まじかる☆タルるートくん FANTASTIC WORLD!!


対応機種ファミリーコンピュータ
発売日1991/03/21
価格5800円
発売元バンダイ

(c)1991 BANDAI / TATSUYA EGAWA / SHUEISHA / TOEI ANIMATION
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小さな落ちこぼれ魔法使いタルるートが活躍するジャンプアクション。
週刊少年ジャンプで連載、テレビアニメ化された人気漫画のゲーム版となる。

ゲームのスタイルとしては、「スーパーマリオブラザーズ」を模倣した物で、プレイヤーの操縦性にクセもなく素直に動くし、良く出来ている。
変に個性を出そうと冒険をして作品を駄目にしてしまうよりかは、ここまで割り切って真似してくれた方が逆に良い。

「スーパーマリオ」のコインに当たるのが、タルるート大好物の「たこやき」である。
ステージ上に配置されているたこやきは、舌を出す(攻撃ボタン)ことで食べることが出来る。
集めたたこやきは、ステージクリア後ミモラの魔法ショップで魔法アイテムと交換出来るのだ。

たこやきの中には、無敵になったり残機アップするものが隠れている。見分けが付かないので自分で探す必要がある。
また、食べなければ上に乗ることが出来、敢えて食べずに足場として使える。これは中々あるようでなかったアイディアだ。

舌を出して敵を攻撃するが、当たり判定がイマイチわかりにくいのが難点ではある。
そして、敵に当たってしまうと一発でやられてしまうというのも、キャラゲーとしては、かなり厳しいシステムに感じる。全体的に敵の配置も嫌らしい。
魔法アイテムを駆使することで、楽に進めるように作ってはいるが、それでもまだキツイ。

「スーパーマリオブラザーズ3」のように、エリアマップがあり、そこからステージやボーナスイベントまで自分で歩いて進めていく。
ただステージが置いてあるだけでなく、原作のキャラクターが通せんぼしていたりするのがキャラゲーらしくて良い。

ちゃんとストーリー仕立てでゲームが進行するのも嬉しい。漫画の世界観をうまく活用した構成になっているのも素晴らしいと言える。
ゲームが良くできているというよりは、タルるートくんという漫画が、ゲームとの親和性が高いというのも一理あるだろう。
エンディングの演出も非常に良くできており、ゲームならではの展開が面白かった。

ステージ数もかなり多く、ボリュームがかなりあるため、セーブ機能が付けられている。が、特定のアイテムを消費する回数制になっている。
そのアイテムは意識しておけば溜めておくことが出来るものの、わざわざセーブ出来る回数を制限する必要性が無い。

いくつか不満点もある。
クリアしたステージは消えて無くなるため、たとえば難しいステージで、いったんクリアした面に戻って、たこやきを集め魔法アイテムを買い込むというような稼ぎプレイが出来ない。
普通にやっていれば、かなりたこやきも溜まるし、本当に厳しい面は1アップするたこやきが置かれていたりするし、機数アップ出来る機会も非常に多く用意されているので、まずハマることはないのだが、
こういう不安感は、ゲームシステムで調整してやれば簡単に払拭出来ることなので、アクションゲームが苦手な人や普段あまりゲームを遊ばない層などを考えて作って欲しかった。
また、一度入ってしまったステージは、クリアするまで抜けられないというのも、せっかくのエリアマップ方式の利点を壊してしまっていると思う。

苦言を呈する部分も多かったが、綺麗にまとまったゲームである。
最後に、タイトルメニューにタル図鑑というものがあり、アニメや漫画版の知識に乏しい人向けに、解説してくれるモードがとても親切に感じた。音楽も旋律や音色が良く、クオリティが高い。そこで結論。

ゲームとしては凡作だが、キャラゲーとしては割と優秀。





[2009/10/25]
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