スタートリングオデッセイ2 魔竜戦争


対応機種PCエンジン(SUPER CD-ROM2)
発売日1994/10/21
価格9600円
発売元レイフォース

(c)1994 Ray Force
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PCエンジンならではの作りが特徴的な王道RPG「スタートリングオデッセイ」の続編。

他社のゲームを研究してきたのか、あらゆる部分がグレードアップしており、引き締まった作りとなった。
このゲームならではといった独自要素は見られないが、基本がしっかりしておりはずさない出来映えとなっているので安心してプレイできる。

フィールドはキャラクターが二頭身表示となり、見栄えがかなり良くなった(全体的にマップの狭さが気になるが)。
戦闘シーンは、ビハインドビューのスタイルとなった。
敵味方が画面上に表示されるようになったためすべての行動が視覚的に表現され、細かなアニメーションや魔法のエフェクト、飛び出す数字で表現されるダメージなど、非常に力が入っている。

イベント演出が大幅に強化されている。
ビジュアルシーンのクオリティは前作からさらに磨きがかかり、良く動き作画レベルも高い。量も多い。
フィールド上でも、見せ場では顔グラを表示しながら、ボイスを当てるようになったので、ビジュアルパートとの距離感も縮まった。

アイテムと魔法の種類も整理され、綺麗にまとまっている。ただし、効果の説明文が表示されなくなったのが残念と言える。
また、回復アイテムを連続使用できなくなり、1回使うごとにいちいちアイテム(魔法)選択画面に戻される、アイテムの位置を動かすこともできなくなったので不便。
他にも、前作がまんまFFだったという批判があったのか、メニュー周りはかなり変えてきていて、見栄えは良くなったが、その代わり、微妙に使い勝手が悪くなっている。

ハードの使い方がこなれてきたことや、基本を抑えた仕上がりではあるのだが、一方でどこか垢抜けないところも多くあり、素直に褒められないゲームとなっている。

相変わらずエンカウント率が高い。乱数が安定しないのか出ない時は極端に出ないのだが、基本的にうざい頻度で敵が出る。
戦闘バランスはしっかり取られているが、どっぷりぬるま湯で、緊張感は全くない。それゆえに余計、このエンカウントの高さが気になる。

アイテムの持てる数が少ない。イベントアイテムも通常枠で埋まってしまう上に、沢山持たされるので、ただでさえ所持数が少ないところをさらに圧迫される。
不要な装備品を処分しても慢性的にアイテム欄がいっぱいになり、やりくりがとにかくキツイ。

また、ゲーム終盤になると、パラメーターがカウンターストップしてしまうため、新しい装備品が手に入っても、どっちが良い性能なのかがわかりにくい。困ったものだ。

ストーリーは、演出も良くなったし、決してつまらないわけじゃないのだが、もう一歩押しが足りない印象。
強引な展開や説明不足なところがあり、半ば成り行き上、世界を巡って目の前の強敵を倒してしまっている感じで、どことなく淡々としており作業的で魅力がない。
演出が強化されたといっても、割と盛り上がって欲しいところがテキストだけで終わってしまう場面が多く、今ひとつノれない。

ワールドマップは、「天外魔境」のように大陸ごとにエリア分割される形式を取っている。
それまではいいのだが、1エリアが狭すぎる上に分割しすぎて、各エリアの繋がりがわかりづらくなり、世界観が希薄になってしまっている。
せめてもう少し1つのエリアを大きくしてくれれば、1つの地続きの世界を冒険している感覚を出せたのではないかと思う。
「天外魔境」では、国ごとにエリアを分割していたし、1エリアがそれなりに広かったから、分割されても納得できたが、このゲームでは、そこら辺の工夫がなく機械的なので、なんとも芸がない。

PCエンジンのRPGといった括りでは、間違いなく高水準に位置する作品ではあるが、ゲームとして退屈さを感じる未熟な部分も多く残っており、もう一つ頑張りの欲しかったところだ。そこで結論。

ツボを押さえた作りだが、イマイチさが残る作品。





[2014/09/13]
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