サクラ大戦


このゲームと同時発売でウェーブレース64があって、
どっちを買うか非常に悩んだ思い出深いゲームである。

方や64で長らく待たれていた新作で、あの任天堂が送る革新的なレースゲームなのに対し、
こちらはこちらでアニメオタクの琴線に触れる素晴らしいまでのストライクゾーンな内容。

散々迷った結果、こちらのサクラ大戦にしたのだった。
あそこまで何を買うか悩んだのは最初で最後だったような気がする。

まぁ、両方買うという選択肢もあったけども(今の俺なら絶対やってるな)、
中3のガキが一日に17000円も使うのも戸惑われるところだったし。
あれから8年経って、ウェーブレースの方は100円で投げ売りされているのを見ると
この選択は正しかったのかな、とも思ったり(アレはアレで当時9800円出すに値するゲームだったけど)

ゲーム内容としてはバリバリのギャルゲー路線なのだが、
ただのギャルゲーで終わらせないのが広井王子の凄いところだ。

舞台は大正時代の東京。
そこには、日本征服をたくらむ謎の組織黒之巣会が市民を脅かしていた。
それに対抗すべく結成された帝国華劇団。
何故か部隊は全員年頃の女の子
戦闘時には光武といわれるロボットに乗り込み応戦する…

なんでやねん!

広井王子が上手いのはここからで、漢字を使った洒落をきかせた面白い設定である(天外2からやっている)
普段の帝国華劇団は帝国“歌”劇団として、有楽町に構える大帝国劇場で
部隊ならぬ舞台をやって、市民を楽しませている。
しかし、緊急時には上記の通り帝国“華”劇団として、平和を守るため日夜戦っているのだ。

そこへ、主人公である大神一郎という堅物軍人が部隊を統制すべく隊長としてそこへ派遣されていく。

通常パートは、テレビアニメを見るかのような筋の通ったストーリーを見せつつ、
帝劇の中を歩き回り、一般的なギャルゲーのようにイベントを探す。
選択肢によって、女の子の好感度が上下する。
この好感度は戦闘時の強さに直結するために、疎かにはしてられない(ただ展開上どうしても不仲になったり親密になったりする場合が多い)
このゲームの好感度の取り方の旨さは、例えば全員いる時に選ばされる選択肢の際、
みんな納得のいく(好感度が上がる)選択肢が無い場合があることだ。
通常、一対一の場合が多いギャルゲーにおいて、これは珍しいケースである。

このゲームは章立てで構成されているのだが、後半には戦闘パートが待っている。
これは、通常のタクティカル式SLGを踏襲したシステムになっていて、
当時で言えば、フロントミッションやタクティクスオウガに似ている。
ただ、このゲームはSLGがメインではないので難易度はかなり抑えられている。
そのため、このパートで戦略性云々を求めるのは筋違いだ。
強力無比な必殺技で雑魚を一掃し、ボスをこてんぱんに蹴散らすこと自体が面白いのである。
しかし、欠点としては複数回プレイする場合(例えば特定の女の子を狙った)には、
このパートが足を引っ張って、テンポを阻害してしまっている。
結局、SLG特有のじっくり腰を据える感じまでも持ち込んでしまっているので、
作業的どころか面倒くささを与える結果になってしまった。

とにかくこのゲームで感心させられたのは、ストーリーを魅せることに重きを置いている点。
先に述べたけれども、テレビアニメの構成を意識しており、
立ち上げれば、主題歌とともにアニメのオープニングのようなムービーが流れ、
「第○話」というテロップと共にゲームが始まり、
前半の女の子とのやりとりから後半は戦闘シーンへと移行する。
そして最後には次回予告のムービーまで流れる。
物語の構成やボリュームも、かなりテレビアニメ的で、
全11話と大体1クールで締めるように構成していて、
さらに、丁度中間地点で、ロボットがリニューアルされるというこの凝りよう。

全体的な画面デザインなども、これでもかというほど凝っていて
また、それだけでなく、レスポンスであるとか細かなインターフェースも高水準でしっかり作られている。

全編、ドット絵で描かれているというのも大きい。

この頃は、こなれていないが当時の流行りでポリゴンを使ったゲームが多かったのだが、
技術やスペック上、緻密なデザインは出来なかった。
そのためサクラでは完全に割り切って全てドット絵で描いている。
これは見た目もさっぱりしていて、動作も軽く、
それでいて、非常に緻密なグラフィックであり、丁寧に作り上げた感が漂う。

音楽のクオリティも異常なまでに高く、とにかく視覚的部分での作り込みに関しては
尋常ではないクオリティの高さを感じる。

残念なのは、基本はギャルゲー的であり、その点で人を選ぶ内容になってしまっている。
しかしながら、その中でもRPGのような壮大な物語のおかげで、アドベンチャー要素が強い。
その筋の路線に抵抗がない人ならば十分楽しめるだろう。
余計なキャラや無駄な設定もなく、一作目だけあって非常にシンプルである。




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