ソニックザヘッジホッグ4 エピソード1


対応機種プレイステーション3(PlayStation Store)
発売日2010/10/12
価格1500円
発売元セガ

(c)2010 SEGA
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1994年にメガドライブで発売された「ソニックザヘッジホッグ3」以降途絶えていた(という設定の)ナンバリング作品の続編がダウンロード配信向けに開発された。
オールドゲーマーをターゲットとし、ゲーム内容も純粋な横スクロールアクションへと原点回帰を目指し、音速を超えるハリネズミアクションとして昔世間を沸かせたあの頃の面白さを再び提供しようと言う意図で作られている。

まず、今後どういう展開を考えているのかわからないが、エピソード1というのが余計に思えた。「シェンムー 第一章横須賀」のようなコケっぷりを想像させる。好評であればステージだけを差し替えた続編を短いスパンで出していこうと考えているかもしれないが、素直にナンバリングを進めてもいいような気が…。
それに、続編の展開としてエピソード2や3という方法を取るのだとしたら、想像でしか無いが、メガドラ版のソニック1から2が出た時のような進化が期待ができないということでもある。進化することをはなから放棄しているような。レトロゲーム路線としてやるにしても、ゲームシステムの変化などに硬直的であれば、次も遊びたいとは積極的に思えない。

カプコン「ロックマン9」にでも触発されたのだと思うが、公式サイトなんか見ると懐古趣味だが、実際プレイしてみると、グラフィックはプリレンダリングで描画されており、システムエンジンもまるで違う。ソニックの挙動にクセがなく、操縦性も異なっている。これは、どちらかというと、「ソニックアドベンチャー」などの3Dソニックをサイドビューにした形に近い。
新アクションとして、敵やオブジェクトをロックオンしてジャンプ中に再度ボタンをおすことでロックオン中の相手にホーミングするホーミング・アクションが追加されている。このアクションは、どちらかというと、3Dソニックに近いと言える。

つまりは、懐古路線とはいえ、方向性としてはカプコン「ロックマン」ではなく、任天堂「Newスーパーマリオブラザーズ」である。ダウンロードタイトルで価格も安いため、MD時代のシステムエンジンを使いドット絵で作られた安い方向性を先入観として持っていたためこれは意外だった。

ゲームとしては正直言って微妙と言える出来。この微妙という意味合いは、単純にゲーム自体の出来が悪いという意味ではない。この辺のニュアンスの説明が難しいのだが、ダウンロード作品の枠組みの中では、ビジュアル、サウンド、ゲームバランスなど、全てが高いクオリティでまとまっている。
だが一方で、オールドゲーマーに向けて売り出したゲーム(と、勝手に思っている)としては、また違った操作性やゲームデザインであり、「こんなのを求めてたわけじゃない!!」と違和感を覚えるに違いない。当時の技術力を結集して(言い換えるならエース級の開発メンバーを集めて)作られた、練り込まれたゲームギミック、サウンドビジュアルには到底叶わない。
翻って、比較的若いユーザ(ソニックアドベンチャー辺りが世代と言える人たち)には、新鮮で「なんとなく昔っぽく」作ってあるので、前述した変な先入観(これはこうでなければならないというオールドファン)を持たないので、素直に楽しめるだろう。
しかし、やはりパッケージタイトルと違って、細かい作り込みには期待できない(勿論本作はその中でもわりかし完成度は高いことは揺るがないのだが)ことや、総ステージ数がどうしても少なくなってしまう(ボス面を除けば4×3=12ステージしか無い)点が物足りなさを覚えさせる。
スコアアタックやタイムアタックモードなど自発的にやり込める要素は入っているが、受動的なやり込み要素は存在しない(強いて言えば、カオスエメラルド集めか?これだってMD版から存在していたし、今のやり込み要素とはちょっと趣向が違う)

