発売が延び延びになり、アニメ版の放映中に追い立てられるように発売された本作。 なんだか、これを作っていたせいで3の発売が遅れてしまったようにも思うのだが。 何故か、GBC全盛の時代に、全機種対応で作っている。 それどころか発売延期しすぎてしまって、発売時にはなんとGBAが既に出てしまっていた。 かなり練り込んで作ったとのことだが、手間暇をかけた割にはイマイチという印象である。 確かに、作り込んである節はある。 特に技術レベルで、本当に全機種対応なのかと疑いたくなるほど視覚的な部分でのレベルが高く、 その中でも音楽のクオリティが異常すぎるぐらい凄く、是非ヘッドホンでプレイして欲しいぐらいだ。 勿論GBだから、SFCやGBAに勝る音源ではないのだが、よくGBでここまで鳴らしていると 感心してしまうほど素晴らしい。 それに、色に関しても、GBC(GBA)では、勿論一番綺麗に映るのだが、 スーパーゲームボーイで遊んでも、13色でもそれなりにカラーになるように調整されている。 無駄なところに労力を注ぎすぎである。 また、グラフィックも非常に描き込まれていて、綺麗。 SO2のキャラと世界観を使った外伝的ストーリーになっている。 ストーリーと言っても本作は無いに等しく、 同社のヴァルキリープロファイルよろしく、ひたすらダンジョンを探索するゲームゲームした内容。 宝を探すために潜ったり、その地にいるモンスターを図鑑に収めるために潜ったり(単に戦うだけでは図鑑は埋まらないようになっている) 奥地にいるボスを倒すために潜ったりと、目的は多種多様、沢山用意されている。 勿論、先に進めるにはボスを倒す必要があるのだが、敢えて寄り道をしながら 遊んでも楽しめる構造になっている。 気を付けなければならないのが成長要素である。 ちょっと奇を衒った物になっていて、SOではお馴染みのスキルポイントが 今回は全キャラ共有のものになっている。 そして、キャラによって得手不得手の要素があるため、そのキャラごとにあった部分を伸ばさなくてはならない。 適当にやっていたら、どん詰まりになって非常に苦労する。 ストーリー性が薄く、アイテムを集めたりといったような古風な要素に楽しみを持てる人じゃないと辛いため 育成過程の敷居の高さと合わせて、玄人向けの作りである。 残念なのは戦闘部分。 GBの性能ではどうしても従来のSOのような戦闘が展開できないため、 テイルズのような横俯瞰の2Dバトルになっている。 この戦闘が非常に地味で分かりにくいものになってしまっている。 もっと戦闘部分が上手く作られていれば面白くなったように思う。 色々書いてはいるが、GBの中ではハイクオリティなだけであって、 そもそも同時期にGBAでタクティクスオウガ外伝や黄金の太陽が出ている時期に このゲームは正直ちょっと辛いように思う。 定価も6400円(直前で下がったんだっけ?)と、下手なGBAのソフトより全然高い。 GBAでやれば簡単に出来ることを手間暇かけてやっているだけであって、 早い段階でGBAで作っていれば、もっとクオリティの高いゲームになったのは想像に難くない。 特に戦闘シーンが、劇的に良くなったはずである。