スターフォックスアドベンチャー


スターフォックスがアクションアドベンチャーになって
ゲームキューブで登場。
制作は「ドンキーコングシリーズ」でお馴染みのレア社。

A.ADVということで、従来の3DSTGのように
戦闘機に乗って敵をガツガツ倒していく物では無く、
ダイナソープラネットを中心に周辺に点在する小惑星に
降りたって、悪さをしている敵を退治していくという流れ。

各惑星の移動間には、3DSTGステージが挿入されているのはいいが、
所詮、本作でのメーンはA.ADVなため、扱い的にはミニゲーム程度のちゃちい代物である。
スターフォックス64のような本格的な物を期待していると痛い目を見る。
はっきり言うと、A.ADVパートをさっさと遊びたいので、
いちいちこんなものをやらされるのは鬱陶しい。
シリーズファンを意識して入れたのかもしれないが、この程度のものならいらなかった。

システムとしては「ゼルダの伝説 時のオカリナ」を踏襲していて
操作法からなにから殆ど一緒といっていい。
優秀な点として装備アイテムの切り替えがCスティックで画面を切り替えずその場で変えられる操作は便利。
ゼルダにも見習って欲しいところ。

時代設定がSFで、使用する武器が棒術っていうのは違和感バリバリで、
それ以外にも、どこか設定や絵的におかしい箇所が多い。
ただ、グラフィックはとても綺麗でリアリティに満ちあふれているのだが、
肝心のゲーム内容が非常にゲーム的(世界観の作り込みに乏しい)なので、
そこら辺は割り切らなければならない。

例えば、ギミックや一部の台詞に於いて顕著で、
スイッチやパッドといったゲームらしい記号的な仕掛けが多く
「ゼルダ」のように、オブジェクトが練り込まれていて、
仕掛けとしても風景としても自然に溶け込んでいるような物は無い。

それから、謎解きに関しても、そういう記号的な物ばかりなので、
考えて解く楽しみが完全に削がれてしまっていて、
人によってはたまに突っかかるところが数カ所あるかないか。
なんというか、考える余地がないほど、答えがモロに出てしまっているために、
難易度は非常に低くプレイ感覚としては淡々としてしまっている。

グラフィックに関しては、異常なほど綺麗。
特にテクスチャーは海外産ならではで、
国産ではこういう映像美はまずお目にかかれないといっていい。
リアリズムに溢れていて、雪山、集落、草原、洞窟、と舞台も豊富に用意されているため、
進めていても使い回しが無く飽きない。
中でもプレイヤーキャラのフォックスの毛がふさふさしているところや
水回りの演出には、ほれぼれするぐらい素晴らしい。
このクオリティが60フレームで動かせるのだから、感動モンである。
贅沢を言えば、マップが総じて一本道で狭く、もっと広い空間が欲しかった(あるにはあるのだが)
また、レア社のゲームにしては、テクスチャーの張りに力を入れすぎたのか
全体の構造や造形が面白くない。必要最低限という感じで探索がつまらないのだ。

「ゼルダ」に似ていると書いたが、全体としてはアクション要素が強く、
ところどころで「マリオ64」のようなストイックな操作を求められる局面がある。
敵との戦闘もあるが、これはただボタンを連打しているだけで勝てるほど相手が手加減をしてきていて(端的に言うと弱い)、
どちらかというと、仕掛けを解くために動き回る際のトラップをよけるほうが難しい。
(TNTバレルをひび割れた壁にぶつけて穴を開けるのを見て思わずドンキー64を思い出したのは自分だけだろうか)
マンネリを防ぐためか、恐竜の協力を得て先に進むシーンもあり、
巨大な恐竜に乗って敵を蹴散らしたり、空中戦があったりと
わりと豪華な作りになっているのだが、いかにもA.ADVパートの片手間に作ったようなものばかりで、
やっぱり物足りないのにはかわりが無い。

最近のゲームにしては寄り道要素が無く、ひたすら一本道で
ボリューム的にも短く、どうも面白く無い。
ただ、レア社の3Dアクションにしては、国産にも引けを取らない
だいぶかっちりした操作の作りになってきたところに
進歩を感じたりはした。
だが、これぐらい出来て普通なので評価の対象外。

イベントムービーの挿入もあり、見た目はドラマティックな作りなのに、
やってみるとゲームゲームしたちぐはぐな内容で拍子抜け。
ここはやはり任天堂がしっかりついて、監修すべきだった。
特にラストの展開、あれは従来作のファンに喧嘩を売るようなやすっぽさではないだろうか。





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