聖剣伝説3


対応機種スーパーファミコン
発売日1995/09/30
価格11400円
発売元スクウェア

(c)1995 SQUARE
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すっかりスクウェアの看板シリーズとなった、アクションロールプレイングゲーム、「聖剣伝説」の3作目。
イラストレーションに結城信輝を起用したことと、スーパーファミコンらしからぬ美麗なグラフィックが話題を読んだ超大作。

ゲームは、前作と同じく、最大3人パーティで戦い、残り2人はコンピューターが操作する。3人同時プレイは出来なくなっているが、2人同時プレイは可能。
今回は、ゲーム開始時に3人のパーティメンバーを6人の中から選ぶようになっている。選んだ主人公によって、主だったストーリーが決まる、マルチシナリオの形式を取っている。
ただ、基本的な内容は同じで、要所要所の展開がちょっと違う程度で、それほど劇的な違いはない。周回プレイさせるには、もうちょっと変化が欲しかった所だ。

前作は、アクションRPGのアクションの出来が悪く、がっかりだった。今回はどうなってるかというと、前作の悪かった部分を改善しているものの、やっぱりアクションとしての出来は良くない。

システム的には、アクションの比重を落として、RPGとしての要素を強めることで解決を図っており、アクションゲームらしさはさらに薄れてると言っていいだろう。

動きがもっさりとしており、敵との戦闘時は移動が遅くなり、当たり判定やキャラの動きも相変わらず良く無い。

代わりに、前作ではひどかったコンピュータのAIがかなり賢くなっており、これが困ったことにコントローラ操作のプレイヤーよりいい動きをする(コンピュータ限定でダッシュ移動ができたりする)
回復するタイミング、アイテムや魔法を使う指示出しが重要な作りになっているのは悪くないが、これのせいでボス戦などではかなり忙しく、煩雑さを感じてしまう。
ここまでアクションとしての作りがおざなりなら、もうアクション要素いらなくないか?などと、思ってしまう(身も蓋もない話ではあるが)。

他に思った点としては、スクウェアのRPGにしてはレベルアップが鈍く、イマイチ爽快感に欠けること。
また、レベルアップ時に、好きなステータスを1ポイント上げることができるが、同じパラメータに割り振っているとすぐに制限がかかってしまい自由度もへったくれもない点。
個性を出そうにも出せず、これには、参った。
せっかく、光と闇のクラスチェンジといった、面白そうな要素が入っているのに、こういった育成システムに関してはもうちょっとこだわって欲しかった。

グラフィックが「コレ本当にスーファミか!?」と言いたくなるほどすこぶる綺麗。綺麗なだけでなく、良く動く。特に敵味方のアニメパターンは、凄まじく豊富で、びっくりするほど滑らかに動いている。
この会社はちょっと前に「クロノトリガー」で、驚異的なアニメパターンを実現していたが、それを軽く一足飛びしてしまった。凄いのは、同じスーパーファミコンというハードで動いているという点だ。PSやSSだったら、ここまで驚かない。
特にボス戦では、アクションゲームばりにボスキャラが動いている。店頭デモでボス戦のシーンを見て、購入を決めたという人も多そうである。
これで、普通のアクションゲーム並みにバリバリ動かせたら、どれだけ傑作になったかと思うと、残念でならない。

技術的には突き抜けた作りが目立つが、ゲーム自体は、見た目のはったりでごまかしたり、それによって犠牲になってるような所が多く、全般的に惜しい作り。
リングコマンドの使い方、必殺技ゲージなどきっちり洗練させてきた部分もあるだけに、余計気になる。そこで結論。

RPGをやらせたいのか、アクションをやらせたいのかはっきりすべし。





[2017/09/20]
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