RPGツクール2


対応機種スーパーファミコン
発売日1996/01/31
価格12800円
発売元アスキー

(c)1996 ASCII / 空想科学 / SUCCESS
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好評を博した「RPGツクール」一年経たずに続編の登場である。
ターボファイルの他、サテラビューのメモリーパックにも対応し、拡張性や汎用性が大幅に広がった。

グラフィックやインターフェイスが強化され、スーパーファミコンのハード末期に発売されたこともあり、最高峰を誇る。
前作の経験を生かし、エディット周りのシステムに更なる改善を施し、隙の無い完成度である。

サンプルゲームは、ただ単に普通のロールプレイングゲームではなく、ゲームの作り方を楽しく学べるストーリー仕立てになっており、その細かな配慮が、素晴らしい。
しかもRPGとして見ても、単純に面白い。一見へなちょこなゲームに見えるが、構成や独特の台詞回しなど、市販のRPGに引けを取らないクオリティである。

2ならではの新機能といえば、フィールドマップを作成出来るようになったこと。
前作は、飛行船に乗った時のラスタースクロール処理(FFの飛空挺に乗った時の画面を立体的に見せる演出)の関係上、フィールドマップをエディット出来なかったが、今作では可能となった。勿論、このゲームでも乗り物に乗った際、ラスタースクロール処理をする。
SFCの機能であるモザイク処理が演出に使えるようになったり、テロップ(画面下から上に流れる文章)演出が搭載された。
マップチップは相変わらず1チップ単位では作成出来ない(個人的にはお手軽さを重視してこのままでいいと思う)ものの、種類が大幅に増えている。特に青空などの外観系のマップが目新しい。

エディットの自由度がかなり広がり、様々なことが出来るようになっている。しかし、取っつきの良さは変わらない。この絶妙なバランスが良い。
個人的にこれ以降のRPGツクールは、マニア向けに寄り過ぎて、一見さんが入るには厳しい内容になっていってしまったと思う(シリーズの関係上、進化を望まれているので仕方のないことではあるが)。勿論、その分フォローしてくれるシステムも充実してはいるのだが…。
RPGをゲームをやる感覚で作れるのはこの2までだと思う。

文書作成が相変わらず辛いが、キー入力のレスポンスが割と良く、操作性やインターフェイスも見やすく練り込まれているので、高い評価を与えられる。

ゲーム容量も、ツクール独自の数値で44000程度までイベントを作成出来る。これは確か、PC版とほぼ同等の数値のはずである。
そのぶん、価格がかなり高くなってしまったが、仕方のない物と言える。

同社「音楽ツクールかなでーる」との連動で、メモリーパックを経由してオリジナルBGMを鳴らせたり、グラフィックの素材を読み込ませたり出来るが、この手のことでPC版を超えることは出来ない。
必要機器を揃えるのがまず大変である。

サテラビューとの連動企画で、芸能人の作ったRPGを配布するなど積極的な動きが見られたが、サテラビュー自体が敷居の高い機械だったので、恩恵を受けれた人は少ない。

ツクールシリーズが有名になって、ノってきた時期ということもあり、これだけの大作を作れたのだろう。そこで結論。

“遊べるエディター”としても優秀。完成品。





[2009/11/12]
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