対応機種 | プレイステーション2 |
発売日 | 2000/03/04 |
価格 | 6800円 |
発売元 | ナムコ |
プレイステーションでもそうだったように、プレイステーション2でもやっぱり「リッジレーサー」。
かれこれ5作目となるリッジシリーズの最新作も、やっぱり新ハードとの同時発売にぶつけてきた。
マスコミがPS2を取り上げる時にかならずといっていいほどこのゲームが使われていた。
それほど、イメージの強いタイトルなのだろうと思う。
もちろん、それだけでなく、同時期のタイトルと比べ、一歩ぬきんでたクオリティである。
ここら辺、老舗メーカーの意地を感じてならない。
当然ながら、グラフィックはたまらん綺麗さである。車体の光の映り込みの自然さなど、力押しの映像をこれでもかというほど見せつけてくれる。
ただ、ゲーム的にはそれだけに留まってるちゅう気がしないでもない。
「原点回帰」がテーマということもあって、初代のようにヘリコプターを飛ばしてたりするが、1作目の感動はなく、ただ鮮明になっただけという印象しか無い。
でも、1作目と同じ町を舞台にしていて、その時は建設途中という設定だったのが、完成された街並みになっているという洒落た演出はリッジらしいといえる。
コース設計は、前作よりだいぶ分かりやすいものになったと思う。ただ、わかりやすすぎてつまんない気もする。
ドリフトコーナーが露骨すぎて、ライン取りがかっちりと定まりすぎてしまって、すぐに飽きてしまう。
同じく一作目でわかりやすさを追求したときのような面白味が無いのは何故だろう。
それに、レース展開がワンパターンになりやすいのもなんだかねぇ。
だんご状態になりやすく、順位が固定的で、凡ミスを数回繰り返してしまうと、もうはい上がれないような感じ。
グラフィックは、R4の暗さは無くなって、リッジらしさが戻ってきたと思う。
コースも見やすくなったし、懲りすぎて何がなにやら分からないってなところは無い。
ただ、画質がシャープすぎて画面のちらつきがひどく、ちょっとやると目が疲れてしまう。
ハード立ち上げ期にありがちな初歩的なミスか。
ゲーム内容はスリムになったとはいえ、隠し要素を全部出すにはそれなりのプレイ時間がかかり、無理矢理プレイ時間を引き延ばしてるような節も感じる。
コースを走ることよりも、要素を出すことが目的になってしまってるのは、なんだか違う気がするのだが。
R4でうっすらと感じたシリーズの流れとしての曲がり角という印象は、今作で確信に変わった。
抜本的な変革が必要な時期に来てると思う。そろそろ「ただ気持ちよい」だけじゃ、面白くなくなってきた。
それと、PS2でアレも出来るこれも出来ると試したいのか、画面レイアウトを懲りすぎて、かえって訳の分からないものにしてしまってるのも不満。
音楽を中心に洒落たアーティスト性の顔も合わせ持つ本シリーズだが、どうにも行き過ぎた気がしないでもない。
しかし、肝となる音楽は単調なフレーズの繰り返しでキレが無く退屈で地味。方向性を間違えたんではないだろうか。
ゲームとして、イマイチ隙の多い出来なのは、ハードとの同時発売を目指したために多少の無理をしたからだろう。
前回のPSのときは、アーケードから持ってきたからそういう負担はあまり無かったと思うのだが、今回は一から作り上げたということもあって、見かけ倒しなところが目立つ。
それでも、一定水準は保ってると思うので、悪いゲームではない。
そこで結論。
ハード立ち上げ期のゲームなんてこんなもの。過度な期待は厳禁