スペースインベーダー INFINITY GENE


対応機種プレイステーション3(PlayStation Store)/Xbox360(XboxLIVE arcade)
発売日2010/09/15
価格1200円(プレイステーション3)/800マイクロソフトポイント(Xbox360)
発売元スクウェアエニックス

(c)1978 2010 SQUARE ENIX / TAITO
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シューティングゲームの始祖とも言える「スペースインベーダー」が、プレイすればするほどゲームシステムが進化していき、最終的には3Dシューティングにまで到達するという一発ネタ的なゲーム。
携帯端末で販売されていたが、このたび家庭用ゲーム機でも移植され遊べるようになった。

冷たい物言いになるが、スペースインベーダーはシリーズ化しなかった。様々な機種に移植こそされど、あの固定画面でおなじみの敵を撃ちあう独特のスタイルは貫き通していた。
今回、ゲーム内容は縦スクロールシューティングになっているが、今作ははっきり言ってありきたりな縦シューティングであって、そこにわざわざスペースインベーダーという名前を使う必然性がないと感じた(敵とか所々フィーチャーしてるけど)。寧ろ足を引っ張ってる感もある。

白と黒のモノクロを基調としたグラフィックデザインで、クリーチャーデザインも抽象的で幾何学的である。音楽はテクノサウンドで、セガ「Res」を連想させる。
元が携帯電話のゲームだったから、このへん凝れなかったせいもあるのだろうが、敵弾が見辛かったり、派手なエフェクトが無く、変なところでシンプルさにこだわっていて、爽快感がない。
特に気になったのは、障害物が障害物と認識できずにやられてしまったり、3Dシューティングに進化する!という謳い文句を見たときに嫌な予感がしていたが、無意味に立体化して視点を変えたりして、システム的には2Dシューティングなのに、遊びづらくする演出が入っている点である。

弾コスリやチェーンボーナスといった、最近の弾幕STGではお決まりの要素がしっかり入っているものの、ゲーム途中で武装を変更できない、エクステンドがないといった、古風さも残っている。
スコアはリアルタイムでランキング計測され、現在の順位が左上に表示される(消すことも出来る)。これは燃える!と個人的に思う。

こういった見た目に頼らなかったゲームは、中身でカバーしなくてはならないが、音楽は退屈だし敵のエントリも単調、冗長で、ステージ数はかなり用意されているが水増し感が強く、ノーマルモードに関して言えば、つまらないの一言に限る。
最初ボスキャラとして出てきたキャラを後半はザコとして使い回し(耐久力は減らしている)てたり、バランス調整はしているのだが、「またか!」という印象しか持てず、なんとも退屈極まりない構成にがっかりしてしまう。

きつめに書いているが、言うほど悪いゲームではない。やりこめばやり込むほど新しい要素が出現するから、全要素を出現させるまでは最低でも飽きずに楽しめるよう工夫している面も評価できる。
最初にも書いたが、スペースインベーダーが進化していくというただひとつのネタがやりたいだけのために、中身は全く関係ないただの縦スクロールシューティングになってしまっている点が駄目だと感じた。
3Dシューティングエリアに入ってしまうと、同社「レイフォース」っぽくなっちゃうし、武装のなかにまんまレイフォースのものがあるし(狙ってやっているのだろうけど)。
要するに、どこかでみたような物が目立つから、没個性的なシューティングゲームにしか見えないのだ。しかも、変なところに頑固者で古臭いシステムを引きずっているからたちが悪い。

つまり、ありきたりな縦スクロールシューティングが、既に、スペースインベーダーとは全く関係ない内容になってしまっている。客寄せのために名前を使っているだけであって、ゲーム内容は遠くかけ離れてしまっている。
それを除けば、割と遊べるゲームだと思う。初見殺しも目立つが、難易度は低いほうだと思う。個人的には、変なしがらみに拘らずに、もっと爽快感や派手さを追求しても良かったのじゃないかと思うのだけど。元が携帯アプリだけにあまり凝ったことは出来なかったか。そこで結論。

点数稼ぎのゲームとしては悪くない出来栄えだが、欠点も目立つ凡作。





[2010/09/20]
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