シャイニングフォース 黒き竜の復活


対応機種ゲームボーイアドバンス
発売日2004/08/05
価格4800円
発売元セガ

(c)2004 SEGA / AMUSEMENT VISION
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1992年にメガドライブで発売され、高い人気を獲得したシャイニングフォースが
このたびゲームボーイアドバンスで復刻されることになった。
シリーズ復活プロジェクトの第一弾として、原点とも言える作品が実に12年の歳月を経て
再び表舞台へと姿を現した。

リメイク移植と言うほどのアレンジはなく、基本的に昔の雰囲気をそのまま持ってきている。
そのため、見た目の古くささは否定出来ない。
がしかし、実際遊んでみると、出来の良かったインターフェースはさらに改良され、
全体のゲームバランスにおいても、どうやら微調整が加えられてるらしく、
オリジナル版よりもさらにストレスを感じることなく気持ちよく遊ぶことが出来る。

グラフィックは、さすがに当時の作風そのままでは苦しいのか、今風の色遣いで描かれており、
華美な色合いは当時を知っている者からすると好き嫌いが分かれるだろうが、いい位置にあると思う。
(当時の泥臭い風味も捨てがたいのであるが)

追加要素として、敵国の王女側から描かれる新規ストーリーの追加、それに伴う新ステージの追加、
シャイニングソウル2で登場したカードコレクションシステムの搭載。それを使ったキョウカQという新ユニットの登場。
と、なかなかの豪華さである。
しかし、下手に元作がそれだけでも完成系であっただけに、なんだか余計な物という気もしないでもない。

特にカードを駆使するキョウカQというユニットは、出来ることが多すぎるのと、
かなりクセのあるキャラで、ちょっと使い込まないとその性能を十二分に発揮させることが出来ないということもあり、
少々使い勝手の悪いキャラである。

あまり感心出来なかったのが、主人公が喋るようになったことと、規定ターン内でクリアするとボーナスアイテムが得られる点。
主人公が喋るというのは、メガドライブでは全く喋らないドラクエ型であり、そこを強引に喋らせている節が残っていて、違和感がある。
規定ターンでクリアすることで得られるというシステムは、じっくり腰を据えて戦略を練るタイプのゲームなのに
なんだかせかされてる気がして正直うざったい。アイテム自体も苦労して条件を満たしてもさして魅力的なものでもなかったりするとひたすら脱力。

それから、最大の不満点としてソフトリセットが出来ないのが気になった。
ソフト側で対応していないらしく、リセットするためには一々電源を落とさなくてはならない。
GBAのソフトは、ソフトリセット出来るのが当然の風潮であり、未対応なのはただただ落ち度でしかない。

見た目が古いとはいえ、中身は今でも十分面白く、テンポの良いストーリー展開といい、今でもなかなか楽しめる。
S.RPGといえば、ファイアーエムブレムに代表される、戦略性の高さを要求されるゲームが多い中で、
本作は、RPG寄りの作りで、凝った戦術も必要なく、力押しでも何とかなる間口の広さは非常に評価出来る作りだ。

操作性に関しても、斜め移動が出来るようになったり、全体的に融通が利くようになり、
戦闘では行動する順番がいつでも参照出来るようになっていることで、戦略を立てやすくなった。

迫力ある戦闘シーンもしっかり再現されており、非常に好感が持てた。

S.RPGということで仲間になるキャラも多く、そのため一人一人のキャラの描き込みが薄くなりがちだが、
使い込んだキャラに限り、本陣で会話することでそのキャラのカードがもらえたり、
キャラにまつわる昔話などが聞けるようになっていることで、その問題点は上手に解決されているように思う。

今後PS2を中心に展開するらしい、シャイニングフォースプロジェクトは、
この旧作の路線とは違いリニューアルされてだいぶ違う内容になるようなのだが、
人気シリーズにまで仕立て上げた一時代を築いたであろうメガドライブ時代の
シャイニングフォースも、これ一作だけでなく、MD版の2やメガCD版のシャイニングフォースCDなど
これ以降もこの復刻路線は是非続けていって欲しいところだ。
しかし、さすがに人気の飛び抜けて高いサターンの「シャイニングフォース3」三部作は無理か!?
この辺り、商業的観点から厳しいかもしれないが、なんとか頑張ってもらいたいところである。

見た目の古くささは否めないが、今でも楽しく遊べる良作。





[2004/08/13-2005/05/10]
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