龍が如く 見参!


対応機種プレイステーション3
発売日2008/03/06
価格7980円
発売元セガ

(c)2008 SEGA
戻る

人気シリーズ「龍が如く」がプレイステーション3対応ソフトとして早々に登場。
舞台は一新され、現代から戦国時代に。日本ゲーム大賞2007フューチャー部門を受賞している。

舞台設定は全く別物であるものの、主人公の桐生をはじめ、一部主要キャラクターは、「龍が如く」のものを使用している。
真島さんが「桐生チャン」って言ったり、遙は相変わらず「おじさん」呼ばわり。なんだかシリーズ経験者からしたら、ギャグにしか見えない構図かもしれないが、これは手塚治虫が編み出したスター・システムというものである。
このスター・システムは非常に有用な優れたシステムだと思っているのだが、肝心の漫画・アニメの世界ではほとんど使われず、ゆえにまれに使っている作品が出ると「手抜き」だの、色々言われてしまう。
この「龍が如く 見参!」に関しても、一からキャラ設定を考えず、作らずに済むという大きな利点があり、何より、「龍が如く」ではない完全新規のタイトルとして発売していたら、ここまで注目されなかったろう。

今作の舞台は戦国時代の、歓楽街「祇園」を中心とする京周辺。祇園内は華やかな装飾で溢れ、時代もののゲームで陥りがちな、地味な雰囲気をうまく払拭している。
グラフィックは非常に綺麗で、文句の付け所がない。プレイステーション3万歳って感じだ。

視点がサード・パーソンスタイルになり、クイックタイマーイベントも入り、いよいよもってシェンムーっぽさが増してきた。
全体マップがそれなりに広いので、移動時間を短縮させるための篭屋が登場している。これも「シェンムー2」のチェイスを何となく思い出させる。

大容量のブルーレイディスクを生かそうとしたのか、本筋は異様にムービー(レンダリング)が多い。
しかし、全部をムービーにはさすがに出来なかったようで、簡単な掛け合いはテキスト+ボイスで見せている部分があるが、この切り替わりというか、見せ方の違いがわかりにくい。
単純に見せ場をムービーにしていったって感じだろうが、このカットはムービーなのに、なんでこっちは違うの?と言いたくなってしまう。

基本的にシステムはほぼ「龍が如く」のもんを継承していて、致命的な違いと言えば、武器周りだろう。
今作は時代劇ということもあって、素手の他、一刀流、二刀流、大剣と、複数の戦闘スタイルを好きに使い分けることが出来る。
その代わり、落ちている物を拾って武器にするという要素が大幅に弱体化され、ほとんど使える局面が無い。
また、刀を鍛冶屋で強化することが出来たりもする。

ヒートアクションは、閃きシステムというもので覚えていくようになり、町の中の様々な動物を観察することで習得する。
この辺のデモ周りの演出が実にセガらしいノリで、妙ににやっとしてしまう。

戦闘は刀対刀ということで、だいぶ様変わりし、モーションが全体的にゆっくりしているので、この手のゲームが不得手な人間でも十分対応していけるバランスである(勿論終盤になるとそれなりに厳しくはなる)。
特に1vs1の戦いが非常に熱い。逆にまだ、複数の敵との戦闘は大味でいい加減な印象がある。大剣がもっと使えればねぇー。

1作目から培われた(いやッ、シェンムー時代からの失敗を蓄積したッ)、隙のないインターフェイスやゲーム構成は素晴らしく、特に文句を付けられる場所が無い。レベルアップが素直にパラメータ上昇していくのも強くなった感じがしていい(ゲーム的には選択させる方が面白かっただろうけど)。
本編だけのゲームボリュームも相変わらず膨大なものだが、だらだらサブイベントを探し回って遊んでいる方が面白いのも相変わらず。
クリア後も、新たなモードが追加されたり、いわゆる「強くてニューゲーム」が出来るなど、サービス精神旺盛で感心出来る。

主要キャラクターの配役に俳優を起用しているが、このシリーズにしては初めて、棒読みの人が出てきてしまったのは残念。それでも、俳優を使ったゲームにしては成功している部類だ。

また、個人的な趣味の問題になるかもしれないが、ZEEBRAやケツメイシの主題歌はゲームには合わない。安っぽい感じがする。

PS2版の頃は、微妙にロード時間の長さに悩まされたりもしたが、ハードディスクインストール出来るようにしてあって、その問題も解決されている。

これといった不満点はないが、強いて言えば、セーブのとき。新規作成じゃなくて、最後にセーブしたファイルにカーソルを合わせておいて欲しい。
3作目(厳密には違う)ともなると、マンネリ化など様々な要因に悩まされるものだが、舞台刷新などで上手に作られたゲームだと思う。そこで結論。

シリーズファンも楽しいし、新規プレイヤーはもっと楽しい。良作。





[2008/03/17]
戻る

inserted by FC2 system