、3人にやらせたらそれぞれ三者三様なプレイを見せるだろうと思う。それぐらい「自由」とはなにか、ということがきちんと表現されているのだ。

荒削りではあるが、やろうとしていることは十分に伝わってくる作りで、そのプレイ感覚は実に心地よく、ゲーマーの心を掴んで離さない。
イベント一つとってみても、自分で発見し、攻略の筋道すらも自分で見つけなければならない。間違いなく人を選ぶ、敷居が高いRPGではあるが、来る人にはグッと来る、そんなゲームとなっている。

ただ、強いて苦言を述べさせてもらうなら、ゲーム展開にメリハリがなく、ただザコ戦闘を漫然と繰り返す感じで、少々単調である点は否めない。
(この点については、続編で七英雄、四魔貴族といった形で、印象的な中ボスを用意することや、戦闘自体の単調さに関しては閃きシステムの導入で解決を図っているが)

また、敵が見えていて、触ったときに戦闘というシンボル型のエンカウントシステムは、当時としては画期的ではあったが、敵の行動アルゴリズムが練られておらずただ近寄ってくるだけ、というもので、
その敵シンボルも数が多いために密集して襲いかかってくるという状態に陥りやすく、この辺りもまだまだ洗練されているとは言い難かったのは残念だった。

シリーズの方向性を決定づけたと言っても過言ではない、様々な前衛的なシステムを搭載した、偉大な功績を残した作品と言えるだろう。これは「良」とせねばなるまい。

人を選ぶが、画期的なゲームシステムの数々は目新しさを感じさせる。





[2019/04/05]
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