シンギュラリティ


対応機種プレイステーション3/Xbox360
発売日2010/09/22
価格7980円
発売元スクウェアエニックス

(c)2010 SQUARE ENIX / ACTIVISION / RAVEN
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早い話が「バイオショック」を軽くした感じのゲーム。国産の有名なゲームで例えると、任天堂「メトロイドプライム」のロックオン機能を外して、振り分けとしては探索要素やファンタジーを盛り込んだファースト・パーソン・シューティング。

オリジナリティに乏しいのだが、洋ゲーらしからぬ丁寧な作りで高い完成度を見せる。ただ、いかんせん、「バイオショック」の後追いといった印象が抜けないのが残念。こっちもUnreal Engine 3を使って開発しているし。

このゲームは、サバイバルホラーFPSと定義されているが、射撃能力はあまり重視されておらず、使える超能力や、周辺にあるオブジェクトを利用する、種類こそ少ないものの個性的な武器を使い分けて進めていく、といった的確な判断能力を求められる。
ゲーム自体の難易度は低めに設定されているため、敢えて超能力に頼らず、狙い撃ちの腕っぷしだけで攻略することも出来る。回復アイテムやドラム缶といったお助け要素が潤沢に設置されているので、この手のゲームに不慣れなユーザーでも、丁度良くプレイ出来る。

マップ機能が無いが、一度通過した=用事のない場所へは引き返せない。自由度のない一本道のゲームじゃないかと思われるかもしれないが、謎解きなどで詰まったときに、原因を特定しやすいので、これはこれでいいと思う。
探索要素のあるゲームだが、実質的には面クリア型に近い構成で、用意された舞台を先へ先へと進めていくようになっているからだ。

ゲーム・ボリュームもたっぷりあり、バラエティーに富んでいて、飽きずに最後までプレイ出来る。

マップ上に落ちているエネルギー(お金のようなもの)などを使って武器や自分自身を強化できるのも、最後までダレずに遊べる理由の一つだ。あまり凝ったものは出来ないが、シンプルイズベストとはこのことでこれぐらいが十分と思う。

不満点といえば、セーブデータが1つしか無い上にオートセーブされ、ステージセレクト機能がついていないことだ。2周目などにデーターを引き継いで最初から遊ぶことも出来ない。ゲーム序盤が最も難しく、後半に進むにつれアイテムが過剰といえるほど豊富に配置されたり、便利なアクションを修得することも合わせて簡単になること。バランス調整は荒っぽく感じた。
目的地を見失ったときに次の行き先を知らせてくれるクロノサーチが今一つ機能してないところがある点が気になった。後は、ヒロインのねーちゃんが可愛くない(笑)

武器や超能力、クリーチャーの種類が少ないと言われるかもしれないが、個人的には、これぐらいが丁度良いと思う。特に武器に関しては、それぞれが個性を持っていて、重複するものがない。つまりは無駄がないのである。
この辺りの種類を下手に増やされると、プレイヤーの負担にもなる。底が浅いと批判されるかもしれないが、これぐらいコンパクトでも十分満足である。

ストーリーは、タイムトラベルもので、イベントシーンの他に、音声データやノートなどからバックボーンを知ることが出来る。これらアイテムや調べられるものは他のものと比べテカって表示されるので、分かりやすい。
シナリオは、自分の知らないところで勝手に進んでいる感があって、ちょっと寂しい。面白いのだが、やらされてる感を感じてしまう。

洋ゲーにしては珍しく、敵意を持ったものの攻撃以外からダメージを受けない。つまり、考え方が国産のゲームに近い。例えば、炎で燃えさかっている部屋があり、そこであやまって火に触れると、たいていの洋ゲーではダメージを受ける。なぜかというとリアリティを追求しているからだ。
日本のゲームでも、大概が演出として設置された要素からはダメージを食らわないように設計していることが多い。

通信プレイを使った対戦モードも搭載しているが、どーも地味なゲームなこともあってあまり売れてないようだ。悪いゲームではないのだが…。そこで結論。

隠れた良作。





[2010/09/29]
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