スカイランダーズ スパイロの大冒険


対応機種プレイステーション3/Wii U/Wii
発売日2013/07/12
価格6999円
発売元スクウェアエニックス

(c)2013 SQUARE ENIX / ACTIVISION / Toy For Bob / xpec
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専用のフィギュアをゲーム上に召喚し、自分で操作して戦わせることができる凝ったギミックが受け、海外で記録的ヒットを飛ばしたアクションゲームが遂に日本上陸!!

この作品は、かつてPS1とGBAで発売されていた「スパイロ」シリーズの新シリーズで、副題にもスパイロの名前が入っているが、今作では主人公の座を降ろされ、単なるプレイヤーキャラクターの1人に落ちぶれてしまった。
しかも、キャラデザが変更されたせいか、可愛らしいデザインだったスパイロは、今回はリアルタッチなデザインに変更され、マイナーな存在である日本では「誰?」状態となってしまっている。

「パワーポータル」と呼ばれる周辺機器をゲーム機本体にUSBケーブルでつないで、この「パワーポータル」に対応するフィギュアを置くと、データが読み込まれ画面上にそのフィギュアのキャラクターが登場する。
キャラクタにはレベル、スキルといった成長要素があり、この育成データはフィギュアの方に記録される。

正直言って、おもちゃとしては、かなり面白い。海外で売れた実績もあって、フィギュアのクオリティは高いし、「パワーポータル」も造形が凝ってて雰囲気が出ている。

ゲームソフトとセットで売られているスターターキットには、最初から3体のフィギュアが付属されていて、ゲームクリアするだけならそれだけで困ることはない。
しかし、全マップを踏破したり、ゲームをやり込みたいと思った場合は、別売の専用フィギュアを集める必要がある。だが、フィギュア自体に記録機能がついているせいもあってか、1体辺りの値段が高く気軽に買えないのがつらい所だ。

ゲームとしてはどうなのかというと、アクティビジョンらしく豪華スタッフをかき集めて作られている。
全22ステージとボリュームもあり、探索や収集要素など多彩なギミックを盛り込み基本を外さない作りではあるが、これといって特に突出した光るものがなく、平凡なアクションゲームとなっている。

フィールドマップはフルポリゴンで、基本的に見下ろし型(トップビュー)の固定視点タイプ。
1ステージはサイズ的には結構な広さだが、ほぼ迷路状の一本道で、たまに分かれ道がある程度のワンパターンな構造である。

単調にならないように、パズルギミックをおいてみたり、ストーリーの流れに沿って、変わったことをやらせてみたり工夫は見られる。
だが、おもちゃを売りたいのか子供を意識して、全体的に難易度が低く、かなりヌルい。
このゲームに限らず、低年齢層向けに作るゲームは、誰でもクリアできるように難易度を下げる傾向にあるが、それが必ずしも正しい選択だとは限らないことを理解して欲しい。
(ま、このゲームの場合、ゲームというよりおもちゃを売りたいのだろうけど)

オーソドックスな3Dアクションゲームだが、ジャンプが出来ないことと、移動速度が遅いことが気になった。
あまりにノロいので、スパイロのタックル移動を多用して移動していた。

後は、アクションとしては面白味を感じる部分がないのも苦しい。
敵は飛び道具攻撃連打で倒せてしまうし、ボス戦をフィギュアの宣伝に使っていて、これといって面白いボス戦がない。
それと、敵を倒した時に落とすお金や経験値といったアイテムの回収が面倒臭かった。

画質イマイチのムービーの多さと、頻繁に挿入されるイベントシーンの饒舌な台詞によるテンポの悪さなんかも気になった。

褒められる点としては、ゲームクリアするだけなら使うフィギュアを強制的に限定させられるようなことがなく、煩わしさがなかったことだ。
フィギュアの変更を求められるのは、ステージ上で横道に閉ざされた扉があって、これを開けるために条件に沿ったキャラクターを召喚しなければならないのだが、強制されるのはこの時のみに留められている。
正直、仕組みとしては面白いが、キャラを切り替えるために、その都度パワーポータルに置くフィギュアを取り替えるのはゲーム的にはただただ面倒なだけだった。

海外で発売当時取り上げられて気になっていた作品ではあるが、鳴り物入りで日本版がローカライズされてプレイしてみたものの、ゲームとしては物足りなさが目立ち肩透かしを食らってしまった。そこで結論。

旧世代的な凡百3Dアクション。





[2013/07/21]
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