サルゲッチュ3


対応機種プレイステーション2
発売日2005/07/14
価格5800円
発売元ソニーコンピュータエンタテインメント

(c)2005 Sony Computer Entertainment
戻る

SCEの看板タイトル、「サルゲッチュ」のシリーズ3作目。
コマーシャルのみならずゲームにも登場する若手芸人アンガールズや、コナミ「メタルギアソリッド3」とのコラボレーションなど、発売前から話題を振りまいた。

さすが、3作目ともなると全体の完成度も高まってきて、もはや隙無し状態と言える。

いまいち地味目だった登場キャラクターも個性的で魅力に充ち満ちており、それがゲーム全体に活力を与えている。
また、これまで少年一人のみだった操作キャラがゲーム開始時に男女2人から選べるようになった(選択によってゲーム内容に差は殆ど無い)。
これは女性プレイヤーに配慮したものと思われる。大きなお友達(お兄さん)対策もあると思うが。

グラフィック周りも大幅にグレードアップしており、ムービー映像を中心にグッと見応えが出てきた。
イベントムービーのノリも良く、それ単体でも笑わせてくれて、なかなか楽しめる。

これといった新要素は無いが、強いて言うならば「変身システム」がある。
忍者やダンサーに変身することで出来るアクションや能力が変わるというものだ。
通常時よりも高い能力を得るが、変身中はバケルゲージを消費する上に、少々クセのある操作を求められるものが多く、扱いに慣れるのが大変。
あと、あまりの使いづらさに逆に使えないコスチュームもあり、もう少し練り込んで欲しかったところだ。
変身システムによって覚えなければならないことが増えてしまったが、代わりにガチャメカの数が減らされており、釣り合いは取れていると思う。

ダンサーの特殊能力が強力すぎて、猿を簡単に捕まえることが出来てしまう。
せっかく「いないふり」という新アクションを追加しているのだから、この辺りの掛け合いを活かせなかった物か?

相変わらず、過剰すぎる説明が入るが、その割に主に変身後の操作など、解説が不十分な部分もあり、これは開発側の落ち度だろう。
恐らく酷評されるだろう乗り物の操作のしづらさについては、ラジコン感覚でこれはこれで面白いと思う。
上手く操作出来ないというのも、希にしか乗る機会がでないからという点で理に叶っているし、それを見越したバランス調整がきちんとなされている。

登場する猿の数が400匹以上とかなり多い。これでは、全部捕まえてやろうという以前にウンザリして飽きてしまう。
総数が即ボリューム増とはならないが、それでも前作よりもステージ数は増えており、クリア後に恒例の取りこぼした猿を捕まえに、もう一周まわる負担が大きく非常にしんどかった。
ゲームは、ボリュームを求められる傾向もあり、回を重ねるごとに引っ込みがつかなくなってしまった側面もあるだろうが、なにか別の解決策は無かったものか?
一作目のコマーシャルでは「総勢100匹以上」という触れ込みであった。大体100から200くらいが妥当な数だろう。

パスワードを入力することで出現するレアサルというものもいるが、わざわざここまで厳重に隠す必要があったか疑問。
「ポケットモンスター」のミュウツーのように、今後のイベント展開を見越した要素だろうが、そこまで引っ張られても萎えるだけ。

今回もオマケ要素が大量に用意されていて、それらを集めたりするのが楽しみの一つでもあるが、
捕獲した猿やギャラリーの閲覧ではロードなどの引っ掛かる処理が頻繁に入るためにスムースに見ることが出来ない。何とかして欲しい。
サルシネマも、やたらとメモリーカードを読みに行くせいで見る気になれない。
撮り逃した残りの撮影分はどこにあるのかも分からないので探すのが大変なのも非常につらい。

一作目のときは、目新しかった要素も今や当たり前となり、逆に古くささすら感じられるところもある。
現在、このタイプのゲームは右スティックでカメラ操作出来るのが当然となっており、しかし本シリーズでは別の操作でふさがっているため
カメラ操作がL1ボタンの回り込みのみである。ロックオン機能も無く、今となってはこの仕様は不便さを感じざるを得ない。

コナミの人気シリーズ「メタルギアソリッド3」とのコラボレーションで実現した「メサルギアソリッド」は、ミニゲームらしからぬ本格派で細かい部分まで凝って作られている。
このゲームのためにわざわざ大塚明夫や青野武を使っているのだから驚きである(本編には一切でない)。
一部、音源やモデリングデータを借りてきているらしく、知っている人はかなり楽しめる。
しかし、パッケージ裏などにウリの一つとして紹介しているのに、一度ゲームをクリアしないと遊べないのは、もったい付けすぎではないか?
「メタルギアソリッド3」の「猿蛇合戦」はすぐに遊べたのだから、本作でもそうすべきだろう。

敢えて不満点を書いたが、実際のところかなり良く出来ている。
PS2ではこういうアクションゲームは貴重で、メタルギアソリッド繋がりで購入しても納得いく仕上がりになっているだろう。

PS2では数少ない良質なアクションアドベンチャー。遊んで損無し。





[2005/07/19]
戻る

inserted by FC2 system