リッジレーサー7


対応機種プレイステーション3
発売日2006/11/11
価格6980円
発売元バンダイナムコゲームス

(c)2006 NAMCO BANDAI Games
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高性能マシン&ブルーレイディスクドライブ搭載のプレイステーション3の発売とともに、やっぱりリッジ!
PS3の新機能をフル活用されて生まれ変わった新リッジに期待大。

毎回慣れない環境の中で、よくもまあこれだけクオリティの高いゲームを出せる物だ。
基本的にXbox360「リッジレーサー6」のグラフィックがちょっと綺麗になったぐらいで、映像的にも内容的にも劇的な違いはない(レース上のビルモニターの映像が鮮明になったとか見所はそういうところ)。
ゲーム内容も、PSP「リッジレーサーズ」で登場したニトロシステムを継承しており、これについても目新しさはない。

一つ挙動周りで変わった点がある。前の車の後ろに付くと、空気抵抗が抑えられて、通常より加速力が上がるというスリップストリームシステムだ。
同じようなシステムで、対戦を盛り上がらせるために(確か)セガ「デイトナU.S.A」が、後続車が先頭の車を抜けるように、こっそり最高速度を水増ししているという仕掛けを明かしていたが、
このゲームでは、これと同じ仕掛けをゲーム上のルールで納得できるものとして自然に導入している。たまげたものだ。

Xbox360版と同様に、ネットワークに対応しており、タイムアタックの結果をサーバーに登録出来たり、オンライン対戦も出来る。
これらのオンラインサービスはすべて無料で利用出来る。Xbox360版の時は、システム上、マイクロソフトにお金を支払わなければ出来なかったので、敷居が下がったと言える。

以前よりも、ネットにつながっていて当たり前感が増している。画面下には、逐次更新されたランキング情報が流れ、自分のプレイ結果もどんどん送信されていく。
勿論、オフラインだけでのプレイも可能だ。
今後ネットワークとの関わり合いに消極的なゲームジャンルでも、このように接続してると色々な恩恵が受けられるタイトルが当たり前になってくるだろう(いや、Xbox360では既に当たり前になっているんだが)。

構造的なゲーム内容も、もはや説明する必要もなくこれまでと同じで、一人用のリッジステイトモードで、与えられたレースをクリアして、マシンやパーツを増やしていく。
今回は、グランツーリスモにでも影響されたのか、お金の概念があり、自分でパーツや車を買ったり、カスタマイズしたりという要素がある。
まぁー、この辺のシステムは、RPGの装備品の付け替え程度の簡単なもので、車に疎い人間でも問題なく楽しめる。逆に言えば、その手の話題にうるさい人間にはイマイチだろう。
これがまた良くできている。自分好みの車にチューンナップするわけだが、自由度がなかなか高く、同じ設定でも車種が変わるとちゃんと微妙ながら挙動も違っていたり、割としっかり作られている。

ただし、無理に組み合わせを増やそうとしたのか、妙に無駄なパーツが多い。逆に、直接車の性能に影響するパーツがまだ少ない気がする。
あまり種類が多すぎると混乱する意図からだと思うのだが、見た目だけは随分といじれる辺り、組み合わせ数を水増しするためだけに見える。

それから、ネット対戦をして欲しいからだと思うのだが、いわゆるゲームコンプリートまでが異常に長い。
リッジ6のように、与えられたレース数が多いというのならまだいいが、ゲーム上のカーメーカーとの親密度を高めないと出現しないレースや手に入らないパーツなどがあり、ひたすら金&ポイント稼ぎをするのが面倒。
しかし、この数値のおかげで、色々な車種やパーツを付けて試してみようという気になれるというのも一方である。

毎回思うのだが、ある程度一人でもそれなりの時間遊べるように配慮しているつもりだろうけども、長く遊べるゲームと長く遊ばせるゲームはまったくの別物である。
どちらかというとリッジシリーズは、長く遊ばせるゲームと感じる。結局、伝統のエンジェルカーとデビルカーを入手した辺りで、底が見えた感じで終了した(達成度は95%)。

新しく作られたコースは全体の2割程度で、ほかは前作リッジ6と同じコースか、一部変形させた物。手抜きっぽさは否めないが、前作がマイナーなハードで出していたのだから、あまり強く不満点として言えない。
6を触ってない人ならば、新鮮な気持ちで遊べるだろう。

音楽が、もっと自己主張して欲しかった。テクノミュージックを目指すのではなく、ゲームミュージックであることをまず最初に意識して欲しいのだが。
クセの強い、メロディーラインが太い曲とかあってもいいと思う。クセの強いというのは極論で言えば、飽きやすい曲ということだが、あまりにも印象に残りにくい曲ばかりだと感じる。
初代リッジレーサーの曲なんか、すぐに思い出せるのに。

インストールしても、ロード時間が長いとか、新コースは、やたら道が広く直線が多いとか、メニュー周りのレイアウトが懲りすぎて見づらくなっているとか、細かい不満点も多く出てくるのだが、実のところ重箱の隅つつきに過ぎない。
悔しいが、とても良くできている。マンネリっぽさがありながらも面白いのだから困った物だ。

本体同時発売ソフトながら、とても完成度の高い作品。





[2006/11/14]
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