RPGツクール SUPER DANTE


対応機種スーパーファミコン
発売日1995/03/31
価格9800円
発売元アスキー

(c)1995 ASCII / 空想科学
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手軽にRPGが作れる!
夢のようなツールが、この「RPGツクール」である。

最初はMSX2で発売されていたが、PC-98に移植された辺りから、急激に盛り上がりを見せた(と記憶している)。
投稿作品から優秀な物を収録したディスクを付録に付けた雑誌なども発行され、制作のコツなど情報交換や情報公開が盛んに行われ、コミュニティーも発達していた。

そんななか、満を持してスーパーファミコン版が発売された。
スーパーファミコン版は、PC版のようにあらかじめ収録されたグラフィックを描き換えたり、改造を施して独自仕様を盛り込んだ凝った作品などは作れないが、コンシューマゲームの利点を生かし、ゲーム屋に売ってるロールプレイングゲームと遜色ない素材を収録し、
流れる音楽も豪華で、出来上がったゲームは、PCのそれとは比較にならないクオリティを持った画期的な代物であった。

但し、スーパーファミコンソフトはあくまでROMに特化した媒体なので、保存領域の確保が難しく、PC版の1/2以下(ツクール独自の容量数値が20000以下)である。
また、作ったゲームを他の媒体に移したり出来ないので、汎用性に乏しい(作っても他の人に遊んでもらいづらい)。
ソフト一本に付き一つのRPGしか保存できないので、新しいゲームを作りたければ消すしかない難点もある。
ただ、アスキーから発売されているターボファイルに対応していて、上記不満点を解消する方法が一応はある。

見た目は非常に豪華だが、たとえばフィールドマップが自分で作れず用意されたものを選択するだけだったり、町や洞窟のマップを作る際、1チップずつではなく、セットチップを組み合わせた物しか出来なかったりなど、ツールとしての自由度は低い。
しかし、どれも頑張り次第で克服出来るものと言える。
自由度が高すぎて何でもできすぎるとかえって、取っつきが悪くなり挫折する人も増えるだろうから、今まで縁がなかった低年齢層にアピールするにはこの程度が丁度良い。

キーボードが使えないので、文章入力が非常に大変なのが惜しい。アスキーはターボファイルだけでなく、SFC対応キーボードも出すべきだった。このタイミングで作れば売れたろうに。

PC-98版では、MSX2版の名残で、マップが切り替え式だったのに対し、このSFC版はスクロール方式なので、かなりうらやましかった物だ。
また、ノンプレイヤーキャラ(NPC)もカニ歩きではなく、ちゃんと横向きや後ろ向きのドット絵が用意されていた。

エディット画面では音楽も流れ、ゲームを遊んでいる感覚で作っていくことが出来る。
インターフェイスもしっかり出来ていて、ドット絵やサウンドのセンスも一般的なRPGと比べ高い。

このエディターを使ったサンプルゲームが一本入っているが、PC版を作り込んでいる人に制作を依頼したようだが、PC版に慣れ切っちゃってて、なんか使いこなせてない印象を受けた。

色々制約が多かったが、当時のゲーム雑誌ではまさに夢のようなゲームとして大きく取り上げられ、これでRPGツクールの存在を知った人はかなりいるはずだ。
当時開催された「ツクールコンテスト」では、パソコン版に混じって、SFC版を使った投稿もかなり来たようで、中にはPC-98作品を押しのけて、力作として何本か入賞していたりするのだから、たまげたものだ。

ゲームを作ることを「ゲーム」とした斬新なゲームと言える(その点、アテナの「デザエモン」は変なところで自由度が高くゲームとしてはイマイチだったように思う)。そこで結論。

ツクール入門には最適の一本。





[2009/11/11]
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