対応機種 | プレイステーション |
発売日 | 1999/06/24 |
価格 | 5800円 |
発売元 | ソニーコンピュータエンタテインメント |
2本のアナログスティックを使った新感覚3Dアクションアドベンチャー、サルゲッチュ。この夏、SCEの自信作。
当然ながら、デュアルショックでなければ本作は動かない。
ビジュアル的な意味合いしかなかった、プレイステーションのアナログコントローラだけども、いよいよこのコントローラの真価を発揮する時が来た。
左スティックで移動、右スティックで装備アイテムの操作、と、一風変わった操作形式を取っている。
両方のスティックを同時に動かすのは、結構忙しいが、この使い方がなかなか上手で、とにかく感心させられる。これは、発明モンといっても言い過ぎでない。
ゲーム内容は、マリオ64の物真似作品である。しかしまあ、PSのハードウェアで良く、箱庭アクションを作り上げた物だ。
マリオ64のパワースター集めと同様に、マップ上に徘徊しているサルを探し、捕まえることが目的となっている。
フレームレートの低さやローポリゴンの貧弱さは致し方ないところだが、きつそうな処理をしながらも、3Dアクションとして割としっかり出来ている。
ちゃんと主観視点にも出来るし、高速スクロール面なんかも用意されており、なかなかの本格派である。テクスチャも結構凝っている。
ただ、さすがに遠景まで描画するのは無理だったらしく、かなり近い距離しか見渡せないのは残念。「探す」ゲームだから、ここはもうちょっと踏ん張って欲しいところだった(いや、十分頑張っているのだけど)
まあ屋内ではさして、違和感はないので、そこまでひどいモンではない。
マリオっぽさもありながら、ゼルダっぽさもあるという、なんとも欲張りなゲームだ。
マリオのようにアクション操作もありながら、ガチャメカを使い分け、ギミックを解いていくおもしろさも内包している。
任天堂作品に比べると、多少雑なところもあるが、ハード性能を考えると実に丁寧な作りだ。ディスクアクセスも快適で、イライラすることも少ない。
操作性になれるまではつらいが、なれてくると実に気持ちよく動かせるようになる。この辺は、スーパーマリオ64の初プレイに通ずる部分がある。
ストーリーもさりげない程度に用意されていて、その方面でも盛り上げてくれる。
CMでは、総勢100匹以上というサルの種類だが、実際はモデリングは一緒で、装飾品の違いでごまかしているので、そこまで個性はない。
ちりばめられたギャグテイストの側面も洒落ており、面白い。これは職人芸の領域だ!
ゲーム全体のボリュームと比べ、バリエーションに乏しく、終盤にもなると作業っぽく感じる気もするが、勢いで許せるだろう。
PSでよくぞここまで!勿論ゲーム内容もさえ渡る名作。