ロマンシングサガ2


対応機種スーパーファミコン
発売日1993/12/10
価格9900円
発売元スクウェア

(c)1993 SQUARE
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フリーシナリオシステムの他では類を見ない自由度の高さによって一躍脚光を浴びたRPG、ロマンシングサガの第二作目。イラストレーションは前作に引き続き、小林智美氏。
プレイヤーは帝国の皇帝となり代替わりをしながら、国を繁栄させるため、領土を広げつつ、大陸のどこかにいる宿敵の七英雄を倒すのがゲームの目的となる。
相変わらずの尖ったゲームシステム・バランスが目白押しで、独創的なゲームデザインは大いに人を選ぶが、他では得られない独特な楽しさがたっぷり詰まった変わり種RPGだ。

手触り感はだいぶよくなったのだが、ついてこれる人だけがついてこればよろしいという凄く割り切りのついた作りは前作以上と言えるかもしれない。
そんなとてもエッジのきいた作りだが、その男気溢れる作りが逆にゲームを引き締まったものへと昇華させている、と感じる。

前作の問題点だった、メリハリのないゲーム展開は、七英雄という印象的な中ボスを倒すという目的を用意することで解決させている。
ただ、肝心の七英雄の存在感が言うほどあるのかというと...ちょっと微妙な位置。7人はそれぞれの個性を引き立たせるには多すぎたかもしれない。
とはいえ、イベント自体が前作より重みのある、印象に残るものになっているので、ボスキャラの存在が希薄という問題点はさほど気にならない。

戦闘の問題点も軒並み解決している。
前作では武器ごとに武器レベルが設定されていたので、武器を買い換えるとレベル1から育て直しだったが、今回はキャラ側に系統別に武器熟練度レベルが設定されたため、武器を変えて育て直しという間抜けなことはなくなった。
戦闘の単調さについては、技の閃きシステムによって解消している。前作では武器レベルを上げることで武器に設定された固有の技を使えるようになったが、今回は戦闘中にランダムに技を閃いて習得するという形に変化。もー、この技閃きが熱い!!強い敵であればあるほど閃きやすいという設定もなかなかにイキな作りだ。
また、戦闘開始時は常にHPが全快というゲームシステムにしたことで、より緊張感溢れるバトルを堪能できるようにしているのは良いアイディアだ。ただ、戦闘中HPが0になると減るLPというものがあり、LPが0になるとそのキャラクターが消滅してしまうパラメータシステムはいかんせんシビア過ぎる印象。
回復できるアイテムも存在するのだが希少価値が高い。この戦闘バランスのストイックさだと、LPの最大値を減らして、宿屋に泊まったときに回復できるぐらいがちょうどよかったかも。
ちょっと強めの敵が出てきて、無理をしたらLPが減って...みたいなことが起きたときに取り返しがつかないので、こまめにセーブして失敗したらリセットという状況になりがち。今作の一番の失敗点だったかもしれない。

今回もシンボルエンカウントだが、前作のように画面を覆い尽くさんとするほどにウジャウジャと配置されている...というような初歩的なポカはなくなった。
また、プレイヤーがダッシュ移動出来るようになった。しかし、ダッシュをすると視界が著しく遮られる。この際、若干硬直するのは頻繁に起こることだけに大きなストレスとなった。

主人公が皇帝ということで、いわゆる内政みたいな要素があるのだが、この辺がもうありえないほど不親切。何かイベントをクリアして年代を進めないと、開発中の術が完成しないとか、作った装備品が流通しないとか、言わんとしていることはわかるのだが、やりすぎ。
今作はRPGなのであるから、コマンドを実行したら即、結果が出るぐらいがちょうどよかったものだと思う。いわゆる最終皇帝になって、イベントもすべて攻略しきってしまうと、事実上内政が進められなくなってしまう。クリアできなくなるほどではないが「軽いハマり」状態に陥ってしまうのは、想定してなかったんじゃないかと思う。

最終ボスが、それまでのボスと比べると、異常なほど強いのには、参った(他のサガシリーズでもそういう傾向はあるのだが突出して難しい)。

前作を土台として、様々なシステムを組み立てていったという風で、細部については実に堅実に作り上げられており、それに加えて歴史を創る「群像劇」を織り交ぜたことで、前作に匹敵するほどの新基軸を上手に打ち出せている。
相変わらず、人を選ぶ敷居の高さはある厳しい作品ではあるが、ハマる人にはとことんハマるゲームであろう。今作もフリーシナリオを採用しており、好きな順番でイベントを攻略でき、結果によってイベントが分岐する。1ほどのバリエーションには乏しいが、そこら辺の面白さも健在だ。

システムはより洗練され、密度の濃いゲーム内容へとグレードアップした続編。





[2019/04/16]
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