スプラッターハウス


ミスタードリラー、もじぴったん、太鼓の達人、塊魂
今やナムコのゲームには、もれなく可愛いキャラが付いてくるといった感じだが、
昔は結構グログロしいゲームも出ていた。

その筆頭となるのがこのスプラッターハウス。

名前から既に想像が付くと思うが、洋画ホラーなアクションゲームである。

これは、俺が小学3年生の時に発売されて、遊んでいたということを考慮しても
バイオレンスさでは、トップクラスを誇る。
最近は、ゲームにしろ映画にしろ、表現描写に規制がかかっていたり、
自己規制を施す配慮がなされていることもあってか、その手のジャンルも殆どが
トラウマになるほど怖い物はなく、生ぬるい物ばかりだ。
ここ数年で話題になったホラー映画(2000年にリメイクされた映画なんつったっけな…)なんかも
どれも言うほど怖くは無い。
それこそ、たまに2ちゃんねるで踏んでしまうグロ画像のほうが気持ち悪かったりする。

恋人を何者か(これに限らず昔やって以来なのでところどころ記憶が抜けております)に連れ去られた
主人公リックが、何故か白い仮面を身につけて、怨念漂う怪しい洋館へと足を踏み入れる。

これにチェーンソーを持たせればまるでその姿はジェイソンそのものだ!

残念なことにゲーム上でチェーンソーは流石に出てこないが
黄金のナタが落ちていて、それを拾って敵を斬り付けたりすることは出来る。
基本攻撃はキックとパンチ。

洋画ホラーの基本どころか、今は規制で表現出来ないような過激なところまで描かれている。
序盤のポルターガイストから既にかなりヤバイぐらいなのだが、
その後も教会の祭壇のような場所では浮遊している逆さ十字を黄金のナタで斬り付けていったり
ゲーム終盤では、生き物の体内みたいな気持ち悪い場所まである。
丸い膜に覆われた何かの幼体のような敵も勿論出てくる。

音も絵も今ではチープなのだが、そのどれもが尾を引いていく感じで、
全体的に重苦しい空気が漂う。
最近のホラー系ゲームのように、寒気がするような張りつめた空気では無く
何か本当にそのゲームの中に執念であるとか怨念を感じる雰囲気は気が重くなってくる。

このゲームを知っていると、バイオ辺りのゲームは、幼稚園児のおままごと程度に感じると思う。
そもそも同じホラーでも方向性が違うから一概に比べるわけにはいかないんだけど。

ゲームそのものの難易度も結構高め。
キャラが大きめなこともあって、画面が狭い感じがするが、
ひたすら右へ進んでいくタイプのゲームなので、あまり気にならない。
ジャンプも敵の攻撃をよけるとか、希にある穴を飛び越える程度。

昔のアクションゲームらしく、覚えゲーな部分も多く、
コンティニューも出来なかったと思ったので
エンディングを迎えるにはちょっと何度も遊び込む必要がある。

ステージ数は確か全部で7。
だが、一つ一つが前述の通り異常に濃く、半端な気持ちじゃ遊び続けることすら困難。
作り手がある程度の自己規制を施すのも分かる気がする。

中でも難所なのがステージ5のボス。
それまでグロテスクな風景ばかりだった中で、
恋人の部屋(みたいな場所…それは勿論まやかし)に辿り着き
その部屋の奥には恋人ジェニファーが。

「あぁ…やっと…」と安堵をつきかけたその時、
ジェニファーは気持ち悪い怪物に変身してしまう。
人型のクリーチャーなため、素早い動きは次の行動が読みづらく
一応、パターンはあるのだが、かなりタイミングがシビアで
それこそ何度も何度も挑戦して身体で覚えていくしかない。

ここの一連のシーンでは、恋人の声がちゃんと肉声で喋るようになっていて
かなり力が入っている。
この恋人を倒したあとも、まだ2ステージ残っており、
悲壮感漂いながら、涙を飲んで最後まで進めなくてはならないのだ。

俺も、一緒に填っていた友達も、ここのシーンはある種のトラウマになるほど強烈だった。
ゲーム中、この敵は最も強敵で倒した時の達成感ももの凄いものがあったが、
それ以上に、自分の恋人を手にかけざるを得なかったという衝撃は
初めて倒した時、不覚にも涙してしまった。

あまりはっきりとは覚えていないのだが、ここに出てくる恋人自体が幽霊が化けた物という可能性もあったが
最後は洋館を自らで燃やしてしまっているし、結局救えずにエンディングになっていたので、
恐らくあれは本人だったんだと思う。

意外にストーリー性も強く、もうちょっと描写があっても良かったかなとも思う。
最初にちょっとしたデモと最後も、あまりにも端折られたストーリー部分は、ちょっと印象に残りにくかった。
結局、悪霊の元凶はなんだったのかなどがイマイチで、そこら辺の押しが弱かった。
確か、主人公が付けていた白い仮面と関係があったと思ったのだが。

やはりこれは当時でもかなり話題になり、評価も高かったのか
2、3と続編が登場し、家庭用ではメガドライブでのみ移植されている。
が、一作目に比べると面白くはないらしい。




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