スターフォース


対応機種ファミリーコンピュータ
発売日1985/06/25
価格4900円
発売元ハドソン

(c)1985 HUDSON SOFT / TEHKAN
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当時まだ家庭用ゲーム事業に参入していなかったテーカン(テクモ)に代わり、移植作業を行ったのが老舗メーカーハドソンである。
本作は「ゼビウス」と並び、初期における縦スクロールシューティングの金字塔とも言える作品だ。

唐突だが、自分はこのゲームが大好きである。理由はいくつかある。

シンプルである。
ゲームシステムが実に洗練されており、「ゼビウス」では、地上物と空中を浮遊する敵の2種類がおり、撃ち分けの必要があったが、このゲームでは必要ない点。ショットのワンボタンのみである。
しかし、地上物は、一種の障害物といった役割を果たしており、耐久力が高かったり、密集して配置されていたりと、撃破しないと、そこでプレイヤーの弾が遮られるなど、ちゃんと存在感を持たせている。

また、パワーアップアイテムがあり、2段階に自機が強化されるが、それほど強力にならないので、終始ゲームバランスが一定に保たれ、途中でミスして初期状態に戻っても復帰がさほどきつくない。
それにプラスして、1アップ出来るパネルがまれに配置されており、うまくパネルを撃破すれば(入手難度はさすがにそこそこシビアにはなっている)、序盤の凡ミスで失った機数もカバー出来るなど、なかなか中毒性のある考えられた設計をされている。

敵の種類及び特徴、挙動も良く練られており、現在に至るシューティングゲームの基本が全て含まれているといっても過言ではない構成となっている。
敵の編隊の出現パターンも一定で、少しプレイすれば、覚えてしまうような単純さではあるが、奥が深く何度でもプレイしたくなる絶妙なゲームバランスが良い。

ボーナスギミックのセンスやバランスの良さ。
他のゲームでは、話題性やゲームとしてのボリュームを意識して、沢山のボーナスアイテムを仕込んだりするが、それによってスコアがインフレを起こし、知っているのと知らないのとでは幅のある格差を生み出してしまうものすらある。
しかしこのゲームでは、そういったギミックも適度で、ボーナス得点も過剰すぎないのが良い(まぁラリオスの50000点は必須みたいになっちゃってるけども、それなりに有名だし簡単にとれるし)。
ちなみに、このゲームの最終目標は、100万点を獲得出来るボーナスキャラ、クレオパトラを見つけることである。
これは、ゲーム上にちゃんとヒントがあり(遠回しすぎて普通はわからないが)、ゲームクリアが目標ではなく(特定の地点まで到達するとエンドレスとなる。その前にマップや敵の構成といった部分では一周してしまうのだが)、破格のボーナスキャラを探し出すという設定も良いと思う。

当然ながら、ファミコン版はスペックの制約上、かなりアーケード版とは違った作りになっている。それは、ファミコンの移植作品では当たり前のことなので、やり玉に挙げるべき部分ではない。
だが、ハードの使い方はとても上手で、ファミコンではありがちな、オブジェクト欠けやスローモーションなどの処理落ちは無く、シューティングゲームに重要な軽快なテンポや爽快感は損なわれることなく出来上がっている。勿論、移植作であるから、原作の雰囲気も割と忠実に再現はしている。

アーケード版と比べても、全体的に低難易度で、誰もが簡単にスコアを稼ぐという楽しさを手軽に味わえる、良くできたゲームといえよう。

余談にはなるが、ハドソンはこのゲームをきっかけに、ハイスコアを競う全国キャラバンのイベントを開催し、シューティングブームの一翼を担った。
一年後には、このゲームのシンプルさと爽快感を参考にしたオリジナル作品「スターソルジャー」を開発し、以後90年代前半まで、ほぼ毎年「スターソルジャー」シリーズを展開した。
そういう意味では、本作品の存在意義というものは偉大なものだったと言える。

どちらかと言うと、「スターフォース」というと、アーケードよりも、こっちのファミコン版の方が有名なのではないだろうか?「スターフォース」と聞いて、おそらくはファミコン版を連想する人の方が多いと思う。
「スターフォース」の続編も存在し、ファミコンで発売されているが、こっちは存在自体知らない人が多いのでは?

失礼だが、無骨なグラフィックデザインもなかなか味があっていい。ただ、全体的に背景の色遣いが明るめで、敵の弾が見づらいのがやっていて気にはなった。そこで結論。

シンプルイズベスト。名作。





[2009/04/12]
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