龍が如く2


対応機種プレイステーション2
発売日2006/12/07
価格6800円
発売元セガ

(c)2006 SEGA
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ワルの世界を真剣に描いた奇抜なゲーム内容が人気となった「龍が如く」の続編が発売。
前作から僅か1年という発売ペースの速さも見所である。

また、2の発売に合わせて発売直前に1をザベスト化(1800円)し、販促に活用した。
セガとしては、この「龍が如く」をシリーズ化し、育てていこうという意向もあるのだろうが、
とにかくセガは昔に比べて、こういう立ち回りがうまくなった物だと思う。

ゲームとしては、それほど大きな違いはなく、インターフェイスやゲームのバランス調整といった改良やゲームボリュームの増量がメイン。
グラフィックにしろシステムにしろ、前作で一定の完成度のものを作り上げていたので、こういった方向性で正解である。

前作の舞台であった、神室町はそのままに、新たに大阪、道頓堀をモデルとした町が登場。
新エリアは、前作ほど大きい作りでは無い。そもそも前作が広すぎたという話もある。

前作で作った素材をなるべく活用し、その上でさらに新しいマップの追加や、イベント、ミニゲームの数を増やすなど、続編として順当な進化を遂げている。

現実の町を描くために、実在する企業に協力を依頼していたが、一作目の実績を反映してか、協力企業が大幅に増加し、よりリアリティが増している。

一度、土台を作り上げているので、今作では、かゆいところにも手の届くゲーム内容の充実を重視した開発体制をとれたせいか、かなり出来が良い。

戦闘シーンは、より派手さや爽快感が出ており、操作していてかなり楽しい物になっている。
使いづらかったヒートアクションが改良され、かなり使いやすく、見た目も派手に威力も大きくなっていて、単調さが払拭され、面白い。
微妙な操縦性も、3D格闘ゲームを作ってきたセガのノウハウを生かし、細かいチューニングが施され、見た目にそれほど違いは見られないが、非常に進化している。
ぶっちゃけ、スクウェアエニックス「ファイナルファンタジー」シリーズのように、〜〜バトルシステムVer.2とかハッタリかまして売り出してもバチは当たらないぐらいだと思う。

DC「シェンムー」にあった、QTE(画面上に突然表示されるボタンを押す)を導入され、戦闘における臨場感、緊張感も格段に上がった。

ゲームセンターやパチスロといったミニゲームも種類が増えてきて、開発的に余裕のある感じだ。
パチスロに関しては、サミーとの合併効果により、実機を見た目だけでなく挙動も近い物を再現して導入している。

前作経験者なら、新要素として、キャバクラ経営やホスト接客イベント、キャバ嬢デートイベントの大幅な追加など、聞いているだけでやりたくなってくるものが沢山追加されている。

ストーリーは、一作目と比べると渋みが薄れ、アニメ調な演出が増えた。シビアなシーンは減り、全体的にマイルドな雰囲気になっている。
これは、好みが分かれるだろう。
前作のような全編任侠路線でないと満足出来ない人もいるだろう。
しかし、おそらく、その手のことは前作でやり尽くしたので、新しい路線を模索した結果が、現在のような内容で、より間口の広く、わかりやすい勧善懲悪物になってしまっていたのではないだろうか。

プレイヤー層なども考えると、無理に固い任侠路線に固執する必要性も無く、「龍が如く」独特の雰囲気はあり、キャラクターたちも出来が良くて、イメージを破壊されるほどの路線変更を強いられているわけでもないので、
今後のシリーズ展開を考えると、これぐらいが丁度いいのかと思う。
(ただ真島のにいちゃんは、すっかり改心したのか、やりすぎなぐらいギャグキャラになってしまっているが)

前作とストーリーも世界観もつながっているが、実のところ、先に述べたとおり、目指している作風が違うので、1からやってないと楽しめないというゲーム内容ではない。
それに、開始時に1のあらすじを見ることも出来るようになっているので、単体でも全く困らない。
寧ろ、熱心なファンほど、舞台の使い回しなどがマンネリになって新鮮さに欠け、気に障るのではないかと思う。
勿論、その中に収録されている、サブイベントやミニゲームも一新(拡張)されているので、遊べる作りになっているが。

DVD-ROM2枚組になるほどゲーム内容はふくれあがり、質・量ともに練り込まれた内容で、よほどひねた人で無い限り、満足出来るゲームだろう。
1という土台があった上での、本作なので、細部まで手の行き届いた作り込みは、まさに超大作、話題作に冠するに値する。

個人的な不満点に関しても、本編のゲーム進行上、(難度が低くかなり有利なものとはいえ)将棋をやらされる(大金を払うことで回避出来る)ことと、終盤の戦闘バランスが若干理不尽であることぐらいだ。
しかし、戦闘バランスに関しては、2と比べれば、ずっと1の方が理不尽さがある出来映えだし、操作プレイヤーが強化されていることなどもふまえると、難易度自体はかなり下がっていると言える。

こういった感じで、発売メーカーの裁量一つで一発屋で終わったかもしれない作品に対して、早い段階で完成系を出してきたセガには拍手を送りたい。そこで結論。

「龍が如く」は2で完成した。遊べ。





[2009/07/10]
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