沙羅曼蛇


対応機種ファミリーコンピュータ
発売日1987/09/25
価格4900円
発売元コナミ

(c)1987 KONAMI
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「グラディウス」のコナミが満を持して送る新作シューティングとして大きく話題になった「沙羅曼蛇」。
横スクロール、縦スクロールのステージが交互に展開され、プレイヤーを苦しめる。スケルトン仕様のカセットも話題となった。

ゲームセンターで稼働していた同名作品の移植という体裁だが、ファミリーコンピュータの性能では当然ながらまともな移植は不可能である。
そういう事情もあり、無理にアーケード版を再現することは最初から諦めて完全に開き直り、むしろ、ファミコンというハードウェアで最高に楽しめる路線を目指している。

コナミのアーケードシューティングゲームの家庭用への移植において、この方向性が完全に固まったのが、このファミコン版「沙羅曼蛇」と言えるだろう。

元となったアーケード版とは別物と言っていいほど内容が異なっているが、2人同時プレイが可能となっていたり、
オプションが3つまで装備できるようになったり、巨大ボスが登場し悠々と動くなど、特殊チップの搭載によってファミコンのSTGという括りの中では凝った作りで、比較的高いクオリティを見せつけている。

ステージ構成がさすがコナミと言える完成度で中々練りこまれており、どのステージも濃い作りで印象に残る素晴らしい出来栄えだ。
ウネウネと動く触手など多関節処理が目立っており、コナミの十八番とも言える技術が確立し始めた時期の作品なのだろう。

ゲームとしては、入り組んだ障害物やギミックを回避する比重がかなり強めで、その分、敵の数が少なく、敵弾も必然的に少なくなるため、避ける楽しさや爽快感がイマイチ乏しい(かなり無茶してるんだろう)。
また、「グラディウス」同様のパワーアップ方式なのだが、フルパワーアップまでに必要なカプセルが多く、中でも自機の速度を上げるスピードの効果が小さいため、多くのカプセルが必要になる。
それに加えて、カプセルの出現場所が偏っているが(いわゆるグラディウスなどでは復活地点に当たる場面)、2人同時プレイの弊害で、ミスしてもその場復活するため、立て直しが難しい。

敵の攻撃よりも、ステージの障害物やギミックを理解していることのほうが重要で、ぶっちゃけると、ガチガチの覚えゲーとも言える。
仕掛けがあることを予め知っていないと対処できない箇所があまりにも多く、そのため、一見すると高い難易度に感じるかもしれないが、
ステージギミックをわかってさえいれば、簡単に対応できるため、難しいゲームではない。
フルパワーアップを維持できるようになれば、まず苦労することはない。

元がアーケードのゲームなので、それと比べるとどうしても見劣りしてしまうし、明らかに物足りない部分も感じられるのだが、やはりコナミ製のシューティングは質が高い。そこで結論。

ファミコンのSTGとしては上出来。





[2014/10/24]
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