聖剣伝説DS チルドレンオブマナ


対応機種ニンテンドーDS
発売日2006/03/02
価格4800円
発売元スクウェアエニックス

(c)2006 SQUARE ENIX / NEX ENTERTAINMENT
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シリーズ完全新作としては、PSの「レジェンドオブマナ」から実に7年振りにもなる最新作が堂々登場。
機種は、いま最も勢いのあるニンテンドーDSで登場だ!
シナリオ原案に「クロノクロス」の加藤正人、コンポーサーには、サガシリーズの伊藤賢治はじめ豪華布陣で送る超大作。

通信プレイ対応により、最大4人での協力プレイが出来るようになっていて、全体的にセガ「シャイニングソウル」と内容がかぶっている。
これまでのスタイルとはことなり、ディアブロタイプのゲームシステムとなっていて、基本はダンジョンに潜っていく形式。
ただ、ストーリー演出の要素もそれなりに強く、プレイヤーが物語に介入して会話に参加したり、逆にディアブロタイプのゲームにしては、装備品のカスタマイズなどキャラクター強化周りの作りがさっぱりしていて
なんともどっちつかずな作りである。
ただし、ストーリーはあとからかぶせたような格好なので、それ目当てに遊びたい場合、ダンジョン探索が苦痛になることを記述しておく。

サブクエストなどといったやり込み要素も充実しているが、ちょっと道草を食っていると、あっと言う間にキャラクターが強くなってしまい、つまらない。
本筋のボス戦も、たいした戦ってないのに秒殺できるほどの楽さで、唖然とする。

この手のゲームでは、プレイヤーをしらけさせてしまうことは絶対に避けなければならない。
なぜなら、操作キャラが強くなる楽しみが薄れてしまうからだ。
装備品を強化や合成するといったカスタマイズ性もほぼ皆無で、アイテムの数も極端に少ない。
すぐレベルは上がっちゃうし、後半かなり金も余る。そうなると、ものへの執着も薄れ、弱い敵を緊張感もなく淡々と倒し続けるだけの作業と化す。

とりわけ、飛び道具が強く、特に弓矢の連射とオートターゲット性能が良すぎて、ヒット&アウェイ戦術がとびぬけて有効過ぎて、近接武器の剣で攻撃するのが馬鹿らしくなるほどだ。
9割がたは、敵を地形に引っかけて弓矢を連射してるだけでかなり優位に戦えてしまうバランスのいい加減さには萎えるばかり。
せっかく、アクション周りの作りが丁寧になったというのに、これはあんまりだ(但し、聖剣シリーズにしては、だが)。

敵に攻撃が当たると絶対にヒットするので、はめ殺しが容易に出来てしまうため、非常にぬるい。
はっきりいって、ゲームとして成立してない。欠点も多かったのだが、この点セガ「シャイニングソウル」の方が、ゲームとしてきちんと成立している分、本作は出来が悪い。

パーティプレイを楽しませる仕込みを多く取り入れている点は評価したい。もしかすると、多人数プレイだとそこそこ楽しいかもしれない。
世間ではWi-Fi通信で盛り上がってるというのに、本作は未対応。これは実に勿体ないと言える。流行に後れているといわざるを得ない。
しかし、それでも任天堂「ゼルダの伝説 4つの剣」のほうが遙かに面白いと言ってしまうと見も蓋もないが。

ダンジョンにはいると次のエリアに進む扉とそれを開ける鍵を探す必要があるが、どちらもマップによって出現条件が異なっている。どちらか一方は統一して欲しかった。
相変わらず、武器の切り替えを強要されることが多くあり、煩わしいのも何とかして欲しい。
ボス戦も、倒し方が独りよがりでわかりにくい。ボス自体は弱く、倒し方を見つけるまでが大変なのはおかしい。

特定のゲージを溜めることで発動出来るフィーバーシステムといい、プロダクションI.Gに発注したセルアニメムービーといい、見栄えを良くしようと言う面に関してだけは積極的である。
フィーバーシステムは、詰めが甘く派手さに乏しく、アニメムービーは言うまでもなく必要ない。ムービー時の台詞にボイスが無く、字幕だけというのも今時古くさい。PS1時代のゲームじゃないんだから。
ただ、音楽は有名どころに依頼したこともあって、なかなか質が高い。

メニュー周りのインターフェースが悪い。タッチ操作を意識した作りは、足枷になっていて、本作はキー操作で遊ぶゲームなのだから、割り切ってキー操作で最適化された環境を構築して欲しかった。
ある程度慣れでなんとかなるのだが、画面の暗転が多く処理も遅いのは致命的である。

エンディングまでの到達時間も短いためボリュームもイマイチで、大半はディアブロタイプのやり込み要素を遊ぶものとなっている。が、あまりに一人プレイでは単調すぎて持続するには辛いものがある。
なにせ、アイテム図鑑やクリアしたクエストがリスト化されるようなものもないので、いまいちやる気が起きないのも減点対象。
これは、元々マルチプレイを推奨とした作品なのだろう。なんだか、この後発売予定のPS2「聖剣伝説4」へ向けた宣伝作品という位置づけな印象を受けた。

友達と遊ぶ環境があればどうぞ。それでも微妙かも。





[2006/03/05]
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