幻想水滸伝


対応機種プレイステーション
発売日1995/12/15
価格6800円
発売元コナミ

(c)1995 KONAMI
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次世代機のRPGといったら、まだまだ発展途上で、開発者の自己満足のままで売られてしまうものが少なくない。
そんななかで、この「幻想水滸伝」は、ユーザーフレンドリーな作りでなかなか健闘している。

マップはすべてドットと割り切った作りで、CDなので容量を気にすることなくマップチップも豪快に人海戦術で実にダイナミックに描かれている。
ポリゴンを使うのはまだ早いという結論だろう。しかし一方で、戦闘ではポリゴンを使っている。が、ここでも戦闘フィールドのみに使用を留め、キャラクターはスプライト処理している。

CDとは思えないほど、ゲーム全体のディスクアクセスが早く、待たされ感がまったくない。
特に戦闘への切り替えは相当気にしていたのか、本当に一瞬で移行する速さ。
ここでふと気付くのである。ロード時間をなくすために、通常マップをドットで、戦闘のみポリゴンにしているのだ。
CD-ROMの長所は膨大な容量だが、短所はデータ呼び出しはハード依存で、少ないメモリからデータをやりくりしなくてはならない別の問題を抱えることになってしまった。
このゲームは、そこら辺の事情を良く分かっている。マップの切り替えの段階で、戦闘時のデータまで一緒に読み込んでいるのだ。
手法自体は、別にPC-Eの頃から頭のいいゲームでは当たり前に使われていたものなので、珍しくはないが、そこを分かって実践しているソフトは限りなく少ない。

ゲーム内容は、オーソドックスなストーリー主導型RPGだが、水滸伝の108星の設定を絡めて、なかなか新鮮な印象を持たせることに成功している。
仲間に出来るキャラクターは全108人。ストーリーを進める以外に、仲間をコレクションしていくゲーム的な楽しみも兼ね備えている。
キャラによって役割があって、ウィンドウデザインを変更出来る人や、効果音を変更出来る人、宿屋の主人など、集めれば集めるほど自分の本拠地がにぎやかに、そして便利になっていく作りは上手い!

不満点も少なくない。アイテム管理がドラクエ方式なので、管理が煩雑。108人全員が戦えるわけではないのだが、それでもかなりの数で、S.RPG並にいるので、把握するだけで一苦労(入れ替えの時に顔グラフィック表示は欲しかった)。
ストーリー進行上、かならず仲間に入れなくてはならない人がいて、自由に連れて行けるキャラが2〜3人に制限されるのは悲しい。やっぱり気に入ったキャラで編成したいと思う。
また反対に、パーティメンバーが最大6名というのは、コマンド入力に時間がかかり多すぎる印象もある。

レベル差が付いてもそれが埋まりやすい経験値システムや、ゆるいゲームバランスは逆に戦闘を楽しませるものではないと思うので、良い作りだと感じた。
作り込んでいけばまだまだ良くなる、そんな印象を受けたゲームだった。

古くさいところはあるが、意外とプレイヤー心理を分かってるゲーム。





[2004/03/13-2006/02/03]
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