だから微妙だと書いた。

例えばステージ構成。題材はまったくもって「ソニックザヘッジホッグ」を感じさせるものばかりで、草原を滑走したあとはカジノの華やかなエリアへと進み、神秘的な遺跡、最後にはエッグマンの居城を思わせる汚らしい工場など。
はっきりいって、目新しさが無いのである。これはメガドラ時代にリアルタイムでソニックを遊び倒した人であればあるほど感じることだと思う。全体的にソニック1、2のギミックをフィーチャーしており、懐かしさはあるが目新しさはない。
特にボス戦なんか、そのまんまだし。ボーナスステージにしても、ソニック1を現代風に改良した程度だ。

確かに鮮やかなHDポリゴングラフィックで、昔のステージギミックが再び蘇った姿は、とても素晴らしく感じられる。だが、この焼き直しの作りは、素直に懐かしい、面白いという感情よりは、何年も待たせてまたこれ?という印象のほうが強かった。

ゲームデザインとして見ても、スピード感や疾走感を重視しておらず、初代のソニックザヘッジホッグのようなジャンプアクションの趣が強い。
仕掛けを解くために、進行を唐突に止められたり、ジャンプアクションを優先したために、気持よく走っているところを不条理に止められるなど、確かにバネやダッシュボードは沢山置いてあって走れる場所も沢山あるし、水中ステージがあっても、以前ほど鈍い動きにならず、決してテンポは悪くない。
ただ、遊んでいてなんでここをこうしたんだというような、感覚的になにか違うと感じさせるものがいくつかあった。

ここまで手厳しい指摘ばかりになってしまったが、純粋にゲームの完成度としては高く、かなり遊べるゲームである。これまで長々と書いてきたことなど、実のところ懐古趣味者の重箱の隅つつきに過ぎない。それは、自覚している。

ただし、以下の不満点は明らかにこのゲームの欠点と感じた部分だ。いくつか指摘していく。

多彩なステージギミックが用意されている本作だが、それに対する説明が少なく、どうすれば良いのか困惑してしまうこと。例えば玉乗りや、重力を傾けて道を開く部屋など。
最初から全てのステージが選べてしまうこと。すべての面を攻略しないとラストステージが出てこないが、せめてエリアごとに開放するぐらいがやりごたえがあっていいと思う。先へ進めてるという実感が持ちにくい。
ゲーム・ボリュームに不安があったのか、ボスラッシュという安直なやり方を使ってごまかしたり、最後のボスをやたら強くする辺りが気になった。
欠点とはちょっと違うが、敵や仕掛けの配置が明らかに殺しにかかっていて、メガドライブのソニックザヘッジホッグもわりかし難度の高いアクションゲームではあるが(ノーコンティニューで平然とクリアできるようになるまで当時結構苦労してたことは記憶している)、客観的に見てもメガドラ版よりも難しめに感じた。ある意味セガらしいゲームと言えるが(笑)
現在主流のワイドスクリーンは、高速でステージを駆け抜けていくソニックというゲームとマッチしていると感じたが、それでも視界が狭く不便さを感じた点がある。もっと視点は引いても良かったかもしれない。上下方向の狭さが圧迫感を感じさせているかもしれない。
メガドライブ時代を意識して作られたFM音源っぽい音楽(厳密なFM音源ではない、ドラムの音とかそのまま使って飽くまでレトロっぽくきかせてるだけ)は、なかなかオリジナリティーが出ていて良いと感じたが、音楽じたいはクオリティに波がある。例えばタイトル画面のメインテーマ曲なんか一回聞いて覚えるぐらいの耳残りの良いメロディなのだが、ボスステージなんかはいまいちイメージに合わないものだったりする。
このシリーズは音楽の良さにも定評のある作品なので、もっと力を入れて欲しかった。

途中で微妙な作品だと書いたのだが、ここまで本格的に作ってきたのなら、いっそのことパッケージ化して、とことん作りこんでみて欲しかったとも思う。そこで結論。

「ロックマン」のような安い懐古路線かと思いきや、意外と力作。こなれてない部分は次回に期待か!?





[2010/10/13]
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