まじかる☆タルるートくん2 まほうだいぼうけん


対応機種ファミリーコンピュータ
発売日1992/06/19
価格5800円
発売元バンダイ

(c)1992 BANDAI / TATSUYA EGAWA / SHUEISHA / TOEI ANIMATION
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江川達也の代表作「まじかる☆タルるートくん」のゲーム版。ファミコンでは2作目。

1と同様の横スクロールタイプのジャンプアクションだが、タルるート、本丸、ミモラの3人から操作するキャラを選択したり、キャラクタがレベルアップする要素を導入。新しい試みを行なっている。

だが。オーソドックスなジャンプアクションから一線を画した内容にしたかったのはわかるのだが、どれもがイマイチ面白さに繋がっておらず、かえってシステム的に分かりづらさすら生んでしまい、失敗していると言える。

3人からプレイヤーキャラを選べるが、性能的には使える魔法が異なるぐらいで、それ以外は違いがない。これは実につまらないと言える。
新しいアクションとして、セレクトボタンでキャラに応じた魔法を選んで使うことが出来る。たこやきを一定数消費して使用する便利アクションだ。
しかし、どの魔法もいまいち使い勝手が良くなく、沢山たこやきを使う割に効果的でない。さらに言うと、ステージ上でたこやき集めても、ワンミスするたびに半分減らされるため全然貯まらない。困ったものだ。

特定の「特訓ステージ」を良い成績でクリアーすることで経験値を獲得し、レベルアップする概念もある。
何か強くなるってわけではなく、新しい魔法を使えるようになる程度で、それ以上の変化はない。なんか取ってつけたような要素で残念(ボードマップの分岐で攻略する必要のない面に価値を持たせたつもりなのだろう)。

前作と違って、とにかく奇を衒った要素を入れて、目新しさを追求しているのだが、それが裏目に出ていて、見事につまらなくなってしまっている。
特に困ったのは、魔法の効果。ゲーム上ではいっさい説明してくれないので、自分で試すしかないのだが、これが使っただけでは効果がわからないものが多く、説明書がないと何がなにやらさっぱりな有様。
魔法を使わないと先へ進めないステージもあったりして、どうすればよいかわからなくなり、どん詰まりになったこともある。安い箱・説明書なしの状態のものを買ったので、おもわぬところでいらぬ苦労を強いられてしまった。

アクションステージも少ない。そのうえ、地形の使い回しも非常に多いし、敵も種類が少ない。
こちらの攻撃のリーチが異様に短いことや、突然急突進してくるいやらしい敵などが、無意味に理不尽さを引き上げている。
たこやきを「食べる」動作がなくなったのも残念。敢えて取らずに足場にするという使い方が上手だと評価していただけにがっかりさせられた。

なんだか、1から色々いじってる割には全体的に投げやりな作り。
実際のところ、画期的な新システムも、企画書を通しやすくするため、問屋に売りやすくするためのものにしか思えなかった。肝心のゲームはというと、各々の要素をただいれただけで、面白くする努力などみじんも見られない残念なゲームになってしまっている。
実にバンダイらしいゲームとも言えるが。
下手に1の出来が良かったので、多くの人はあれをちょっと改良して遊びやすくしてくれたゲームを求めていたと思う。流用だの使い回しだの言われてもゲーム的にもそっちのが完成度が上がったに違いない。そこで結論。

斬新さがあだになった作品。





[2011/04/11]
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