サクラ大戦2 君、死にたもうことなかれ


対応機種セガサターン
発売日1998/04/04
価格6800円
発売元セガ

(c)1996 1998 SEGA / RED
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発売するやいなや、大ブレイクを引き起こし、セガサターンの顔とも言える位置にまで登りつめた「サクラ大戦」の続編。
広井王子、あかほりさとる、藤島康介、田中公平の豪華布陣はそのままに、大正浪漫を描いた2作目はいかにパワーアップした内容なのか!?

一口に言うと、実にあらゆる部分が正統進化した作りとなっており、隙のない作りで安心して遊べる作りになっている。
逆を言うと、下手な冒険に走ったりしていないので、前作にあっただろう、新鮮味や新規性に関しては、かなり劣る作り。
ただ、シリーズ化を考えると、この安全パイな手堅い路線が妥当な作りだろう。

人気の出た作品の続編ということで、予算も前作より遥かに出たのか、全体的に豪華な作りになっており、かなり見ごたえの多い派手な作品にグレードアップしている。
ムービーの画質が良くなり、コンピュータグラフィックスを使ったシーン、一枚絵も大幅に増加。演出も強化されている。
1話のテキスト量も大幅に増えて、ボリュームも増量。アドベンチャーゲームとしてさらに骨太な内容となっている。

LIPSのバリエーションが増え、制限時間の途中で選択肢が変化したり消えたり、決められた時間内に指定されたことをやりきらなければいけない新しい形のLIPSなど、
内容に幅が出たことで、長丁場を飽きさせない作りになった。

ヌルすぎることが裏目に出て評判の悪かった戦闘パートだが、だいぶ遊びごたえのあるものへと作り込まれた。
「適当に動かしてるとさすがに犠牲が出るかもね」といった程度に作り込まれ、SLGとしても、ソコソコ遊べるほどの水準に仕上がっている。

戦闘前に作戦を選ぶことが出来て、選んだ作戦によって、その後の戦闘パートのシチュエーションが変化するなど、周回プレイにもなんとか耐えうる作りを頑張っている。

ただ、SLGとして考えると、まだヌルいっちゃヌルい。個人的には前作の簡単さでも別に問題ないと思っているので、これぐらいでも全然丁度良いだろうと思っている位。
操作性はかなり改善され洗練されたものになったが、まだ動かしづらい部分が若干残っているのは残念だった。

他には、大神の硬派度を表すゲージが追加されたが、普通にやってると硬派に振り切っちゃうだろう。面白い試みだが、あまり意味をなしてないように思う。

ストーリーは、全体的に前作を遊んでいることが前提に作られており、前作を遊んでいない人がこっちから遊んでも、思ったほど楽しめないだろうと思う。
お約束のご都合主義も、かなり多く、寧ろそこをファンサービスと割り切って、ほとんどのパターンをやりきっちゃうぐらいの勢いで作り上げてくるのだから、ある意味凄い。

人気が出て続編が決まった作品なのだから、どうしてもしょうがない部分もわかるのだが、前作を遊んでいる人向けの作品であるものの、前作ほど斬新さがなく保守的な内容になってしまっている。
従って、突出した面白さもないんだけど、つまらないってほどでもないという、なんとも困った位置に座する作品ではないかと思う。新キャラ2名がテコ入れで追加されているが、劇的に面白さが変わるほどのものはない。

そこで結論。

前作プレイ済み、好きな人向け。良く出来てるんだけど、新しいものはない。





[2017/08/19]
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