スーパーボンバーマン3


対応機種スーパーファミコン
発売日1995/04/28
価格8900円
発売元ハドソン

(c)1995 HUDSON SOFT
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スーパーファミコン界でも、すっかり春の風物詩として定着した感のあるスーパーボンバーマンもシリーズ3作目に突入。

シリーズ物の3作目といえば、マンネリになるか否かの分岐点でもある。
本シリーズは、3作目に来て大きな作風の変化を感じる。

とはいえ、単に同時期にPCエンジンで展開していた「ボンバーマン」シリーズの路線を持ってきただけではあるのだが
さらにプラスアルファした内容で、非常にお得感の漂う豪華な内容になっている。
どうもこの辺り、PCエンジンで制作していたスタッフがSFCのラインに異動になったというような事情を感じる。

グラフィックの色遣いが大きく変わり、PCエンジン版のようなべた塗りの色味になっている。
前作までに比べ、なんだかチープになった気がしないでも無い。しかしそれは些細なことである。

ストーリーモードにしろバトルモードにしろ、用意されたギミックに目新しさはなく
大半がPCエンジン版を元にした流用ではあるのだが、いざ遊んでみるとやっぱり面白く
そんなことは気にならず楽しく遊べるのは、さすがボンバーマンである。

今回はとにかく音関係が良い。アイテムを取得した時の音、爆風の音、
中でも、音楽はPCエンジン版で流れていた楽曲を元に、ダンス&テクノ系なアレンジが加えられており。なかなかに聴かせてくれる。
ちょっとくどい節も感じられるが、まさに力業で「これもアリだな」と思わされる。

全体的にPC-E「ボンバーマン94」の内容を踏襲しており、
ストーリーモードでは、画面上に配置されたジェネレーターを全て破壊することでクリア条件を満たすところや
ルーイが登場するところ、ステージ構成など、かなり酷似している。
これに、SFC版一作目で可能だった2人同時プレイを復活させている。
マップ造形もこなれてきたのか、なかなかの面白味を見せ、2人同時プレイならではの仕掛けもかいま見えるほど。

ただ、ボス戦などで、敵キャラクターが全体的にちまっこいのばかりなのがちょっと気になった。
2なんかでは、画面の半分を覆い尽くさんばかりの巨大なボスなんかがいた記憶があるのだが…。
そのせいか、なんだかちまちまとした印象が残る。
あと、ゲーム中盤以降の敵の動きが嫌らしく、もう少し馬鹿にしてくれても良かったと思う。
追いつめられた時、まず確実にやられてしまう。これまでの作品は工夫次第でやり過ごすことが出来たのだが…。

バトルモードでは、オプション機能が充実してきて、CPUの強さの設定、1〜5分&無制限の制限時間の設定。
サドンデスのオンオフといった設定が用意されたことで、だいぶ好きに遊べるようになっている。
なかでも、先に倒されてしまったプレイヤーが画面外から爆弾をフィールド上に投げて邪魔を出来る「みそボン」システムは
下手なプレイヤーでいつも先に脱落してしまう人でも退屈の間を与えない画期的なシステムである。

また、CPUの強さを最高レベルにして戦うと、結構賢い動きをするようになって、
なかなか戦い甲斐のある相手にもなっているのも好感が持てた。
但し、仕掛けも何も無い「オナジミサン」限定ではあるが。
ただ、スーパーボンバーマンのシリーズにしては、バトルフィールドがイマイチ地味な物ばかりなのも気になった。
最初からフル装備で戦えるマップなど、あっても良かったように思うのだが、なぜ無くしてしまったのか疑問である。
とはいえ、そんなことは些細なことであって、なんだかんだいってもやっぱり今回も楽しく遊べるゲームである。

本当に些細なことだが、もう少しSFCのハードウェアを上手に使って作って欲しかったなぁという印象は残る。
やや、同時期の他のソフトと比べ、若干粗雑な面がちょっと気になった。
やはり、ハドソンはPC-Eでの制作にべったりだったせいか、SFCでの制作になれていなかったのだろうか?

目を惹く要素に乏しいが、実際はかなり手堅く遊べる傑作。





[2004/06/28-2005/04/29]
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