龍が如く3


対応機種プレイステーション3
発売日2009/02/26
価格7980円
発売元セガ

(c)2009 SEGA
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極道の世界を真剣に真っ向から描いた人気シリーズ「龍が如く3」が、プレイステーション3で登場だ。
高性能マシンの衣をまとって、どのような進化を遂げたのか見所である。

このゲームが出る前に、外伝的作品として「龍が如く 見参!」がプレイステーション3で発売されたので、
シリーズ作品としては、プレイステーション3では、2本目となる。

「見参!」の時はまだ、プレイステーション3のハードスペックを、フルに引き出せていない印象があったが、今作は「見参!」での土台を生かして、かなりグレードアップしている。

舞台は神室町に加え、沖縄となっている。

キャラクタモデリング、フィールドグラフィック、ともにプレイステーション3になって、ディテールが大幅に進化した。
これまでフィールドは、固定カメラの見下ろし型であったが、サード・パーソンスタイルに変更され、臨場感や迫力がグッとアップしている。
建物の看板、オブジェクトなどの作り込みが従来とは比べものにならないほど、凝っており、素晴らしい。

このシリーズは、ややグラフィックが弱い印象があったので、今作のクオリティは、満足出来るものと言える。

フィールドを歩いていると、柄の悪いにーちゃんに絡まれ戦闘になるが、これまでは戦闘のたびに画面が専用のバトルフィールドに切り替わっていた。
しかし今回は、画面は切り替わらず、その場でシームレスに戦闘が展開するようになった。
ロード時間が大幅に短縮されたと、売りの一つとして紹介されているが、やはり戦闘プログラムを読み込むのに、若干ロード時間を取られる。
だが、これまでと比べ、プログラム周りの処理は、画面の切り替わりがなくなったことで、高度な処理を求められている。
戦闘に入ると、周りの通行人が逃げる、画面が切り替わらないまま敵がやってくる、一連の処理は、プレイステーション3といった高性能機だから出来た芸当だろう。

今回も、ゲームシステムやメニュー画面のインターフェイスに大きな違いは無いが、処理能力の向上によって、非常に快適になった。
一々、アイテムのアイコンを読み込むのに待たされていた物も、スムースに表示され、イライラうするところが本当にない。

戦闘シーンは、プログラムや挙動が大幅に見直され、特に、かなり操縦性が改良されて、完成度が高まっている。
3を遊んでしまうと、これまでの作品が、単調で、動きの固い印象を持ってしまうほどだ。
プレイヤーの性能が強化され、かなり遊びやすくなっている。ただ、相変わらずボス戦は、ちょっと難易度が高い気がする。
作品を重ねるごとに、この辺のバランスがシビアになってきてしまっている気がする。とはいえ今回は、回復アイテムの配置を増やすことなどで、遊びやすくなってはいるが。

ミニゲームに、ゴルフやカラオケ、ゲームセンターでは、実在するセガのクイズゲーム「アンサー×アンサー」まで収録するほどの力の入れっぷり。
キャバクラ嬢を育成するイベントも用意され、かなり遊べるゲームになっている。

シリーズを経るごとに、培ってきたノウハウ、ゲーム内容をなくすことなく上手に再活用し、どんどんゲームとしての幅が広がっていく。良い作り方だと思う。

ハードディスクにキャッシュデータをインストールするので、ディスクアクセスもかなり早く、イライラすることがない。

2の時は、一部の箇所で、少々バランスが辛かったが、今作では、バランスの付け方がわかってきたのか、理不尽さを感じるところはなく、素直に最後まで楽しめるゲームである。

音楽も全体的におしゃれになっていて、良い。

シナリオ監修として、馳星周が参加していたが、今作では関わっていない。
2では、監修としていたにもかかわらず、興ざめするような展開が目立っていた。
今回は、そういった世界観を壊すような、がっかりするシーンはあまり無く、無難にまとめられた水準に収まっていると思う。

ただまあ、メインストーリーははっきりいっておまけだ。このゲームにおける真の楽しみどころは、緻密に作り上げられた町を探索して、サブイベントを攻略して、多彩に用意されたミニゲームをだらだら楽しむゲームである。
こんなことを書くと本末転倒かもしれないが、そういったゲームである。そこで結論。

堅実に成長を続け、着実にゲームの出来映えが良くなっているシリーズ。食わず嫌いしてた人は今度こそ遊べ。





[2009/03/02]
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