対応機種 | ゲームボーイ(13色対応) |
発売日 | 1995/07/27 |
価格 | 3900円 |
発売元 | 任天堂 |
鮮やかなグラフィックスが話題を呼んだ「スーパードンキーコング」のゲームボーイ版。
移植ではなく完全新作になっている。
ゲームシステムはスーパーファミコン版のものを継承しており、ドンキーコングなどのキャラパターンもSFC版を流用しているため、ゲームボーイらしからぬ滑らかさである。
しかし、スーパーファミコンで動かしていたものを無理矢理ゲームボーイで動作させているところが、そこかしこで無理矢理さをうんでおり、ゲームの完成度を落としている。
操作性が悪い。キャラの動きがどことなく固い。レスポンスが悪く思ったように動かない。癖のある挙動なのに、精密な操作を要求させられる場面が多い。
ゲームボーイは画面が小さいので、Bダッシュしても速度は出ないし、ローリングアタック(突進攻撃)は融通がきかず全然使えなくなっている。
画面のスクロールも強引で、それでいてステージ構成に一定の決まりごとが無い(例えばステージサイズが明確に定まっているなど)ので、ゲーム展開が強制的で、例えば高いところから足場のあるところに落ちようとするとスクロールがついていけず落ちた先が穴でなくともワンミスになってしまうなど、作りが荒っぽくどうにもイマイチ好きになれない。
グラフィックはSFC版のような雰囲気を出そうとドットでも頑張って再現しているが、タルなどのオブジェクトが風景と溶けこんでしまい、ステージ構造がゲームとしては見づらく遊びにくくしてしまっている。
そもそもドット絵で無理にコンピュータグラフィックスみたいな雰囲気を作り出そうとしているため、かえって何を表現したいのかわかりづらい絵になってしまっている。
スーパーゲームボーイでプレイしてもパレットの割り当てが下手くそで、まったく改善されない。困った有様だ。
実のところ画面が小さく視界が悪い、操作性が悪いといったところは、さすが任天堂ということもあり、慣れてくればそれほど気にはならなくなってくるレベルではある。
だからといって、このゲームの出来が良い、面白いゲームとは決して言えない。当時、コマーシャルを大量投下したり、テレビ東京系で持っていた自社番組でもおすすめソフトとして紹介していたが、到底そんなレベルには及ばない陳腐な出来栄えのゲームだ。
スタッフロールを見る限り、SFCと同じく海外のレア社が作っているようなのだが、思うに任天堂もまだ海外メーカーとの外注管理に慣れておらず、(ましてや当時落ち目だったゲームボーイということもあり)あまり手をかけられなかったんじゃないかと思う。
ちょっと、ゲームの出来が任天堂らしくない。どっかの海外メーカーがゲームボーイの性能を知りもせずちょっかいだして出しているようなレベルの作品でしか無い。そこで結論。
甘く見積もっても凡作。遊ぶ価値はない。